鳳翔さん / wa さんのイラスト - ニコニコ静画 (イラスト)
あれだけ文量文量言ってたのに、今回の本編短いです。ごめんなさい。
今回は今までの作品と雰囲気が違うと思いますが、お付き合いいただけたらと思います。
本編はこれから一気に投下し、間を空けてからおまけを投下するという形にします。温度差が凄いので。
今回も拙い文章になると思いますが、よろしくお願いします。
【過去作】
提督・不知火「「不知火(司令)は俺(不知火)のことを嫌っている」」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426258147/
曙「クソ提督がクソ過ぎる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426599766/
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427034412
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5
鳳翔「……提督のお子さんですか?」
???「ああ。今日一日相手をしてくれないか」
鳳翔「私が、ですか?」
???「お前なら適任だろ?」
鳳翔「分かりました」
鳳翔「初めまして。私は鳳翔といいます」
「ほーしょー?」
鳳翔「はい」
「ほーしょー!あそぼー!」
鳳翔「ふふっ、そうですね。何をして遊びましょうか………」
15
「…………………」
「…………鳳翔さん」
鳳翔「…………はい」
「…………父の最期は、どうでしたか?」
鳳翔「………ご自身が囮となって、私達を逃がしてくださいました。立派な、司令官でした。」
「…………そうですか」
鳳翔「すみません、私達が不甲斐ないばかりに………」
「…………父は最高の部下達を持ったと常々自慢していました。あの父が自慢するような部下を責めることなんて出来ませんよ」
「………それに、辛いのはお互い様でしょうから…………」
鳳翔「……………ありがとう、ございます」
25
「今日からこの鎮守府に着任する―――です。よろしくお願いします」
鳳翔「存じていますよ」ニコッ
「はははっ、そうですね」
鳳翔「……もうあなたが上官なのですから、敬語じゃなくてもいいんですよ?」
「いえ、鳳翔さんには昔からお世話になっていますから」
鳳翔「……それじゃあ、私が年寄みたいじゃないですか」ムスッ
「え。いえ、そんなつもりは………」
鳳翔「分かっています。少しからかっただけですよ♪」
「……………意地悪ですね」
鳳翔「さて、なんのことでしょう?」ニコッ
「ははっ」
鳳翔「ふふっ」
「鳳翔さん」
鳳翔「はい」
「これからも、よろしくお願いします」
鳳翔「はい」ニコッ
35
「鳳翔さ――――」
鳳翔「………今は二人きりですよ」
「…………ほ、鳳翔」
鳳翔「全く……そろそろ慣れてくださいよ」
「つい昔の癖で………」
鳳翔「もう夫婦なんですからねっ!」
「はい……すみません………」
鳳翔「しっかりしてくださいよ?」
「は――――じゃないな。分かってるよ。鳳翔」
鳳翔「合格です、あなた♪」
「………照れるな」
鳳翔「何回も呼べば慣れますよ」
「そういうものか?」
鳳翔「はい」
「じゃあ………鳳翔」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「…………これ何回続ければいいんだ?」
鳳翔「私の気が済むまで、です」ニコッ
「…………その笑顔には敵わないな」
45
鳳翔「私を解体してください」
「何を言ってるんだ」
鳳翔「………このままあなただけが老いていくのを見たくないんです」
「………………出来ない」
鳳翔「何故ですか!?」
「………………艦娘は解体すると、本来の年齢に戻るんだ」
鳳翔「……………私が解体されたら、死ぬ………と?」
「ああ………………」
鳳翔「そう………ですか……………」
「だから」
鳳翔「………?」
「だから、今のうちにやれることをしよう」
「色々な場所に行って、色々な物を見て、色々な事を聞いて、色々な思い出を作ろう」
「いつまでも互いが忘れないように。いつかまた巡り会えるように」
鳳翔「………………はい」
「鳳翔」
鳳翔「………………はい」ポロポロ
「お前には泣いてる顔は合わないな。笑ってくれ」
鳳翔「………はいっ」ニコッ
55
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「次の休みはどこに行こうか?」
鳳翔「ふふっ、元帥が休みのことばかり考えていていいんですか?」
「む。それは、旅行の本を持ちながら言う言葉か?」
鳳翔「ふふっ、私達同罪ですね」
「ああ、そうだな。同罪だ」
鳳翔「それで、どこへ行きます?」
「鳳翔の行きたいところへ」
鳳翔「毎回それじゃないですか」
「俺は鳳翔がいれば、どこでも楽しめるからな」
鳳翔「それは私もですよ」
「そうか」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「俺達は似たもの同士だな」
鳳翔「似たもの同士ですね」
65
鳳翔「海軍を辞めるんですね」
「もう歳だからな」
鳳翔「あなたがそれを言ったら、私はどうなるんですか」
「鳳翔ももうお婆さんだな」
鳳翔「……そこは、『若いまま』って言うべきですよ」
「そうか?」
鳳翔「はい」
「じゃあ、鳳翔はいつまでも若いままだな」
鳳翔「じゃあってなんですか」ムスッ
「駄目か?」
鳳翔「駄目ですね」
「………嫌いになったか?」
鳳翔「いいえ」
「そうか」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「…………いつまでも、こんな老いぼれに付き合わなくてもいいんだぞ?」
鳳翔「あら。私の中では、あなたはまだ子供のままですよ」ニコッ
「……………そうか」
鳳翔「はい」
「やはり、その笑顔には敵わない」
鳳翔「そうですか?」
「ああ」
75
「鳳翔」
鳳翔「あら?まだ、朝ごはんは出来てないですよ?」
「ああ、偶には手伝おうと思ってな」
鳳翔「珍しいですね」
「そうか?」
鳳翔「はい」
「………さすがの手際だな」
鳳翔「何十年もやってきましたから」
「………鳳翔」
鳳翔「はい」
「すまなかった」
鳳翔「どうしたんですか?」
「もっと手伝えば良かったな」
鳳翔「そうですか?」
「ああ。いつも食べるだけだからな」
鳳翔「あなたはご飯を美味しく食べてくれればいいんですよ」
「そうか?」
鳳翔「はい」
「鳳翔の作るものは何でも美味しいから、楽な仕事だな」
鳳翔「あなたのために作るから、美味しくなるんです」
「食べるだけで美味しくなるなら、一緒に作ればもっと美味しくなるな」
鳳翔「………そうですね」
「ああ」
85
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「いるか?」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「手を、握ってくれないか」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「ここに、いるか?」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「今まで、ありがとう」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「笑って、いるか?」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「鳳翔」
鳳翔「はい」
「鳳、翔」
鳳翔「はい」
「鳳………翔………………」
鳳翔「はい」
鳳翔「はい」
鳳翔「はい」
鳳翔「私は、ここにいます」
鳳翔「何度でも、返事をします」
鳳翔「だから、何度でも呼んでください」
鳳翔「名前を、呼んでください………」
鳳翔「名前を呼んでください」
完
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