1:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 22:52:39.84 ID:6ybo/a6P0


kotori-takasugi

小鳥「……」

こ、こんなの遊びみたいなもんだし?

いったい私のなにがわかるっていうのかしらね? ふふん。

小鳥「婚期絶望……」

ふ、ふふ……。

ああ、悔しいよ! 悔しいですよ!

そこまで言われたら、結婚してやるっての!

そうよ、20代も残りわずか。いつまでもこんなことじゃいけないわ。

よし! 音無小鳥は生まれ変わる!

明日から本気を出す!

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3:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 22:54:54.11 ID:6ybo/a6P0


律子「独り言はこっちに聞こえないようにお願いします」

小鳥「あ、あら……なにか聞こえましたか?」

心の声を聴かれるなんて……。

律子さんったらニュータイプなのかしら?

律子「いや、だから声に出てますって」

小鳥「え? あはは、失礼しました」

律子「なにに本気を出すつもりか知りませんけど、早く明日が来るといいですね」

小鳥「ぐぬっ……!」

ええ確かに、明日から明日からと言い続けて2X年、明日は来ませんでしたとも。

言ってるだけじゃダメだってことは、よ~くわかってます。

わかってからが難しいんですけどね。

5:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 22:57:24.62 ID:6ybo/a6P0


小鳥「たとえばですよ」

律子「はい?」

小鳥「私が律子さんのメガネだったとするじゃないですか」

律子「はあ?」

小鳥「あ、近視用っていう設定で」

律子「はあ」

小鳥「もちろん片時も離れられないほど律子さんのことは大好きです」

律子「へー」

小鳥「でも律子さんは、ある日突然乱視になってしまった……」

律子「なってませんけど」

小鳥「メガネだって、そう簡単に生き方を変えることは出来ません」

律子「……」

小鳥「乱視なんて……今までそんな生き方はしてこなかったのに……」

小鳥「どうすればいいっていうんですか?」

律子「買い換えればいいんでは?」

小鳥「ひどい! 私を捨てるんですか!?」

律子「メガネですよね?」

小鳥「えっ」

律子「えっ」

なんでメガネを買い替えるなんて話に……?

あ、そうそう! 私が婚期絶望で明日から頑張るっていう話だった!

婚期絶望ってひどい言われようですね! あはは。

あはは……。

7:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 22:59:10.88 ID:6ybo/a6P0


律子「なに急にたそがれてるんですか」

小鳥「いえ……」

律子「?」

小鳥「律子さん!」

律子「はい?」

小鳥「結婚してください!」

律子「お断りします」

小鳥「……」

律子「……」

あ、あははっ。律子さんってば素で返しちゃって~。

これじゃ私がバカみたいっていうか、危ない人みたいじゃないですか~。

小鳥「も~冗談ですよ~」

律子「冗談でも断固お断りです」

小鳥「ひどっ!」

冗談なのに、冗談のつもりだったのに……ふふっ。

おかしいわね、心が痛いわ……。

8:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:00:55.94 ID:6ybo/a6P0


P「……」

小鳥「ぷ、プロデューサーさん!?」

P「……おはようございます」

律子「おはようございます」

小鳥「お、おはようございます! って、いつのまに?」

P「音無さんが律子にプロポーズしたあたりですね」

小鳥「」

律子「……」

あんなところを見られてたなんて、事務所内での私の立場が……。

あ、それは今さらか。

でも、よりによってプロデューサーさんに……。

変な誤解をされてなければいいけど。

P「モテモテで羨ましいな、律子は」

律子「なにバカなこと言ってるんですか」

そりゃあ律子さんのことは大好きですよ?

なんだったらマジで嫁に欲しいぐらい。

でもね、私だって女として生まれたからには、花嫁さんになってみたいわけで。

もしも、叶うなら……。

P「ん? なんですか?」

小鳥「え? な、なんでも!」

P「?」

律子「……」

9:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:03:03.94 ID:6ybo/a6P0


律子「それじゃ、私はあずささんを迎えにいってきますね」

小鳥「あ、もうこんな時間なんですね」

P「気をつけてな」

律子「小鳥さん、ちょっといいですか」

小鳥「はい?」

律子「明日プロデューサー殿は出張で、事務所にいない予定ですよね?」

小鳥「ええ、そうですね」

律子「だったら、今日頑張っておいたほうがいいんじゃないですか?」

小鳥「は……?」

P「?」

小鳥「ちょっ、律子さん!?」

律子「ふふっ、それじゃいってきます」

P「おう、いってらっしゃい」

小鳥「い、いってらっしゃい……」

10:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:04:34.35 ID:6ybo/a6P0


律子さんにだって話した覚えは無いんだけど……私の気持ち。

ちょっとだけお酒を嗜みすぎたときに、うっかり口を滑らせたとか……?

だとしたら文字通り記憶に、というか記憶が無いわね。

思い当たる節はたくさんあるけど。

って、それはひとまずおいといて、プロデューサーさんに今の……。

P「?」

うん、聞こえてなかったみたい。

ほっとしたような、ちょっとだけ残念のような……。

P「律子、なんですって?」

小鳥「べ、別に大したことじゃ」

P「そうですか?」

小鳥「あ、お茶淹れてきますね!」

P「? はい、お願いします」

11:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:06:54.41 ID:6ybo/a6P0


落ち着け! 平常心よ小鳥!

私は事務員、みんなのスケジュールはもちろん把握してる。

今日、朝早く来そうな子は……いない。

社長は……出張。

あれ? しばらくはプロデューサーさんと二人っきり?

マジで!?

パラパラ…

……ん?

待て! この筒は茶葉じゃない、きざみ海苔だ!

小鳥「ぎりぎりセーフね……」

ま、まあこのぐらいなら……。

ふぅ……危うく急須が磯臭くなるところだったわ。

事務所で二人っきりなんて、そんなに珍しいことじゃないし。

いつもなら、ちょっとうれし恥ずかしかったりするんだけど。

小鳥「……///」

ダメだ、顔が火照ってる……。

もー! 律子さんがガラにも無くあんなこと言うからですよ!

でも……。

うん、少しだけ頑張ってみようかな……?

12:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:09:14.07 ID:6ybo/a6P0


小鳥「ど、どうぞ」

P「ありがとうございます」

湯呑みを持ってると、手の震えがよくわかる。
見られてなければいいけど。

P「いただきます……ん?」ズズ…

小鳥「?」

P「あれ、こぶ茶? 違うな……」ズズ…

小鳥「ぅ……」

P「磯の風味が利いてて変わった味ですね」

小鳥「そ、そうですか? あれ~?」

P「でも、これはこれで結構美味しいですね」

小鳥「え?」

P「雪歩に教えてやったら喜ぶんじゃないですか?」

小鳥「そ、そうですね~。あはは」

むしろ怒られるんじゃないかと思います……。

あ、ブチギレた雪歩ちゃんって、ちょっと見てみたいかも。

13:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:10:52.10 ID:6ybo/a6P0


今度の日曜日は、プロデューサーさんも私もお休み。

もとより土日祝関係無しの職場で、彼は休日返上当たり前の多忙な人……。

ついでに事務所は慢性の人手不足。

一緒にお休みできる機会なんて、一年にそう何度も巡ってこない。

街で偶然出会って、そこから素敵なロマンスが生まれたりとか……。

花束を持った彼が突然訪ねてきて、そこから甘酸っぱい恋物語が始まったりとか……。

それはもう詳細な設定と具体的な人物像を元に、何度もシミュレートしたわ。

でも、そんなときですら私は受身。

自分からはなにも出来ない。

それでも待ってたら、素敵ななにかがある?

ありません。ソースは私の2X年の人生。

……って、私の人生、悪い見本かよ!

いや、大台に乗る前に気づいたのは、不幸中の幸いだったと思おう。

きっと、まだ手遅れじゃないから!

14:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:12:47.26 ID:6ybo/a6P0


小鳥「あ、あの……」

P「はい?」

小鳥「プロデューサーさんは今度の日曜日、なにかご予定はあるんですか?」

P「日曜ですか? ん~……」

どうしたのかしら? ちょっと微妙な反応だけど。

なにか言いにくいこと?

って、まさか……。

小鳥「もしかして女性と会ったりとか……?」

P「まあ、そうだといえばそうなんですけど」

小鳥「えぇ!?」

私のターン、早くも終了!?

プライベートで女性と会うっていったら、やっぱり……。

小鳥「か、彼女さん……とか?」

P「残念ながら違います」

小鳥「え?」

P「逆に、彼女が出来ないことを心配されて、学生時代からの友人に合コンに誘われてるんですよ」

小鳥「合コン、ですか?」

P「ええ。大きなお世話ですよ、まったく」

小鳥「で、ですよね~」

わかります。

両親から事あるごとにお見合いお見合いと言われて、いいかげん辟易してますから……。

15:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:14:33.29 ID:6ybo/a6P0


いや、私のことはいいんです。

そんなことより、とても重要な情報が!

今現在、プロデューサーさんはフリー! 仲間!

小鳥「……よしっ!」ボソッ

P「え?」

小鳥「な、なんでもないです。それより……」

P「?」

小鳥「もし……もしもですよ? プロデューサーさんのこと好きな女性がいたとしたら……」

P「いるんですかね?」

小鳥「だから、もしもですって!」

P「そうですね……」

小鳥「……」

P「良い縁があったら考えますが……難しいでしょうね」

小鳥「難しい?」

P「こんな仕事だと、寂しい思いをさせることも多いでしょうからね」

小鳥「ああ……」

この人ほどの仕事人間になると、確かにその点は大いに不安だけど……。

たとえばですよ?

同じ職場なら、一緒にいる時間の埋め合わせは出来ますよね? ね?

16:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:15:56.67 ID:6ybo/a6P0


P「なにか口実があれば、合コンは断れるんですけどね」

小鳥「口実って言い方はどうかと……」

P「ははは。音無さんは、なにかご予定は?」

小鳥「わ、私のほうはなにも」

P「そういえば、音無さんと休みが一緒なんて珍しいですね」

小鳥「そ、そういえばそうですね」

P「……」

小鳥「……」

この沈黙にどんな意味があるかなんて、私にはわからない。

わかるのは、自分がどうしたいのか。

そうしなければ後悔するってこと。

よし、覚悟は今できた。

17:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:17:21.38 ID:6ybo/a6P0


小鳥「あの」

P「はい」

小鳥「よかったら、日曜日……一緒にお出かけしませんか?」

言えたよね?

実は心の声でしたなんてことはないよね?

うん、言えたみたい。

プロデューサーさん、不思議そうな顔してるし……。

小鳥「だ、ダメですか……?」

P「ダメなんてとんでもない。まさか音無さんから誘ってもらえるとは思わなかったんで」

小鳥「え?」

P「デートってことでいいんですよね?」

小鳥「そうですね。デート……デート!?」

18:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:18:50.88 ID:6ybo/a6P0


[デート]

デート(英: date)は、恋愛関係にある、もしくは恋愛関係に進みつつある二人が、
連れだって外出し、一定の時間行動を共にすること。逢引(あいびき)およびランデヴーとも言う。

具体的には、一般に食事、ショッピング、観光、映画や展覧会・演劇・演奏会の鑑賞、
遊園地・アトラクション、夜景などを楽しむ、といった内容であることが多いが、
これらの行為そのものよりも、それを通して互いの感情を深めたり、愛情を確認することを主目的とする。

お互いのことをより深く知ることで、交際を深めることができる。
事前に立てられた計画をデートプラン、事前に計画したデートの道筋はデートコース、
デートをする際に適しているとされる場所はデートスポットと呼ばれている。

2人で過ごす時間をただ楽しむためだけではなく、交際を順調に進めるための目的を一方が計画している場合もある。
まだ、お互いが恋人同士と認識していなくてもデートをするということもある。
デートの最中において、恋人同士と認識した交際をしたい旨を正式に申し込む、
初めてのキスをする、プロポーズをすることなどがある。

(引用元:wikipedia)

デートというと、やっぱりこれのことよね?

あまりにも聞きなれない言葉だから、思わず検索しちゃったじゃないですか。

最後のほうとか……いやいや! これはいきなり飛躍しすぎですよ。

私はすでに周回遅れなんで、飛躍してもらっても全然構いませんけど……。

プロデューサーさんの気持ちは……まだ全然わからない。

19:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:20:35.61 ID:6ybo/a6P0


P「では日曜日は二人でデートということで」

小鳥「は、はい! ……あ、でも」

P「なんですか?」

小鳥「合コンのほう、ほんとにお断りしちゃって大丈夫なんですか?」

P「音無さんほど綺麗な人とのデートなら、みんな納得しますよ」

小鳥「ま……またまた! お上手なんですから、もー///」

P「ははは、日曜日が今から楽しみです」

小鳥「わ、私もです……///」

今日、頑張ってよかった。

明日からなんて言ってたら、きっとこうはならなかったもの。

律子さんが背中を押してくれなかったら……。

言葉だけじゃ足らないけど、ありがとう律子さん!

20:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:22:51.03 ID:6ybo/a6P0


同日・夕方 事務所

小鳥「いたたた……なにも、うっちゃらなくてもいいじゃないですか」

律子「いきなり抱きついてくるほうが悪い」

小鳥「それは、私なりの感謝の気持ちをですね……」

律子「気持ちだけいただいておきます」

小鳥「も~、素直じゃないんだから~」

そこが律子さんの可愛いところですけどね!

ああん、もう! やっぱり抱きしめたい!

律子「次は叩き込みますよ?」

小鳥「ちょっ!? 冗談ですよ、冗談!」

律子「まったく……」

[叩き込み]

叩き込み(はたきこみ)とは、相撲の決まり手のひとつである。
突きや押しの攻防の中で、体を開き、相手の肩や背中をはたいて倒す技。
引き落としは体を開かない点でこの技とは異なる。

立合いの際の変化 で叩き込みを決めるケースが多くあり、注文相撲と称されるが、
上位力士に奇襲を仕掛けるような場合でもない限り、あまり誉められた技とは言えない。

(引用元:wikipedia)

21:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:24:33.05 ID:6ybo/a6P0


私の運動能力をなめないでください。

そんな技食らったら、顔面ダイブで大惨事ですよ。

私には春香ちゃんみたいな若さも特殊技能もないんですからね!

律子「その様子だと、少しは進展があったみたいですね」

小鳥「少し? ふふっ、私を見くびってもらっては困りますね」

律子「ほう?」

小鳥「ふっふっふ……聞きたいですか?」

律子「いや、別に」

小鳥「……」

律子「……」

小鳥「……聞きたくないなら、別にいいですよーだ」

律子「拗ねなくてもいいでしょ……」

小鳥「拗ねてませんよーだ!」

律子「あーもー、この人めんどくさい……」

22:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:26:45.58 ID:6ybo/a6P0


律子さんってば、ほんとはどうしても聞きたい! って顔してるんだから。

仕方ないから、事細かに地の文付きで説明してあげましたよ。

ちょっと恥ずかしいですけど。うふふ///

小鳥「どうですか!」フフン

律子「うっわ、うざ……」

小鳥「もう律子さんったら、うざいだなんて///」

小鳥「……って、なんだと!?」

律子「いや、そのテンションがね」

小鳥「ぐぬっ……!」

そりゃ浮かれもするさ、2X歳だってな。

いや、むしろ2X歳だからな!

律子「まあ、お二人にしてはなかなかの結果だと思います」

小鳥「私は、やるときはやる女ですから!」フフン

律子「ああ、ドヤ顔はやめてください」

小鳥「ど、ドヤってなんかないですよ!」

23:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:29:00.69 ID:6ybo/a6P0


律子「少しは安心しました」

小鳥「もっと素直に、祝福の言葉があってもいいと思うんですけど?」

律子「ぬか喜びになったら困るでしょ」

小鳥「縁起でもないこと言わないでくださいよ~」

律子「小鳥さんのことですからねぇ?」

小鳥「ぐぬっ……!」

なんだとこのツンデレ眼鏡っ娘!

きざみ海苔たっぷりの熱い磯茶を振舞ったろか!

律子「まあ、でも……」

小鳥「?」

律子「小鳥さんが幸せになってくれたら、私も嬉しいですよ」ボソッ

小鳥「え……」

律子「……///」

小鳥「ふふっ、もう……」

律子「……///」

小鳥「ありがとう、律子さん♪」

律子「は? なにか聞こえましたか?」

小鳥「いーえ、なにも!」

律子「ならいいです」

小鳥「うふふ♪」

もう、ほんとにツンデレさんなんだから。

大好きですよ、律子さん!

24:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:31:00.80 ID:6ybo/a6P0


翌日 事務所

プロデューサーさんは今日から出張で、帰ってくるのは明日の夜。

その分負担が増えて大忙しの律子さんも、一日出ずっぱり。

私も出来る限りフォローはしているので、朝から仕事に追われている。

うちの事務所ではよくあること。

いいかげん慣れたつもりだったけど……やっぱり一人だけ取り残されたみたいで寂しい。

prrrr…prrrr…

小鳥「はいはい、お電話お電話と……」

忙しいのはいいことよね。

気が紛れるし、時間の経つのも早いから。

小鳥「はい…………はい、よろしくお願いいたします。失礼します」

ガチャ

いつもだったら煩わしいだけの経理業務も、もうこんなに片付いてる。

少し手が空いたことだし、もう一回確認しておこうかしら。

気を抜くとどうしても……。

小鳥「うふ、うふふふ///」

いけないいけない、仕事中だってば。

集中集中!

25:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:32:46.30 ID:6ybo/a6P0


二日もプロデューサーさんに会えないのは、もちろん寂しいけど……。

昨日の約束があるから大丈夫。

日曜日は……うん、今日だけで何度確認したかわからないけど、明後日よね。

小鳥「うはっ///」

もう、なに変な声出してるのよ。

誰もいないからって、ここは事務所なんだから……

亜美「……」

真美「……」

小鳥「亜美ちゃん、真美ちゃん!? いたの!?」

真美「う、うん。気づかなかった?」

亜美「おはよー、ピヨちゃん」

小鳥「お、おはよう! おかしいわね、電話中だったからかしら」

亜美「そっかぁ」

真美「あ、真美たちあっちで休んでるね」

小鳥「え、ええ」

見られちゃったみたい……。

あんなよそよそしい二人は初めて見たわ……。

亜美「ねえ、ピヨちゃんさ……」ヒソヒソ

真美「うん、とうとう……」ヒソヒソ

待って! 「とうとう」でも「ついに」でもないから!

それは誤解よ!

26:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:34:29.92 ID:6ybo/a6P0


翌日 事務所

プロデューサーさん、出張2日目。帰ってくるのは今日の夜。

状況は昨日とほぼ変わらない。

私の悪い癖で、一人ぼっちでいるとついつい余計なことを考えてしまう。

約束の日はいよいよ明日。

待ち遠しいけど……今になって不安にもなってる。

プロデューサーさん、楽しんでくれるのかな?

つまらない思いをさせて、愛想を尽かされないかな?

本当に……私なんかでいいのかな?

考えても仕方のないことだけど、やっぱりネガティブな性分はそう簡単に変えられない。

こういうとき、自信を裏付ける経験の無さを思い知らされる。

小鳥「はぁ……今日は仕事が捗らないわ」

それでも、やることはやらなきゃね。

プロデューサーさんもみんなも、それぞれの場所で頑張ってるんだから。

ピンポーン

お客様? 来客の予定なんてあったかしら?

私しかいないんだから、厄介ごとは勘弁ですよ。

小鳥「はーい!」

28:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:36:14.62 ID:6ybo/a6P0


ガチャ

女性「失礼します……」

小鳥「あ、はい。どうぞ」

若い女の人ね。

年の頃はあずささんより少し上で、プロデューサーさんと同じぐらい?

おとなしそうな、とても可愛らしい人。

女性「こちらの事務員の方は?」

小鳥「はい、私ですが」

女性「あなたが……」

小鳥「?」

なんだろ? 一瞬だけだったけど、なにか言いたそうな?

顔見知り……じゃないわよね。

うちの取引先の人って感じでもないし。

そもそも、なんで私をご指名?

小鳥「どういったご用件でしょうか?」

小鳥「いえ、失礼ですがどちら様でしょうか?」

女性「私は、こちらでプロデューサーをしているPくんの……友人です」

小鳥「!?」

29:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:39:15.48 ID:6ybo/a6P0


この女性はプロデューサーさんの学生時代の同窓生……というだけではもちろんなくて。

さすがの私でも、この人が彼に好意を寄せているのはすぐにわかった。

当時から、たぶん今でも。

女性「ずっと彼のことが好きでした。でも、伝えられなかった……」

女性「いい友達でいられれば、いつか振り向いてもらえるんじゃないかって……」

でも、卒業してから次第に同窓生が集まる機会もなくなり、彼が多忙なこともあって最近は連絡も取れなくなった。

女性「諦めようとはしたんです。でも、諦められなくて……」

小鳥「……」

女性「バカみたいですよね。悪いのは自分なのに」

自身を責める彼女の言葉が、私にも突き刺さる。

私も、彼女と同じ弱い人間だから。

30:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:40:38.79 ID:6ybo/a6P0


女性「それで、彼と共通の友人が心配してくれて……日曜日に彼を呼び出すから、と」

それが件の『合コン』。

もちろん文字通りのものではなく、当事者二人のために用意されたものだ。

小鳥「でも、それなら普通に同窓会でいいんじゃ?」

女性「それだと、なかなか二人きりになれないだろう、って」

小鳥「ああ……」

同窓会なら、彼は迷わず参加していたと思う。

当然、私との約束は無かった……ってことになるけど。

ボタンの掛け違えだったとしかいえない。

女性「そんな騙すみたいなこと、最初は断ろうと思いました。彼だって迷惑だろうし」

女性「でも、そんな機会でもいいから彼に会えるなら……」

プロデューサーさんは知らなかったから仕方のないこと。

誰も彼を責められない。

そう思わないと私まで辛くなる。

31:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:43:04.84 ID:6ybo/a6P0


小鳥「でも、なぜ私のところに?」

女性「彼から断りの連絡が来たときに友人たちで集まってて、その場に私もいたんです」

女性「それで、友人たちが理由を問いただしたら……」

小鳥「私のことが?」

女性「はい。こちらの事務員さんとデートされるからだと」

小鳥「……」

女性「実は、彼がこちらに勤めだしてから、一度だけ会う機会があったんです」

小鳥「え?」

女性「音無さん……のことは、そのときにも彼から聞いていました」

女性「聞いていたとおりの方ですね」

小鳥「ど、どんなふうにですか?」

女性「それは内緒です。ちょっとだけ悔しいですから」

悔しい? どういう意味かしら。

そういうのは私みたいなのが、あなたみたいな可愛らしい同性に感じるものだと思うけど。

女性「あ、すごく鈍感な人だとは言ってましたよ」

小鳥「えぇっ!?」

女性「ふふっ」

な、なに言ってくれてるのあの人!?

これは、ぜひとも問い詰めたい! ……けど。

まず、この状況が自分の中で整理できていない。

32:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:45:14.92 ID:6ybo/a6P0


女性「今日はお仕事中に押しかけてしまって、ご迷惑をおかけしました」

小鳥「い、いえ」

女性「音無さんがどんな方なのか……どうしても一度お会いしてみたくて」

小鳥「こんなのでもうしわけないです……」

女性「いえ……お会いできてよかった」

小鳥「はあ」

女性「ふふっ、こんな素敵な人ならしょうがないかな」

小鳥「え?」

女性「音無さん」

小鳥「は、はい」

女性「Pくんのこと、よろしくお願いします」

小鳥「あ、あの……」

女性「それでは、失礼します」

小鳥「……」

声を掛けようとしても、言葉が見つからなかった。

私のほうが泣いてしまいそうだったから。

最後まで気丈に振舞った彼女の気持ちを考えたら、そんな失礼なことは出来ない。

時間が経って思い出話になったら……お酒でも呑みながら泣こう。

33:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:48:46.51 ID:6ybo/a6P0


同日・夜 事務所

それから結局仕事が手につかず……。

たっぷりと律子さんのお小言をいただいて、ついでに残業となりました。

今日ばかりは、早めに上がらせてもらうつもりだったのに。

明日のことを考えて……だったけど。

わからなくなっちゃった。

どうすればいいのか。

私は、どうしたいのか。

あの人……彼女はとてもプロデューサーさんとお似合いだと思う。

私なんかよりもずっと長い間、彼のことを想い続けて……。

私も彼女も、仲間から後押ししてもらった。

彼女のほうが、ほんの少し間が悪かっただけだ。

私が横から割り込まなければ、その想いは報われていたかもしれないのに。

34:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:50:53.53 ID:6ybo/a6P0


私はそれでいいの?

いいわけがない。私だって彼のことが好きなんだから。

そうなっていたら、ひどく後悔していたと思う。

今の彼女が、きっとそうであるように。

それがわかるから、どうしても彼女のことを他人事とは割り切れない。

似たもの同士だから、同じ人を好きになったのかな……。

プロデューサーさんは、たぶんそろそろ帰ってくる。

今日のこと、話すべきだろうか?

ダメだ、考えても混乱するだけ。

自分の気持ちも整理できていないのに。

こんな気持ちのまま、明日を迎えても……。

ガチャ

P「ただいま戻りました~」

小鳥「あ……」

P「あれ? 音無さん、こんな時間まで残業ですか?」

小鳥「プロデューサーさん……」

どうしよ……。

35:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:52:25.00 ID:6ybo/a6P0


小鳥「おかえりなさい。出張おつかれさまでした」

P「まさか、待っててくれたんですか?」

小鳥「え? いや、仕事が残ったままなので」

P「そういうことなら手伝いますよ」

小鳥「いえいえ! お疲れのところ悪いですよ」

P「俺がいないぶん音無さんと律子に負担を掛けたんだから、そのぐらいはさせてください」

小鳥「でも……」

P「明日のこともありますから、あまり遅くなられてもね」

小鳥「明日の……」

P「どこから手をつければいいですか?」

小鳥「あ……じゃあ、そちらの書類を」

P「任せてください」

小鳥「……」

彼女のこと、明日のこと。

わからない……。

P「音無さん、こっちの資料は?」

小鳥「それは廃棄分なので、一箇所にまとめておいてもらえれば」

P「わかりました」

仕事をしいてれば、余計なことを考えなくても済む。

このまま終わらなければいいのに……。

36:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:53:56.93 ID:6ybo/a6P0


P「ふぅ……あらかた片付きましたか?」

小鳥「そうですね。ありがとうございました」

P「どういたしまして」

小鳥「……」

P「どうしました?」

小鳥「え? いえ、なんでも……」

P「……」

小鳥「……」

P「昼間……彼女が来たそうですね」

小鳥「知ってたんですか!?」

P「合コンを持ちかけてきた友人から連絡があって、余計なことをしたと謝られました」

小鳥「?」

P「なんの話かわからなくて、問い詰めたら……」

小鳥「ああ……」

知ってたんだ……。

情けないけど、ちょっとだけ気が楽になった。

37:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:55:22.53 ID:6ybo/a6P0


小鳥「あ、あの……」

P「はい?」

小鳥「プロデューサーさんは、彼女のことどう思ってるんですか?」

P「……」

聞くのは怖いけど、知らなければなにも決められない。

なにもしない、考えないじゃダメなんだ。

P「彼女の気持ちは?」

小鳥「聞きました」

P「俺もね、あの頃はずっと彼女のことが好きでした」

小鳥「……!」

P「……」

小鳥「だ、だったら両想いじゃないですか」

P「どちらかがもう一歩踏み出すことが出来たら、そうなっていたでしょうね」

なっていた?

今からだって、まだ遅くはないはずですよ。

あなたの気持ちが変わっていないのなら。

38:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:56:50.86 ID:6ybo/a6P0


小鳥「明日……彼女に会ってあげてください」

P「……」

小鳥「このまま、すれ違ったままなんて……悲しすぎますよ」

P「明日は音無さんとの約束がありますよね?」

小鳥「わ、私のことは気にしないでください」

小鳥「こんなの慣れっこですから。あはは……」

P「……」

小鳥「……」

P「泣かないでください」

小鳥「泣いてません」

今日は泣かないって決めたんですから。

でも、これって彼女のためじゃなく自分のためか。

だったら、いいのかな……?

39:◆PQxO3wwU7c2014/03/21(金) 23:58:39.87 ID:6ybo/a6P0


P「やっぱり彼女には会えません」

小鳥「どうして……ですか?」

P「泣いてる人をほうってはおけないでしょ」

小鳥「泣いてませんってば」

P「そうですか?」

小鳥「万が一泣いてたとしても、同情なんかされたくありません!」

P「同情じゃないですよ」

小鳥「だったらなんですか?」

P「今の自分の気持ちに嘘をついても、後悔するだけですからね」

小鳥「後悔?」

P「わかりませんか?」

小鳥「わかりません!」

P「やっぱり鈍感ですね」

小鳥「プロデューサーさんにだけは言われたくないです!」

P「ははは、たしかに」

小鳥「なにがおかしいんですか!」

40:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:00:36.47 ID:NYr8sNuh0


小鳥「もう! そんなに泣け泣け言うなら泣きますよ」

P「俺が泣かしたみたいじゃないですか」

小鳥「そうです、プロデューサーさんのせいです」

P「そういわれても」

小鳥「プロデューサーさんのせいです!」

P「はい、ごめんなさい」

小鳥「わかったのなら、ちょっと隣に来て肩を貸してください」

P「かしこまりました」

小鳥「……」

P「さあ、ちょっとといわず遠慮なくどうぞ」

小鳥「どうも」

なんのために泣くんだったっけ?

…………

わかんないけど、まあいいや。

泣いてすっきりしちゃおう。

あはっ、プロデューサーさんの肩、あったかい……。

小鳥「うっ……うぁ……っ」ポロポロ

P「……」

41:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:02:15.10 ID:NYr8sNuh0


───

──



P「落ち着きましたか?」

小鳥「はい、おかげさまで……」

P「それはよかった」

小鳥「ごめんなさい……肩、汚しちゃって」

P「別に汚れてませんよ」

小鳥「汚れてますよ」

P「汚れてません」

小鳥「汚れてますってば!」

P「……」

小鳥「……ぷっ」

P「ははっ」

小鳥「もう、強情ですね」

P「音無さんこそ」

小鳥「じゃあ、そういうことにしておいてあげます」

P「それはどうも」

小鳥「ふふっ」

P「ははは」

42:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:03:38.31 ID:NYr8sNuh0


P「明日、楽しみですね」

小鳥「はい、とても」

P「待ち遠しくて、今夜ちゃんと寝付けるか心配です」

小鳥「ふふっ……私もです」

P「それじゃ、帰りましょうか」

小鳥「そうですね、もうこんな時間だし」

P「送りますよ」

小鳥「はい、お言葉に甘えます♪」

43:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:05:43.09 ID:NYr8sNuh0


同日・夜 自宅

目覚ましはセットしてあるわよね? OK!

今日のうちに準備できることは全てしておいた。

お気に入りの服を片っ端から引っ張り出して、部屋の惨状と引き換えにコーディネートも済ませておいた。

日付が変わる前だけど、デートに備えて今日は早めに就寝。

あとは明日を待つだけ……。

小鳥「……///」

って、眠れるわけねーーー!

ジタバタ

今から心臓ドキドキしてるよ、もう。

いい年して異性と交際したことも無い生娘かっつうの。

ああそうだよ、悪かったなチクショー!

だがしかし! そんな自分とも今日でさようなら。

私にも、ついに明日が来る。

小鳥「明日、か……」

明日から始まる毎日は、どこに続いてるんだろう。

居心地のいい今日から一歩踏み出した先には、ちょっとだけ不安もあるけど……。

せっかく歩き出したんだから、信じて歩き続けよう。

同じ人を好きになった彼女に、せめて恥ずかしくないように。

44:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:07:21.22 ID:NYr8sNuh0


デート当日・駅前 10:30

P「遅く……なりました……」

小鳥「30分遅刻です」

もちろん事前に言い訳の連絡はいただいてましたよ?

例によって取引先からの急な問い合わせがあって、朝から対応に追われてたとか。

別にプロデューサーさんの落ち度じゃないですし。

息を切らせて駆けつけたあなたを見たら、怒る気にはなれませんけど。

P「ほんとに……ごめんなさい……」

小鳥「いえ……それより」

P「はい?」

小鳥「デートなのに、なんでスーツなんですか?」

P「ごめんなさい……」

電話対応に追われている間に、ついいつものクセでスーツを用意していた?

で、気づかないまま慌てて着替えて出てきた?

なるほど、プロデューサーさんらしいといえばらしいですけど……。

45:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:08:59.93 ID:NYr8sNuh0


小鳥「……」

P「怒ってます?」

小鳥「いーえ」

P「ほんとに怒ってません?」

小鳥「どうでしょうね?」

P「う……」

スーツで来たのは大目に見ます。

どんなお洒落をするよりも、あなたにはこれが一番似合ってて、その……かっこいいですし。

でも、たった30分とはいえ待ってる間はすごく不安だったんですから。

もし来なかったらどうしようって……。

だから、少しだけ意地悪をしてあげます。

小鳥「今、私が一番言ってほしいことを言ってくれたら、許してあげます」

P「え?」

わかりますよね。

デートより、そっちが先でもいいくらいなんですから。

46:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:10:30.82 ID:NYr8sNuh0


P「……ごめんなさい?」

小鳥「ほんとに怒りますよ?」

P「ああっ、今のは無しで」

小鳥「もう……」

P「ん~……」ジー

な、なんですかマジマジと。

私の表情を伺おうったって、そうはいきませんよ。

P「んん~……」ジー

小鳥「そんなにジロジロ見ないでください!」

P「あ、いや……音無さんの私服姿って滅多に見られないので」

小鳥「え?」

P「とても似合っていて可愛らしいなぁ、と」

小鳥「は?」

可愛らしいってどういう意味だったっけ?

ああ、あれだ。可愛いってことだ。

え?

47:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:11:44.59 ID:NYr8sNuh0


小鳥「そ、そんな見え透いたこと言ってもダメです!///」

P「そんなつもりじゃないですって」

小鳥「……ほんとですか?」

P「とても可愛らしいですよ」

小鳥「……///」

く、悔しいけど、やっぱりこういう駆け引きじゃ私に勝ち目は無いかも……。

そんなふうに言われて、嬉しくないわけ無いですし///

頑張ってお洋服選んでよかった……ふふっ♪

P「許してもらえました?」

小鳥「半分ぐらいは……///」

P「半分ですか」

小鳥「半分です!」

だって、一番聞きたい言葉はまだ言ってもらってないですから。

あなたから言ってくれないと、私の気持ちが伝えられません。

48:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:13:17.30 ID:NYr8sNuh0


P「困ったな」

小鳥「え?」

P「これは……今日の最後に言おうと思ってることなんで」

小鳥「最後に?」

P「ええ、最後に」

小鳥「それって、その……?」

P「たぶん、小鳥さんが許してくれるもう半分で間違ってないですよ」

小鳥「あ……」

P「……」

小鳥「そう、ですか……///」

今、音無さんじゃなくて小鳥さんって……。

もう、ほんとずるい人ですね///

そんなずるい人は信用できませんけど、仕方ないから今回だけは信じてあげます!

今回だけ特別ですよ!

信じて待ってて……いいんですよね?

小鳥「そういうことなら……半分は保留ってことでデートしてあげます」

P「光栄です」

49:◆PQxO3wwU7c2014/03/22(土) 00:14:11.33 ID:NYr8sNuh0


P「それじゃ、手を繋いでいいですか?」

小鳥「はい、よろしくお願いします♪」


おわり

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