1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)21:46:45.41ID:VCEXdSrC0


miho_nishizumi-02

優花里「そんな、西住殿!大洗が嫌になったのですかっ!?」ガタッ

みほ「ああいや、そうじゃなくて。今度の連休にちょっと里帰りしようかなって思って……」

優花里「な、なんだ……びっくりしました……」フラフラ

みほ「ああっ、大丈夫!?優花里さん」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1364647605

広告

2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)21:49:05.71ID:VCEXdSrC0


優花里「ああ、大丈夫であります。しかし里帰りですか……」

優花里「そうですね、決勝戦が終わって初めての連休ですから、皆さん家族に優勝の報告に行ってるみたいですしね」

優花里「私は実家が学園艦ですから、その必要はありませんでしたが」

みほ「うん、全国大会も終わったことだし……お母さんに一度きちんと挨拶に行かなきゃと思って」

みほ「ほら、前は逃げるように大洗に来ちゃったから……」

優花里「西住殿……」

3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)21:54:13.73ID:VCEXdSrC0


優花里(西住殿……よく見たら震えている?)

優花里(不安……なんでしょうか?お母様は厳しい方だと前におっしゃってましたし……)

優花里(——だったら!!)グッ

優花里「あ、あのっ、西住殿っ!」

みほ「?」

優花里「もしよろしければ、私もご一緒してもよろしいでしょうかっ?」

4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)21:59:49.54ID:VCEXdSrC0


みほ「えっ、優花里さんが……私の家に?」

優花里「は、はいっ!」

優花里(ああ、やはり無茶言ってますよね、私。西住殿もあんなに困って——)

みほ「うん、いいよ」

優花里(——ない!?)

優花里「あ、あの……自分で言っておいてなんなのですが、ご迷惑ではないのでしょうか?」

みほ「迷惑だなんて!正直、私も一人で行くのも不安だったから、優花里さんがいると心強いよ!」ニコッ

優花里「あ、はいっ。こちらこそよろしくお願い致します!!」ペコリ

5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:07:44.48ID:VCEXdSrC0


————西住家:門前にて

みほ「ようやく着いたね〜」

優花里「はい!しかしさすが西住流……すごいお屋敷ですね……」

みほ「そ、そうかな……」

優花里「お屋敷だけではなく、戦車倉庫や演習場まであるお家は中々無いと思いますよ!」

みほ「ははは……あ、菊代さん!ただいま!」

菊代「みほお嬢様、おかえりなさい。遠い所大変でしたね……そちらがお電話でおっしゃっていたお友達ですか?」

6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:15:02.26ID:VCEXdSrC0


優花里「あ、はい。秋山優花里と申します!」

菊代「ふふふ……元気な方ですね。どうぞゆっくりしていって下さいね」

優花里「はい!ありがとうございます!!」

菊代「さ、立ち話もなんですからどうぞ中に」

みほ「あ、はい。行こう、優花里さん」

優花里「はいっ!」

7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:21:10.35ID:VCEXdSrC0


————西住家:玄関にて

みほ「ただいまーっ」ガラッ

優花里「お邪魔しまーすっ」

まほ「ああ、おかえり……みほ」スタスタ

みほ「お、お姉ちゃん!帰ってたの!?」

まほ「ああ、昨日からな。みほは……お母様に会いに来たんだったな?」

みほ「う、うん……」

8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:30:29.21ID:VCEXdSrC0


まほ「お母様は居間にいる。早く行ってくるといい」

みほ「あ、うん。でも……」チラッ

まほ「お客様もいたのか。……君は確か、�W号に乗っていた——」

優花里「は、はい!装填手の秋山優花里と申します!!」

まほ「ああ、いらっしゃい。……この子は私が客間に案内しておくから」

9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:40:08.58ID:VCEXdSrC0


菊代「まほお嬢様、それでしたら私が——」

まほ「大丈夫ですよ、菊代さん。私もみほの友達に聞きたいことがあったし……それより、居間の方をお願いしてもいいかな?」

菊代「は、はい……ではみほお嬢様、参りましょう」

みほ「あ、はい……優花里さん、また後でね」

優花里「あ、ええ……」

優花里(あ、あれ……もしかして私、姉上殿と二人っきりになるんですか——っ!?)

10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:47:19.87ID:VCEXdSrC0


————西住家:客間にて

まほ「すまないな、なんのお構いもできず……」

優花里「い、いえこちらこそ……部外者である私がお邪魔する形になってしまって……」

まほ「君はみほの友達だろう?妹の友達が遊びに来る——何もおかしいことは無い。どうかくつろいでくれ」

優花里「は、はぁ……」

優花里(き、緊張します——っ!!)

優花里(なんか成り行きで姉上殿と二人っきりになってしまいましたが、一体何を話せば……)

11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)22:54:07.13ID:VCEXdSrC0


優花里(それに——)チラッ

まほ「?」

優花里(姉上殿のご尊顔……西住殿に似ていながらもキリリと精悍な顔立ち……試合の中での険しい表情のイメージが強くて余計に緊張をしてしまいます……)

優花里(あれ、そういえば——)

優花里『お言葉ですが!あの試合のみほさんの判断は、間違ってませんでした!!』※5話参照

優花里(わ、私、初対面からとんでもなく失礼なことを言ってました——っ!?)ガーン

12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:02:04.11ID:VCEXdSrC0


優花里「せ、先日はとんだご無礼を——っっ!!」ザザッ

まほ「ど、どうした?いきなり土下座なんかして……」

優花里「抽選会の日の戦車喫茶でのことです。名乗りもせずに姉上殿に生意気な口を聞いてしまいまして……」

まほ「ああ、あの時のことか……気にすることはない」

まほ「むしろこちらこそ、うちの副隊長が言葉を選ばずに申し訳ない……」ペコッ

優花里「ああそんなっ、どうかお顔を上げてください、姉上殿」

まほ「ならば君も気にしないでくれ、気遣いは無用だ……」

優花里「は、はい……」

14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:11:23.08ID:VCEXdSrC0


優花里(許しは頂きましたが……でも——)

優花里「あの……ご無礼ついでに、一つお聞きしてもいいでしょうか?」オズオズ

まほ「なんだ?」

優花里「姉上殿は今でも、去年の決勝でのみほさんの行動は間違っていたと思われますか?」

まほ「……」

優花里「……」ドキドキ

まほ「……『西住流』としては、褒められたものではないな」

優花里「——っ!?」

15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:13:17.69ID:VCEXdSrC0


まほ「だが、それがあの子の見つけた戦車道だ。私個人としては応援こそすれ、否定はしないさ」

優花里「——はいっ////」

優花里(その言葉が聞けただけでも、ここに来たかいが有りました!)

16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:17:20.05ID:VCEXdSrC0


優花里(それにしても西住殿、大丈夫でしょうか……?)ソワソワ

まほ「……心配か?」

優花里「あ、はい……大洗でのみほさんは、いつも明るくしていらっしゃいますが、あの時のことを思い出されると、やはり辛そうな時がありますので……」

優花里「ああっ、別に、母上殿や姉上殿が怖いとか、そういうわけではなくてですねっ!?」アセアセッ

まほ「みほなら大丈夫さ……」

優花里「へ——?」

17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:24:28.81ID:VCEXdSrC0


まほ「以前のみほならいざ知らず、あの子は強くなった。決勝ではそれを心から感じられたよ……」

まほ「多分……君達のような友達に出会えたからだろう。ありがとう」

優花里「……なんでもお見通しなんですね、姉上殿は……」

まほ「……そうでもないさ。結局私は、肝心な時にあの子を 守ってあげる事ができなかった」

まほ「いつも悲しませてばかりで——嫌われて当然の、ダメな姉だよ」

優花里「それは違います!」ガタッ

18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:28:01.53ID:VCEXdSrC0


優花里「失礼を承知で言わせていただきます!みほさんが姉上殿を嫌いだなんてことはありえません!」

優花里「ここに来るまでの間、みほさんはずっと姉上殿の話ばかりされてました」

優花里「恨み辛みなんかじゃありません。どれだけ姉上殿がすばらしい方であるか……自分の中で大きな存在であるか……そんな話ばかりです!」

みほ『お姉ちゃんはすごいんだ、私なんかとは比べ物にならないくらい……』

優花里「だから……断言させていただきます!みほさんは、姉上殿のことが大好きですっ!!」

19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:33:41.36ID:VCEXdSrC0


みほ『私が戦車道始めたきっかけはね……家元の娘だからとかそんなんじゃなくて、お姉ちゃんに憧れてなんだ』

優花里(本当に、嫉妬してしまいますが……)

みほ『お姉ちゃんみたいにかっこよくて優しい人になりたい——それがきっかけ……』

優花里「そのことだけはどうか……自信を持ってください」

まほ「そうか……」

まほ「……そう言ってもらえると嬉しいよ……ありがとう」ニコッ

優花里(ああ……笑ったところは、西住殿そっくりですね)

20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:37:55.35ID:VCEXdSrC0


優花里「そういえば、私と話したかったことというのは?玄関でおっしゃってましたよね?」

まほ「ん?ああ……その事か」

優花里(ま、まさか——『お前はみほの友達に相応しくない!!』と絶縁宣言されたりして!?)

優花里(そういえば先程から、失礼な発言ばかりしてしまっていたような……)ブルブル

まほ「実は——」

優花里「はい」ビクッ

まほ「みほはその……大洗で元気にやっているのかな?」

優花里「ふぇ……?」キョトン

21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:44:02.87ID:VCEXdSrC0


まほ「いやな、みほはアレで引っ込み思案な所があるから、上手く馴染めているのかな……と」

優花里「はぁ……」

まほ「君のような友人がいるのだから、いじめを受けているということはないのだろが、ほら、勉強の進行度も違うだろうし……」

優花里(も、もしや……)

まほ「スポーツも不得意ではないんだが、肝心な所でミスすることがあるから、心配でならないんだが……」

22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:49:09.42ID:VCEXdSrC0


まほ「ルックスも悪くない……いやむしろ可愛い部類に入ると思うんだが、変な男に引っかかってたりはしないだろうかと……」

優花里「いや〜女子校ですからその心配は無いかと……」

優花里(この人ただの姉バカだ——っ!!?)ズーン

まほ「そ、そうか……ならいいんだが……」

優花里(な、なんか……先ほどまでとイメージが随分違うような……)

優花里(というか、こういう自信無さ気な顔をされると、西住殿そっくりですね……)

優花里「わかりました、姉上殿。不肖、秋山優花里が、みほさんの学生での様子をお伝えいたしましょう!」

まほ「よ、よろしく頼む……」

23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:52:56.53ID:VCEXdSrC0


みほ(ふぅ、遅くなっちゃったな……)

みほ「ふたりとも、遅くなってごめんね」ガラッ

優花里「おかえりなさい、西住殿」

まほ「おかえり、みほ……お母様とは?」

みほ「うん……とりあえず、今の私の気持ちを全部ぶつけてみた」

まほ「ああ……」

みほ「そしたら、『西住流として認めるわけにはいかないけれど、好きにしなさい』って」

まほ「そうか……」

優花里「良かったですね、西住殿」

みほ「うん////」

24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/30(土)23:55:59.87ID:VCEXdSrC0


まほ「連休中はこっちにいられるのか?」

みほ「うん、そのつもり」

まほ「私もそれまではこちらにいよう。休みが明けたら強化演習が始まるから、しばらくは戻れなくなるがな……」

みほ「そっか……お姉ちゃん、国際強化選手だもんね……」

みほ「ああでも、もし時間があったら……またお姉ちゃんと戦車道がしたいな」

みほ「もちろんっ、お姉ちゃんが良かったらだけど……」

まほ「……ああ、今度は負けないぞ」フッ

みほ「うん////」パアァ

25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/31(日)00:00:11.14ID:pJR25Vu80


まほ「ああそれとな、みほ……」

みほ「何?お姉ちゃん」

まほ「あんまりコンビニスイーツばかり食べてると、体を壊すぞ?」

みほ「へ……なんで知って」

みほ「——まさか、優花里さ〜ん!」

優花里「す、すみません西住殿!姉上殿がどうしてもとおっしゃるので……色々喋ってしまいました」

みほ「もう!」

26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/03/31(日)00:01:17.04ID:pJR25Vu80


まほ「まぁそう怒るな。今度はみほの口から聞かせてくれないか?大洗での様子を」

みほ「あ……うんっ、あのね——////」

優花里(西住殿……嬉しそうで何よりです)

優花里(……私ではまだ、西住殿のあんな表情を引き出すことはできませんが)

優花里(いつか、私も西住殿のあの笑顔を引き出せるよう、頑張って行きたいと思います)

みほ「優花里さん?どうかした?」

優花里「あ、いいえ、なんでもありません!」

おしまい

B017R2LMGOガルパンFebriレビューはありません

元スレ:優花里「熊本に帰る!?」みほ「うん」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364647605/