鈴谷「うーんと褒めてね♪」
提督「じゃあまずは……鈴谷強い!」
鈴谷「マジ? 鈴谷強い?」
提督「マジ強い! 連撃パネェ!」
鈴谷「鈴谷やるじゃ~ん」
提督「弾着体勢確保しつつ開幕攻撃にも参加できて潜水艦にも一発浴びせられる鈴谷マジパネェ!」
鈴谷「もっともっと~♪」クネクネ
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提督「鈴谷は偉い!」
鈴谷「そう? そうなの? 鈴谷偉いっ?」
提督「いざという時ドラム缶も積める鈴谷マジ偉い!」
鈴谷「あざーっす! 航巡って便利っしょ?」
提督「MVPいきたい気持ちをグッと押さえて後方支援に徹する鈴谷マジ粋な職人!」
鈴谷「えへ、えへへへ。鈴谷粋かぁ~♪」ニヨニヨ
提督「凄ェ! さすが鈴谷ァ!」
鈴谷「おォ!」
提督「鈴谷の髪の毛マジふつくしい!」
鈴谷「髪のお手入れは女の子の嗜みだからねぇ♪」
提督「潮風とか日常的に当たっててこれはすごいよな。なぁ、触っていい?」
鈴谷「……や、あ、あの。そ、そういうのは、ちょっと」
提督「え」ピタ
鈴谷「……」
提督「……」ゴクリ
鈴谷「だって、は……恥ずかしいし……///」モジモジ
提督(かわいい)
提督「鈴谷はかわいい!」
鈴谷「!」
提督「かわいい!」
鈴谷「……かわいい?」
提督「かわいい」コクリ
鈴谷「そ、そっか。かわいいかぁ」
提督「……」
鈴谷「んへへ」ニコー
提督(かわいいいいいいいいいい!!!)ダンダンダン
鈴谷「ね、ね、ね。どんなとこ? どんなとこかわいい?」
提督「徹夜明けであくび必死に我慢してる顔かわいい!」
鈴谷「マジ? ピンポイントなとこきちゃったカンジ?」
提督「夜更かししてなにしてんのかなーと思ったら意外とお裁縫とかしてるとこがかわいい!」
鈴谷「へあっ!?」
提督「っていうか趣味が割と女の子女の子してるのが普通にヤバイわ」
鈴谷「きゅ、急にマジ顔すんのやめてってばぁ!///」
提督(かわいい)
鈴谷「ほ、他には? 他にはどんなとこかわいい?」
提督「カレー頬張ってる顔がヤバイ幸せそうで俺もマジ幸せ!」
鈴谷「あー幸せお裾分けしちゃったかー」
提督「夜になるとテンション上がっちゃうのかわいい!」
鈴谷「鈴谷夜型人間なんです♪」
提督「そのくせ『ナニする?』言う時耳たぶ真っ赤にして余裕ぶってる鈴谷ほんとすき」
鈴谷「うっひゃあああああああ!?!?!?///」ジタバタ
提督「あー……イイ。鈴谷はほんとにイイ」ホッコリ
鈴谷「イイ?」
提督「うん。イイ。かわいい」
鈴谷「えへー」
提督「嫁に欲しい」
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「も、もうちょっとほら、そういうのはまだ鈴谷たちには早い、か、かかかかっ、かな? かな?」グルグル
提督「ごめん俺が悪かった。だから落ち着いて鈴谷」
鈴谷「ちっ違うんだよ!? 提督は別に悪くないしー!」
提督「そう?」
鈴谷「た、ただその、あたしがまだ、提督の、その、あ、アレとして相応しくないというか……なんというかっ!///」
提督「そうかなぁ?」
鈴谷「……だって鈴谷、まだカレーと肉じゃがとけんちん汁とポテサラと焼き魚と固ゆで卵とおひたしとハンバーグときんぴらごぼうと魚の煮付けとローストビーフと漬物とトンカツとちらし寿司ぐらいしか作れないし」
提督「あっもういいよ嫁に来てくれて」
鈴谷「だからムリ! マジムリぃ! せめて錦糸卵と黒豆ぐらいマスターしてからじゃないと恥ずかしくてお嫁いけないー!///」イヤイヤ
提督(大和撫子かわいい)
鈴谷「だいたいさぁ」
提督「うん」
鈴谷「提督はさぁ。ほんとに、鈴谷で、いいの……?」
提督「『鈴谷がいい』理由をさんざ並べ立ててきたつもりなんだけどな」
鈴谷「でっ、でもでも、あたしってばお刺繍下手だしお茶菓子は作れないし着物の着付けもちょー遅いしだし」ゴニョゴニョ
提督「うるせぇドラフト1位で取るぞ」
鈴谷「いや意味わかんないんですけど」
提督「鈴谷」
鈴谷「うん?」
提督「好きだ」
鈴谷「ふっ……不意打ちとかちょー卑怯なんですけどっ///」
提督「いっつもいつも恥ずかしがって、ちゅーもさせてくれないような鈴谷だけど……だからこそ、好きでたまらないんだよなぁ」ニコ
鈴谷「うあうあうー」
提督「実際『ナニする』とか以前の次元で、鈴谷が好きなんだよ。鈴谷を褒めて、それで喜んでる鈴谷を見てるだけで、俺は満足だ」ニコニコ
鈴谷「……それはそれで、なんか納得いかないし」ブスー
提督「えぇぇ、理不尽だなぁ」
鈴谷「鈴谷最上型の中では、お、おっ*いおっきいしっ。甲板ニーソだって、色気? 出てない? 出てなくなくないっ?」
提督「出てる出てる」
鈴谷「でしょー?」フンス
提督「じゃあ……ナニする?」
鈴谷「ぎゃふんっ!?」
提督「『ぎゃふん』って久々に聞いたなオイ」
提督(でもかわいい)
提督「なあ鈴谷。他にはなんにも……ナニ一つ求めないから、これだけ聞かせておくれ」
鈴谷「な、なにさ?」
提督「俺のこと、どう思ってる?」
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「………………………………す、き、です///」ボソ
提督「かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」ダンダンダン
鈴谷「えええええ!? き、キモっ! いきなりなに!?」ビク
提督「偉い! 鈴谷偉い! よく勇気を振り絞った! 感動した!」
鈴谷「え、あ、うん」
提督「鈴谷かわいい! 大好き! ナンバーワン! やっぱり鈴谷がナンバーワン!」
鈴谷「……んにゅふふ」ニヨニヨ
提督「よーしよしよしよしよしよしよしよし」ナデナデナデナデナデナデ
鈴谷「あ、ふぁぁ……じゃなくてぇ!! こっこんなとこ誰かに見られたらマジヤバ……!」
ガチャ
熊野「提督? お約束した通り、次回の出撃計画書を……」
鈴谷「あ゛」
提督「鈴谷かわいい鈴谷最高ぅゎすずゃっょぃ鈴谷のニーソマジ弾着観測射撃!!」
ナデナデナデナデナデナデ
熊野「お取り込み中失礼しましたわ」クルッ
鈴谷「ああああああ待ってええええ違うんだよ熊野おおおおおお」
提督「えっ違うのか……?」(´・ω・`)
鈴谷「ああ違わない! 違わないんだけどさぁ!」
提督「そっかそっか」ナデナデ
鈴谷「んぅひゃうぅ……だからぁ!!///」
熊野「大丈夫。大丈夫ですわ、鈴谷。全部わかっていますから」
鈴谷「さ、さっすが熊野! あたしは信じてたよ!」
熊野「お赤飯を炊いておきますわね♪」グッ
鈴谷「やっぱりわかってないぃぃぃぃ!!!」
熊野「レディーはみだりに人様の秘密を口外しないものですわ。御心配なさらないで?」ニッコリ
バタン
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「絶対明日には鎮守府中に広まってるぅぅ……」ガックシ
提督「こういう時だけ関西のおしゃべり大好きおばちゃんになるからなぁ、熊野は」ニコニコ
鈴谷(あれ……? もしかしてこれ謀られた系?)
提督「いやー参った参った」
鈴谷
「……てーとく」
提督「はいはいなんでしょう」
チュッ
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「……今は、ほっぺで、かんべんね?」
提督「え?」
鈴谷「ね、褒めて」
提督「え、え、え?」
鈴谷「鈴谷開き直ることにしたんですっ。だから、褒めて」
提督「いや、それとこれとじゃ話が繋がってない……」
鈴谷「言ったでしょ。鈴谷褒められて伸びるタイプだって。だから、ん」
提督「なるほど」
提督(わからん)
鈴谷「んー」
提督(わからん。言ってる意味はまったく、これっぽっちもわからんのだけれど……)
鈴谷「……んっ!」
提督(目ぇ閉じて、唇突き出して、顔真っ赤にしてる鈴谷が、最高にかわいいから)
鈴谷「///」プルプル
提督「まーいっか! 鈴谷かわいい! 鈴谷偉い! 鈴谷マジ勇気凛々!」ナデナデ
鈴谷「ちゅーしないの!?」ガーン
提督「してほしかった?」ナデナデ
鈴谷「……」
提督「……」ナデナデ
鈴谷「……」
鈴谷「やっぱしこのままでいい……///」ニヘラ
提督(かわいい)ナデ
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
鈴谷「……」ゴクリ
パカッ
鈴谷「……あーっ! マジありえないんですけど! テンション下がるわぁ~!」
提督「ん、どうかした?」
鈴谷「聞いてよ提督~……」
提督「うんうん(ネイルのノリでも悪かったのかな?)」
鈴谷「黒豆にシワ寄ってた~! 丸一日かけたのに~……鈴谷もうダメぇ……」ガックリ
提督「お、おう……」
鈴谷「こんなんじゃ恥ずかしくて人前出せない~……」イジイジ
提督「別にいいじゃん見た目とか。味は美味しいし。これでよくない?」ポリポリ
鈴谷「よくなくなくない!」
提督「よくなくなくないかー」
鈴谷「正月のおせちに黒豆は欠かせないんだよ!? これができなきゃとてもじゃないけど……」
提督「ないけど?」
鈴谷「……提督のお嫁さんとか、マジムリだし」ボソボソ
提督「……」ナデナデ
鈴谷「んへへ……じゃなくてっ」
鈴谷「はー、ちょーありえない。マジふて寝する。絶対ふて寝するわ」ムスー
鈴谷「というわけで、おやすみなさい」ペコリ
提督「はいおやすみ」ペコリ
鈴谷「……」スタスタ
提督「……」
鈴谷「……」クルッスタスタ
提督「?」
鈴谷「キッチンの片付け、してからふて寝する……」テキパキ
提督「俺も手伝うよ」クスクス
鈴谷「おっはよう提督!」ツヤツヤ
提督「ふて寝した割には機嫌がいいようで。うん、なによりなにより」ニコ
鈴谷「あ、あはは……さ、お仕事お仕事~♪」
提督「……」ジー
鈴谷「? どしたの?」
提督「冷静に考えてみると」
鈴谷「うん」
提督「鈴谷マジいい女すぎて俺が釣り合ってねええええええええええええええ!!!!!!!!」
鈴谷「!?」ビクッ
提督「というわけで、褒めて、鈴谷」ケロッ
鈴谷「提督だいじょぶ? 躁鬱病だったりしない?」
提督「鬱じゃあないからへーきへーき」
鈴谷「あっそう」
提督「……」
鈴谷「……」
提督「あっ躁?」
鈴谷「ちちち違いますー! そういうつもりで言ったんじゃないしー!///」
提督「躁か躁いうんじゃないかー」ニヤニヤ
鈴谷「ガチでイラっとくるんですけどー!」プンスカ
提督「どうどう。とにかく褒めてください。俺褒められて伸びるタイプだから」
鈴谷「んー……」ウデグミ
提督「鈴谷さん、褒めて褒めてー」パタパタ
鈴谷「うわ、キモっ」
提督「今褒めた?」
鈴谷「ある意味ね」
提督「やったぜ」
鈴谷「やってないやってない」ヒラヒラ
提督「で。真面目な話、なんかない? 褒めるところ」
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「……」ニコッ
提督「ないの!?」ガーン
鈴谷「えっと……悪い人じゃあない、って鈴谷思うよ?」ニコニコッ
提督「あれっ!?」ガーン
鈴谷「パッと『これといって』みたいなカンジのが浮かばなかったんだよねー」
提督「えぇぇ……要するに、取り立てていいところがないってことじゃん……」
鈴谷「ままま、いいじゃん別に、そんなことどうでもさ!」ニカッ
提督「よくないよくない。なんもいいとこない男に鈴谷もわざわざ惚れないでしょ……」ズーン
鈴谷「……もん」
提督「え?」
鈴谷「しょうがないじゃん。なんか、気が付いたら、いつの間にか……好きに、なってたんだもん///」プイ
提督「……」
提督「オラァ!!」ドン
鈴谷「なんで急に壁殴ったの!?」
提督「宗教上の理由でちょっと」ゼェハァ
鈴谷「マジ? そんな宗教あんの?」
提督「ふぅぅぅぅ……(ヤバイヤバイつい抱きしめたくなった)」
鈴谷「……ま、強いていうなら提督、稼ぎはいいよねっ。なんせ提督だし♪」
提督「おいおい、結局は金かよー」クス
鈴谷「いやいや。男の人の甲斐性って、究極的には稼ぎの良さっしょ? お金を稼ぐだけの才覚があるってことじゃん」
提督「う、うーん。まあそれはそうなんだろうけど、もっとこう、人間的な魅力とかあるでしょ」
鈴谷「え~、提督の人間的な魅力ー? そんなこと言われても……」
提督(……ないのか)ガックリ
鈴谷「全然怒らなくて優しいとことか自分がサボるふりしてみんなを休ませてくれるとことか気の抜けた笑いでなんかホッとさせてくれるとことか人褒めるのすっごい上手なとことか手ぇ意外とおっきくて撫でられるとマジヤバで気持ちいいとこぐらいしか思いつかないし」
提督「鈴谷愛してる」ナデナデ
鈴谷「そうそうこれこれぇ///」トローン
ナデナデ
提督「あ」バッ
鈴谷「ふぇ? なんでやめちゃうのぉ……?」トロン
提督「今さらだけどさ、撫でるのは『髪触る』うちに入んないのかな、って」
鈴谷「あー……じゃーさ、鈴谷がやめてって言ったら、やめちゃうカンジ?」
提督「やめちゃう感じ」
鈴谷「即答!?」
提督「っていうか『やめて』ってずっと前に言われたのに、ついやっちゃってたな。本当にごめんなさい」フカブカ
鈴谷「」フカブカ
提督「……なんで鈴谷も頭下げてんの」
鈴谷「『やめてほしい』って言っときながら、あんまり気持ちよくて、ついつい撫でられるがままにされてました。本当にごめんなさい」
提督「……」
鈴谷「……」
提督「ぷっ」
鈴谷「あははははっ」
提督「……」ナデナデ
鈴谷「……」ギュー
提督「……腕に抱きつく、までは鈴谷的にセーフになったのかな?」
鈴谷「お、おっ*いとか揉んだら、怒るからねっ///」
提督(揉まなくても当たってんだけどな……)
鈴谷「そーゆーのは、ちゃんと籍入れるまではダメなんだからね! JK!」
提督「はいはい、JKJK」ナデナデ
鈴谷「……んふ♪」
提督「な、鈴谷」
鈴谷「んー?」
提督「俺、偉くなるよ」
鈴谷「んん?」
提督「今よりもっと仕事がんばって、昇進して、稼いで」
提督「でも人間として男として、上を目指すことも忘れずに」
提督「いつか絶対、俺のために目一杯がんばってくれてる鈴谷に、釣り合う男になってみせるよ」ニコ
鈴谷「……っへへ。こりゃ、鈴谷も負けてらんないねぇ」ニコ
提督「鈴谷ー」
鈴谷「提督ー」
提督「褒めてー」
鈴谷「鈴谷も褒めてー」
提督「鈴谷かわいい! マジかわ!」
鈴谷「提督カッコイイ! マジカッコ!」
提督「『カッコイイ』とか今初めて鈴谷の口から聞いたぞこんにゃろ!」ワシワシ
鈴谷「えーそうだっけー? 鈴谷わかりませーん!」アハハ
キャッキャウフフ
オチと壁は……こなみじんになって(ry
ご一読ありがとうございました
【そして一年後】
熊野「一年経っちゃった!? 経っちゃいましたの!?」ガーン
最上「えっ急にどうしたの」
熊野「いえ、言っておかなければいけないような気がして……」
三隈「まあ、変なくまのん」クスクス
熊野「お姉様、くまのんはやめてくださいまし」ゲンナリ
提督「長かった」
提督「苦節一年、ここまで本当に長かった」
提督「寝る間も惜しみ、あらゆる困難を厭わず、戦って戦って戦い抜いた」
提督「その甲斐あってついに、ついに俺も――」
ババーン
提督「今日から元帥だッ!!!」
鈴谷「いやいやいや、どんだけ階級制度ガバガバなの」ヒラヒラ
提督「まー元帥とかぶっちゃけ何人もいるし、なったからってなにが変わるでもないんだけどさー」
鈴谷「いやそれもおかしくない? なにか変わらないとおかしくない?」
提督「新開発の装備が優先的に配備されるぐらいかな」
鈴谷「うーん、ひどい」
提督「……ともあれ。昇れるところまでは、昇ってやったさ」
鈴谷「……ん。そーだね、がんばった。提督はよくがんばった! というわけで」
ババーン
鈴谷「元帥閣下の昇進祝いに満漢全席を拵えてみましたー! うーんと食べてね♪」
提督「いやいやいやいやいやいや」ヒラヒラ
※満漢全席は鎮守府のみんなと美味しくいただきました
提督「ふー、食った食った」パンパン
鈴谷「ね、どうだったどうだった? おいしかった?」ウキウキ
提督「ん、そうだなぁ……」
鈴谷「」ドキドキ
提督「ほっぺがまだ残ってるのが不思議なぐらいヤバウマだったぞこんちくしょおおおおおお!!!!!」ワシワシ
鈴谷「きゃー♪」キャッキャ
提督「もうこの道で食ってけるレベルでしょこれ」ケプッ
鈴谷「えーっ、そ、そんなこと全然ないしー? こんぐらい日本の主婦ならできて当たり前だしー///」モジモジ
提督「うん、鈴谷は一度大陸の料理人の方々にごめんなさいしようか」
鈴谷「……だって提督、中華好きだって言うし」ボソ
提督「え」
鈴谷「……」
提督「ま、まさか、それだけの理由で?」
鈴谷「好きな人の、好きなものを覚えようとするのは――当然のことっしょ?」ニコッ
提督「……」
鈴谷「な、なーんて……」テレテレ
提督「オラオラオラァ!!」ガンガンガン
鈴谷「なんで壁にラッシュかましたの!?」
提督「先祖代々の言いつけでちょっと」ゼェハァ
鈴谷「ジョースター家かな?」
提督「ふぅ」
鈴谷「……ね、提督」
提督「うん?」
鈴谷「今から鈴谷、提督褒めますっ」
提督「んん?」
鈴谷「提督がこの一年どんだけがんばったのか、あたし以上に知ってる人はいないからね」
提督「……ん。そうだな」
鈴谷「だから鈴谷が褒めたげる」ニカッ
提督「そっか。じゃあ、よろしく頼むよ」ニコ
鈴谷「提督偉い!」
提督「マジ? 俺偉い?」
鈴谷「ちょー偉い! ありえないぐらい偉いんですけど! 戦果ヤバっ! マジヤバ! どんだけ稼いでんの!?」
提督「ふっふっふ」
鈴谷「そんだけやっといて、テング? にならなかったのがまた偉い!」
提督「えーマジー? 今ちょっと俺テング入ってんだけどー」ニヤニヤ
鈴谷「でもね。一番偉いのは」
提督「?」
鈴谷「誰も、欠けさせなかったこと」
提督「……そんなの、当たり前のことだよ。できて当たり前のことだ。褒められるほどのことじゃない」
鈴谷「あはは、かもね。つまり、世の中の提督はみんな偉いっ! マジエラ!」
提督「俺個人への褒め言葉じゃなくなってるぞー」クスクス
鈴谷「逆に、偉くないのは……」
提督「えっ」
鈴谷「人に厳しくできなかったこと。だから、その分全部、自分に回しちゃったこと」
提督「……」
鈴谷「雷じゃないけどさ。もっとみんなに頼っていいんだよ?」
提督「……うん」
鈴谷「そのへんが今後の課題ってことで。キモにめーじておくよーに」ニコ
提督「はは……鈴谷もずいぶん、人を褒めるのが上手くなったなぁ」ニコ
鈴谷「いいカンジのお手本があったからねー♪」
提督「じゃ、次は俺の番ね」ナデ
鈴谷「あ……///」ポッ
提督「鈴谷の料理は本当に美味しい」
鈴谷「えっへへ……そーぉ?」
提督「レパートリー増やしすぎだろ。なに頼んでも出てくるもん。で、なに作らせても美味しいもん」
鈴谷「んひひ」
提督「鈴谷の料理なしじゃ、俺もう生きてけない」ナデナデ
鈴谷「胃袋つかんじゃったかー♪」ニヨニヨ
提督「裁縫もできて、掃除も洗濯も完璧で」
鈴谷「ん」
提督「秘書としても艦娘としても、すっごくがんばってて、どんどん成長してて」
鈴谷「んんっ」
提督「正直もう、非の打ちどころがないなぁ」
鈴谷「鈴谷がんばった?」
提督「うん、がんばったがんばった」ナデナデ
鈴谷「♪」
提督「俺、鈴谷に相応しい男になれたかな?」
鈴谷「それ、あたしからも聞きたいな。鈴谷は提督に釣り合ってる?」
提督「……」ジー
鈴谷「……」ジー
提督「そっか」ニカッ
鈴谷「そだね」ニカッ
提督「じゃあもう、なんの遠慮もいらないな――鈴谷」
鈴谷「……ん」
「愛してる。俺と結婚してください」
シーーーーーン
鈴谷「……ね。目、つぶって?」
提督「つぶんなきゃダメ?」
鈴谷「……恥ずいからダメ///」
提督「はいはい」クスクス
鈴谷「……今度は、ほっぺじゃないんだからね」ヒソ
提督「ん」
チュッ
提督「……」
鈴谷「……」
提督「ふふっ///」ニカッ
鈴谷「んへへ///」ニコ
提督「これでようやく、そっちのリングもお役御免かな」
鈴谷「婚約指輪みたいなもんだったもんねー。一年以上お世話になっちゃった」スポッ
鈴谷「よし、っと。そんじゃー改めまして、旦那様?」
提督「ん……♪」ニヘラ
「ふつつかものの鈴谷ですが――どうぞよろしくお願いいたします♪」
艦!
〈ソファの上の枕〉
鈴谷「……」ウツラウツラ
提督「鈴谷」
鈴谷「ふぁい?」ウトウト
提督「眠いなら、無理せず昼寝しちゃおうか」
鈴谷「……いいの?」
提督「いいよ、別に。昨日がんばったし、最近平和だし。ほら、ソファに移動移動」
鈴谷「ふぁい……」フラフラ
提督「はいどうぞ」
鈴谷「? てーとく、そこ座られると、あたしが横になれないんだけど……ふわぁぁ」
提督「いいからいいから」ポンポン
鈴谷「……あ///」
提督「へいかもーん」
鈴谷「……男の人のって絶対固くない? 女の子のがいーんですけどー」
提督「じゃあやめるか」
鈴谷「やめなくていいです///」
提督「よろしい」ニッコリ
鈴谷「んー」ポフッ
提督「……」ナデナデ
鈴谷「あっそっか、これがあるんだぁ♪」ニヘラ
提督「子守唄の代わりに、これで我慢してくれな」ナデナデ
鈴谷「いーよぉ、てーとく歌ヘタだしー……これ、ちょーサイコーなんですけどー……」
提督「……」ナデナデ
鈴谷「……」ウトウト
提督「鈴谷、愛してる」ナデ
鈴谷「……あたしも///」
艦!
〈鈴谷のお茶会〉
ワイワイガヤガヤ
鈴谷「っはー、遊んだ遊んだー!」
提督「ゲーセンとか久々だったなぁ」ニコニコ
鈴谷「ね、ね。ちょっち疲れたし、お茶してこ?」クイクイ
提督「はいはい(普通ならここで、ファミレスでも入るとこだけど……)」
店員「ディンブラとアッサムお一つずつ、甘納豆にシナモントーストですね。少々お待ち下さい」ペコ
提督「……」
鈴谷「はーい♪」
提督(鈴谷が『お茶したい』と言ったらそれは、紅茶専門のカフェを指すのである)
提督「このあたり、熊野や三隈と姉妹なだけあるよなぁ……」
鈴谷「なんか言った?」キョトン
提督(そしてこのあどけなさは最上譲り、と。ああかわいい)ホッコリ
提督「アッサムは俺でもなんとかわかったけど、ディンブラってなに? あと甘納豆て」
鈴谷「ディンブラはスリランカの紅茶だよ。シンプルで飲みやすくて、なによりミルクティーにすると色がちょーキレイ!」
提督「ほー」
鈴谷「意外にも和菓子と紅茶はよく合うんだよねー。特にストレートティーと合わせるとおススメだから、だまされたと思って食べてみなって♪」
提督「そりゃ楽しみ」
鈴谷「それからね、それからね」ウキウキ
提督「……」
(ああもうまったく俺の嫁かわいいなああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!)
鈴谷「なんか言った?」キョトン
提督「なんでも」ニッコリ
艦!
〈夜なべのご褒美〉
ホーホー
鈴谷「……」チクチク
提督「……」ジー
鈴谷「……」チクチク
提督「……」ジー
鈴谷「編み物なんて、見ててもおもしろくなくない?」チクチク
提督「おもしろくなくなくなくなーい」
鈴谷「えっと、なく、なく、なくで……あーんもうめんどくさっ!」チクチク
提督「ふふ」クスクス
提督「なに編んでるの?」
鈴谷「セーター」チクチク
提督「……今5月だけど」
鈴谷「冬になってから編みはじめたんじゃ遅いじゃん?」チクチク
提督「うん……? そう、なのかな?」
鈴谷「そうなのです」チクチク
提督「なのです?」
鈴谷「なのです!」チクチク
コポポポポ
提督「コーヒー入ったよ」
鈴谷「ミルクとお砂糖たっぷりでおねがいっしゃーす」チクチク
提督「わかってますとも」
ポチャンポチャン
鈴谷「……あ」チクチク
提督「うん?」
鈴谷「良く考えたらさ」チクチク
提督「うん」
鈴谷「鈴谷今、手ぇ塞がってるじゃん?」チクチク
提督「だね」
鈴谷「コーヒー、飲めないね」チクチク
提督「確かに」
鈴谷「……」
提督「……」
鈴谷「……飲ませて?」
提督「……」
コクッ コクッ コクッ
鈴谷「ぷっ、は」
提督「……」
鈴谷「……」
提督「ミルクはともかく、砂糖はいらなかったかな」ニコ
鈴谷「ん///」
艦!
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