1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:12:45.54 ID:CPbQDBMhO


yukikaze

艦これSSです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426590765

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2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:13:21.78 ID:CPbQDBMhO


私は何の為に生まれてきたのだろう

私は誰の為に生きてきたのだろう

あの日から私は誰一人助ける事が出来なかった

誰も護る事が出来なかった

私の代わりに沢山の仲間が消えていった

私が殺した

私が幸運艦だったから

私が殺した

私が死神だったから

私が殺した

私が殺した 私が殺した 私が殺した 私が殺した 私がコロシタ 私がコロシタ 私がコロシタ 私ガコロシタ ワタシガコロシタ ワタシガコロシタ

ミンナヲコロシタノハワタシダ



ダレカ………タスケテ…………

3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:14:01.41 ID:CPbQDBMhO


雪風「っ!!」ガバッ

雪風「ハア………ハア……ハア……」

雪風「…………夢……?」

雪風「良かった…………」

雪風「初風……」

初風「………」スウスウ

雪風「天津風……」

天津風「………」スウスウ

雪風「時津風……」

時津風「………」スウスウ

雪風「みんな…生きてる……」

雪風「よかっ……た……」

雪風「………みんな……」

雪風「………」スウスウ

…………………
………


4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:14:40.31 ID:CPbQDBMhO


雪風「しれぇ!!」

提督「どうしたんだ、雪風」

雪風「雪風、今日もMVP取っちゃいました!!」

提督「神通から聞いているぞ。よく頑張ったじゃないか」

雪風「はい!雪風、頑張りました!!」

提督「この調子で今後も頑張りなさい」

雪風「ありがとうございます!司令!!」

提督「お迎えが来たようだ。下がっていいぞ」

雪風「お迎え?」

時津風「あ、いた〜!!雪風〜先に行くよ〜!」

雪風「時津風!!」

時津風「しれぇ!雪風もう連れて行っていいの?」

提督「ああ。いいぞ」

時津風「うん!雪風、行こ!行こ!」

雪風「はい!では、司令!雪風退室しますね!!」

提督「ああ」

5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:15:17.06 ID:CPbQDBMhO


雪風「時津風〜みんなはどこにいるのでしょうか?」

時津風「天津風と初風は食堂で待ってるって!」

雪風「そういえば、もうお昼ですもんね!」

時津風「そうだよそうだよ〜おっ昼!ごっはん!!」

雪風「おっ昼!ごっはん!!」

時津風「マネしないでよ〜雪風〜」

雪風「あはは!!」

時津風「雪風はいつも楽しそうだね」

雪風「だって、みんながいますから!!」

時津風「そうだね〜みんなが集まれば楽しいもんね〜!」

雪風「………そうですね!!」

時津風「ん?どうしたの?」

雪風「何でも無いですよ!」

時津風「ふ〜ん。ま、いっか」

時津風「あ、み〜つけた!天津風〜!初風〜!お待たせ〜!!」

6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:17:17.95 ID:CPbQDBMhO


天津風「時津風、あんまり大声は出さないでよ」

時津風「でも、大声じゃないと聞こえないでしょ!!」

天津風「そうじゃなくて…」

初風「ほら、時津風も雪風も間宮さんのところで注文して来なさい」

時津風「む〜初風はつれないなぁ」

雪風「でも、確かに雪風もお腹が空きました!時津風も早くいきましょう!!」

時津風「んあ!待ってよ雪風!まだ話が…」

初風「私からはもう何も無いわ。いってらっしゃい」

時津風「初風のうらぎりもの〜!!」

雪風「ほら、早く早く!!」

時津風「む〜」

雪風「おっ昼!ごっはん!!」

時津風「あ!また!!」

雪風「時津風も一緒に!!おっ昼!ごっはん!!」

初風「………ほんと、仲がいいわね…」

天津風「羨ましいのかしら?」

初風「そんなんじゃないわよ」

天津風「ふぅん」

初風「何よ、その目は」

天津風「何でも無いわ」

7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:18:05.23 ID:CPbQDBMhO


雪風「間宮さん!こんにちは!!」

間宮「あら雪風ちゃん。こんにちは、何が食べたいの?」

雪風「え〜っと………中華丼で!!」

間宮「中華丼ね?」

雪風「はい!時々食べたくなっちゃうんです!」

間宮「うん。それは分かるわ……はい、どうぞ」

雪風「ありがとうございます、間宮さん!」

間宮「どういたしまして!時津風ちゃんはカレーでいいの?」

時津風「カレー!!」

間宮「はいはい。時津風ちゃんのお昼はいつもカレーなのね」

時津風「間宮さんのカレーはおいしーからね!」

間宮「ありがとう。はい!」

時津風「ありがと〜」

間宮「ごゆっくり〜」

雪風「時津風、初風のところに戻りましょう!」

時津風「はいよ〜」

8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:19:03.86 ID:CPbQDBMhO


雪風「お待たせしました!!」

天津風「おかえりなさい」

初風「天津風の隣と私の隣の席は確保してるから好きに座りなさい」

時津風「じゃ、時津風はこっち!!」

天津風「もっと落ち着いて座りなさいよ。吹き流しが取れちゃう」

時津風「そういえばさ、私気になっていたんだけどさ〜」

天津風「だ、だめよ!」

時津風「その吹き流しってどうなってんのさ〜触らせて!!」

天津風「ダメダメダメダメ!!取れちゃうから!!」

時津風「えぃ!」

天津風「きゃーー!!」

時津風「ほうほう!ふむふむ!そうなっているのか〜!!えいっ!!」

天津風「お願い止めて!!取れちゃう!!取れちゃうってば!!」

時津風「動かないでって……あ…」

天津風「あ……?」

時津風「ごめん、取れた」

天津風「あー!時津風の馬鹿っ!!」

時津風「ごめんごめん。ほら、福神漬けあげるから気分直して」

天津風「いらないわよ!!あーん…どうしよ………!」

初風「ほら、貸しなさいよ」

天津風「でも…」

初風「それくらい私が治してあげるから貸しなさい」

天津風「うん………」

初風「…………ほら、出来たわよ」

天津風「ありがと……」

9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:19:36.28 ID:CPbQDBMhO


初風「どうも。それより時津風」

時津風「ん?何?あ、この人参おいしー」

初風「…………もういいわ…」

時津風「も〜なんなのさ〜…んむっ……うま〜!!」

雪風「あむっ……んむっ……」

初風「あんたもあんたでマイペースだし、十六駆逐ってホント………」

雪風「なんでしょうか?」

初風「何でもないから早く食べちゃいなさい。外で待っている人もいるんだから」

雪風「雪風、全力で頑張ります!!」

初風「ほら、こぼした…」

雪風「んむっ!んむっ!っぷは!!」

雪風「ご馳走様でした!!」

初風「よくあの量をこの短時間で掻き込んだわね…」

雪風「はい!頑張りました!」

初風「………はぁ…」

時津風「雪風速〜い」

初風「あんたは遅い!もう少し急ぎなさい!」

時津風「はいはい」

10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:20:22.56 ID:CPbQDBMhO


時津風「ごちそうさま〜!!」

初風「……遅い…」

時津風「しょうがないじゃん!カレーは美味しく食べなきゃだからね!」

初風「…訓練に行くわよ。神通さんが待ってる」

時津風「え〜やだやだ〜!!今日はもうお休みがいい〜!!」

初風「そんな事したら、次の訓練の時に半殺しになるまで猛特訓されるわね」

時津風「う…それは………」

初風「いいの?」

時津風「無理………」

初風「なら行くわよ」

時津風「鬼〜!!鬼〜!!」

初風「私が鬼なら神通さんは修羅ね」

天津風「初風……声抑えて………」

神通「もうご飯は終わったの?」

時津風「は、はい!はい!!」

神通「他の3人は?」

初風「食べ終わりました!」

天津風「私もです!!」

雪風「はい!!」

11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:20:53.33 ID:CPbQDBMhO


神通「それは良かったです…では……」

神通「修羅の様な訓練をしましょうか?」

初風「ふぇっ!?」

神通「10分後に偽装を着けて港に集合です。いいですね?」

初風「は、はい!!」

神通「いい返事です…では、また後ほど……」

時津風「…………初風…?」

初風「…………ごめん…」

天津風「やっちゃったわね…」

雪風「が、頑張って行きましょう!!」

12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:21:33.89 ID:CPbQDBMhO


…………………

神通「まずは海上でのメニューです。身体慣らしに艦隊運動を私の指示通りに行って下さい。その後は砲撃、雷撃の訓練をし、十七駆逐の子と実戦形式で演習して頂きます」

神通「演習後は陸上でのトレーニングとして15分以内に鎮守府の周りを2周。それから直ぐに腹筋、背筋、腕立て、スクワットを100回3セット。その後はシャトルラン、対人訓練です」

時津風「あの…」

神通「なんですか?」

時津風「いつもよりも項目が多い気がし…」

神通「いつまでも同じ内容では成長出来ません。慣れたら負荷を増やすのが大切なのですよ?」

時津風「あ、はい」

神通「他には?……なさそうですね」

神通「では、午後の訓練を行います。私について来て下さい…」

四人「はい!!」

13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:22:09.25 ID:CPbQDBMhO


神通「次」

初風「はい!!」

初風「仰角調整…36度……」

神通「初風。考えて撃っていては実戦でやられてしまいます。訓練だからこそ直感で調整出来るようにするのですよ」

神通「自分の速度、目標の速度、風向き、風速、自転。それらを感覚で瞬時計算出来るようになるまで何度も何度も撃つのです」

初風「はい!!」

神通「では、もう一度。砲撃開始」

初風「っ!!!」ズドン

ザバーン

神通「遠。次弾装填急いで下さい」

初風「はい!!」ズドン

ザバーン

神通「遠。殆ど変わっていませんよ」

初風「はい!!」

神通「元の位置からやり直しです」

初風「はい!行きます!!」

神通「始めて下さい」

初風「てぇ〜!!」ズドン

ザバーン

神通「近。次弾装填」

初風「はい!!」ズドン

神通「遠。挟叉」

初風「当たれ!!」ズドン

神通「遠。さっきよりは近づきましたが、まだまだですね」

神通「次は天津風です。前へ」

天津風「はい!!」

14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:22:48.14 ID:CPbQDBMhO


………………………

神通「ご苦労様でした。今日の訓練は終わりです。明日の訓練に備えて休んで下さい」

四人「はい!」

神通「では、お先に失礼します…」

時津風「も…もう……無理……」

天津風「脚が……がくがく…」

雪風「雪風ももう…初風?」

天津風「どうしたの?」

雪風「初風が……」

初風「」

天津風「目を開けたまま気絶してる!?」

時津風「ホントだ〜」

天津風「ど、どうしましょう!!」

時津風「何にも反応な〜い!あはははは!!」

天津風「と、時津風!!止めなさい!!」

時津風「ちぇ…ま、とりあえずお風呂には入れさせよ?このまま布団に入れたら明日大変な事になるし…主に臭いで」

天津風「確かに………雪風、左支えてくれない?」

雪風「分かりました!!」

天津風「せ〜の!!」

時津風「頑張れ頑張れ〜」

天津風「時津風も手伝って!!」

時津風「分かったって…」

天津風「う〜重〜い…」

時津風「なんだかんだで天津風が一番失礼…」

天津風「う、うるさい!!」

雪風「あと少しですよ!頑張りましょう!!」

15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:23:23.95 ID:CPbQDBMhO


天津風「着いた……」

時津風「とりあえず服脱がしちゃうよ!!」

時津風「うっわぎ!シャーツ!スッカートしったぎ!はい脱〜げた!」

天津風「全裸で放置は可哀想じゃない…?」

時津風「私も脱ぐからちょっと待ってよ〜」

時津風「先にシャワー浴びさせとくね〜」

天津風「分かったわ。直ぐに行くから」

時津風「行くよ〜初風、雪風!!」

雪風「待って下さ〜い!」

天津風「走っちゃダメよ!!」

雪風「雪風は転びません!!」

天津風「もう…」

16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:24:02.76 ID:CPbQDBMhO


時津風「雪風〜こっち向いて!」

雪風「何です…うわっ!!冷たいです!!」

時津風「引っかかった引っかかった!」

雪風「反撃なのです!!」

時津風「うわっ!?やったな!!」

二人「ワーワー!!」

天津風「もう…子供じゃないんだから…」

初風「………んん………あれ…?」

天津風「あ、気がついた?」

初風「私………っ!?神通さん!!」

天津風「もう終わってお風呂よ。初風、目を開けたまま気絶してたのよ?」

初風「………ごめん…」

天津風「どういたしまして。それより、身体全部洗っといてあげたわよ」

初風「えっ?えっ!?ええっ!!?」

天津風「大丈夫、大切なところだけは触ってないから」

初風「………………う…ん」

天津風「私はあの二人止めて来るから手早く済ましちゃってね」

初風「………うん……」

天津風「じゃ、行ってくるわね」

初風「天津風………ごめん…ありがと…」

天津風「お互い様よ。こら、時津風!雪風!!他のみんなに迷惑でしょ!!」

初風「…………はぁ…」

17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:24:54.28 ID:CPbQDBMhO


……………………

初風「電気、消すわよ」

時津風「いいよ〜!」

天津風「よろしく」

雪風「…………はい…」

初風「雪風、どうしたの?」

雪風「いえ、何でもありません」

初風「そう?じゃ…」パチン

雪風「…っ!?」

時津風「おやすみ〜」

天津風「おやすみ」

雪風「はい…おやすみなさい……」

初風「……………」

18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:25:40.28 ID:CPbQDBMhO


天津風「……………」スウスウ

時津風「……………」スウスウ

雪風「……………うぅ…」

初風「雪風……」

雪風「は、はい!?」

初風「あんた、寝れないの?」

雪風「そういう訳では…」

初風「おいで」

雪風「え?」

初風「こっちの布団に入りなさいってこと」

雪風「でも…」

初風「いいから早く」

雪風「はい…」

初風「………何があったかは知らないけど、安心しなさい。私がここにいるでしょ?」

雪風「はい………」

初風「今日はゆっくり寝れるといいね」

雪風「はい………」

初風「おやすみ雪風」

雪風「…ありがとう………初風お姉ちゃん…」

初風「ん……」

雪風「…………あったかい……………」

…………………

…………

……

19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:26:23.15 ID:CPbQDBMhO


……………………

時津風「雪風〜おっきて!!おっきて!!」

雪風「はい……雪風は沈みましぇん…」

時津風「雪風〜!おっきてよ〜!」

雪風「ふぁ……時津風…?」

時津風「朝だよ!朝!!」

雪風「朝……」

時津風「それよりどうして雪風が初風の布団にいるのさ?」

雪風「それは……」

初風「湯たんぽ代わりよ。この子、体温高いから布団に入れておくと丁度いいのよ」

時津風「へ〜そうなんだ!」

雪風「そ、そういう事です」

時津風「なら、今日は時津風と寝よ!最近は冷えてきてキツイんだよね〜」

雪風「いいですよ!じゃあ、雪風は今日時津風と一緒に寝ますね!!」

時津風「そうこなくっちゃ!!」

天津風「ほら、二人とも早く布団を片しなさいよ?朝ごはん食べれなくなるわよ」

時津風「面倒くさいな〜天津風がやってよ〜」

天津風「だめよ。自分でしっかり片しなさい」

時津風「天津風のケチー!」

天津風「駄目なものは駄目」

時津風「うえ〜」

20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:27:42.36 ID:CPbQDBMhO


コンコン

時津風「誰〜?」

比叡「比叡よ」

夕立「夕立もいるっぽい!」

天津風「何か用でしょうか?」

比叡「十六駆逐に召集がかかっているから、早く執務室に向かってくれるかな?」

天津風「わかりました。わざわざありがとうございます!」

比叡「いいからいいから。ほら、急いで〜」

雪風「はい!初風、天津風、時津風行きましょう!」

初風「そんなに慌てなくてもいいわよ」

時津風「雪風待って〜!」

天津風「あ、待ってってば!」

21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:28:34.00 ID:CPbQDBMhO


…………………

提督「揃ったな」

初風「はい。十六駆逐四名全員揃っています」

時津風「で、話って何なのさー」

天津風「こら、時津風!なんて口を…」

提督「天津風、もういい。こいつには何度も言ったが治らなかった。諦めたよ」

時津風「こいつって言うなよ〜」

天津風「でも…」

提督「天津風、ありがとう」

天津風「へっ!?」

時津風「あ、ハートの煙出てる」

天津風「ば、馬鹿!!見ないで!!」

時津風「痛い痛いって!」

提督「ごほん…そろそろ本題に入るぞ」

初風「よろしく」

22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:29:01.79 ID:CPbQDBMhO


提督「今回お前達には輸送艦の護衛をして貰いたい」

雪風「船団護衛ですか?」

提督「そうだ。本来ならば6〜8人ぐらいで行って貰いたいのだが、どうしても数が足りないのだよ」

初風「最近多くの駆逐艦を輸送任務に借り出しているものね」

提督「ああ。資源が無ければ戦争の継続は不可能だ。その為に駆逐艦や軽巡の子達に負担させるのは申し訳ないところではあるのだがな」

初風「ま、これが私達駆逐艦の大切な役割だし、しょうがないわね」

提督「そう言って貰えれば有難いよ」

初風「勘違いしないで、別に認めたい訳では無いから」

提督「分かってるよ」

初風「で、場所は?」

提督「パプアニューギニアだ」

初風「油ね」

提督「そうだ」

初風「分かったわ。出立はいつにするのかしら?」

提督「明日出立してくれ。その代わり今日一日は訓練や任務は全て取り消しにして自由にしてくれていい」

初風「了解。他には?」

提督「特に無い」

初風「じゃ、退室するわよ」

提督「ああ」

23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:29:42.20 ID:CPbQDBMhO


初風「じゃ、戻るわ。失礼しま…」

提督「そうだ、一つだけ言い忘れてた」

初風「何よ?」

提督「くれぐれも、対空装備は充実させておけよ」

雪風「どうしてですか?」

初風「ガ島よ」

雪風「どうしてガ島?」

初風「雪風…あんた聞いてなかったの?ガ島に敵の飛行場が出来てるって」

雪風「あ!聞きました!!」

初風「忘れてちゃ意味がないわよ!」

雪風「ごめんなさい…」

初風「説教は後!話が逸れたわね」

提督「ああ。まあ、初風が言っている通りガ島の飛行場から攻撃機が送られるやもしれん」

初風「了解。なら、10cm高角砲と13号の使用許可をくれない?出来たら94式高射装置も欲しいけど」

提督「いいぞ。全員積み替えておけ」

初風「どうも。じゃ、今度こそ退室していいのかしら?」

提督「ああ。すまなかったな」

初風「いいのよ。失礼します」

時津風「じゃーねー!」

天津風「失礼しますね」

雪風「しれぇ!失礼します!!」

24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:37:46.29 ID:CPbQDBMhO


……………

乗組員「よう、お嬢ちゃん達。今日から暫く頼んだぞ」

初風「貴方達が輸送艦の?」

乗組員「そうだ。佐渡丸、笹子丸、吾妻山丸、淡路山丸の四隻で輸送船団を組む」

初風「よろしくお願いします。後ほど基本陣形や戦闘時の陣形や艦隊としての動きなどを打ち合わせしましょう」

乗組員「了解だ。後で各艦の人間を呼び寄せよう」

初風「はい」

雪風「おじさん!今日からよろしくお願いします!」

乗組員「おじさんは酷いな…お嬢ちゃん」

雪風「ごめんなさい…」

乗組員「しょげるなよ…悪いことした気分になる」

雪風「そうなんですか?」

乗組員「まあいいや。おじさんでもおじいちゃんとでも好きな様に呼びな」

雪風「はい!おじさん!!」

乗組員「ははは。ま、お互い仲良くしようじゃないか」

乗組員「航海長!こっちに来て下さい!ちょっとお話しが…」

乗組員「了解だ。じゃ、また後でな!」

25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:39:06.63 ID:CPbQDBMhO


……………………

雪風「目的地が見えて来ました!!」

時津風「ホントだ!!」

天津風「いつもよりも遠いからしょうがないとはいえ、少し疲れたわ」

初風「あんた達、気を引き締めなさい。こういう時に限って敵は来るんだから」

時津風「そうは言っても、まともな戦闘なんて無かったし」

初風「戦闘にまともも不真面目もないから。たとえ駆逐艦1隻が相手でも、下手したら一発轟沈するのは分かってる?」

時津風「分かってはいるけどさ〜」

初風「だったら気を引き締める!」

時津風「はいはい…」

天津風「ちゃんと初風の言うこと聞き……」

雪風「対空電探に感有り!!」

初風「やっぱり来たわね!雪風、数は?」

雪風「この距離だと正確じゃないですが…」

初風「大体でいいから」

雪風「………100ぐらいです!」

26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:40:02.86 ID:CPbQDBMhO


初風「確実にこの輸送船を殺りに来ているわね………」

天津風「初風どうする?敵機接近までそんなに時間がないわよ」

初風「どうもこうも、逃げ切るのは不可能だから迎撃するしかないわ」

初風「全艦陣形変更!輪形陣!!全ての輸送船は輪形陣の内側に!艦娘は打ち合わせ通りの位置について!」

雪風「はい!!」

初風「天津風は輸送艦の人達に打電を!」

天津風「分かったわ!」

初風「雪風は東、時津風は西を警戒!私は南、天津風は北!他の方角の対空射撃援護中でも、絶対に自分の受け持った方角は見落とすな!いい?」

雪風「はい!」

天津風「全ての輸送艦に打電完了したわ」

初風「了解。天津風も対空戦闘準備して」

天津風「了解っ!」

天津風「連装砲くん対空射撃準備完了。10cm高角砲も機銃も大丈夫よ!」

初風「さ、来るわよ!南方より敵戦闘機10、攻撃機5、爆撃機10接近!!対空射撃撃ち方始め!!」

雪風「主砲3基6門、機銃2基4門全門開きます!!」

時津風「撃つよ〜!」

天津風「連装砲くん、最大仰角!」

27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:40:36.78 ID:CPbQDBMhO


初風「敵機6機撃墜!対空砲火が足りない!!」

天津風「敵機、全機輸送艦の方へ向かってるわ!!」

初風「あいつら、輸送艦しか狙っていないの!?」

雪風「東から敵爆撃機10接近です!!」

時津風「南西から攻撃機8、戦闘機8接近してるよ!」

初風「まずい!分散して弾幕が更に薄くなる!!」

天津風「敵爆撃機、輪形陣内側に到達!!」

初風「駄目っ!」

ヒューン ズドーン!!

天津風「淡路山丸被弾!!そんな…艦尾から火が!!」

雪風「東からの爆撃機7機が雪風の頭上を突破しました!!」

時津風「攻撃機2に突破された!」

雪風「敵爆撃機、淡路山丸上空に到達!!急降下!!」

時津風「攻撃機も航空魚雷投下!!」

ズドーン!!!!

天津風「淡路山丸、左舷に被弾!機銃の対空射撃も停止!速度低下!傾斜が始まってるわ!!」

初風「……………淡路山丸は囮になってもらう。沈没までは時間の問題。それより他の輸送艦を無事に送り届けるわよ!」

雪風「助けないんですか!?淡路山丸には沢山の人が乗っているんですよ!」

初風「他の艦を救うのが優先なのよ。このままだと全滅する!」

雪風「でもっ!」

初風「綺麗事を言っている場合じゃないの!喋っている暇があるなら対空に集中しなさい!」

雪風「………はい。雪風、対空射撃に戻ります」

初風「了解。次が来るわ!」

28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/17(火) 20:41:44.94 ID:CPbQDBMhO


……………………

初風「………敵艦載機全機撤退を確認…
対空戦闘終了…………雪風は水上電探で索敵を、時津風は対空電探で対空警戒。天津風はパプア・ニューギニアに救助の為の艦艇を出して貰えるように依頼の打電をして…」

天津風「…うん」

初風「たった1隻しか護れなかった…」

雪風「笹子丸の皆さん!吾妻山丸の皆さん!あと少しで援軍が来ます!!あと少しですから頑張って下さい!!」

乗組員「寒い………寒い…」

乗組員「上杉……おい…上杉答えろよ……何で……動かねえんだよ…上杉………」

乗組員「死にたくねぇよ…こんなところで………」

雪風「皆さんお願いです!!頑張って下さい!!あと少しで助かるんです!!」

雪風「雪風に掴まって下さい!!雪風は絶対に沈みませんから!!ほらっおじさんも!」

乗組員「すまねえ………嬢ちゃん……」

雪風「ごめんなさい…ごめんなさい……雪風が昔みたいな艦だったら…みんな助けられたのに……今の雪風は……数人しか助けられないんです……!ごめんなさい!」

乗組員「泣く必要はない。お嬢ちゃん達のお陰で全滅はしないで済んだんだ」

雪風「でも…」

乗組員「佐渡丸を救ったのは間違いないんだ。本当にありがとう」

雪風「うぅ………」

乗組員「ほら、泣くな」

雪風「は…い……」

天津風「救助が来たわ!!」

乗組員「助かった……お嬢ちゃん。これだけは覚えていて欲しい…」

乗組員「お嬢ちゃんに助けられた命もあるんだってことを忘れないでくれ」

雪風「おじさん…」

乗組員「頑張れよ!」

34:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/19(木) 21:31:29.23 ID:ufICXQ22O


………………………

初風「提督……十六駆逐隊、海上護衛任務から帰投しました………」

提督「ああ。大雑把には耳に挟んでるが……まずはこれだけ言っておこう。お疲れ様」

初風「………ごめんなさい…提督……」

提督「いや、あのような小人数で行かした私が悪いんだ。私こそ謝らねばならない。辛い想いをさせてしまったな…すまなかった」

初風「あれは私の指揮がダメだったから起きたわけで!」

提督「初風。私が悪かったと言っているんだ。分かるか?」

初風「………はい…」

提督「責任の在りかについては終わりだ。それよりも聞きたいことがあったんだ」

初風「聞きたいこと?」

提督「敵の攻撃について詳しく教えてくれないか?」

初風「それは、航空機で…」

提督「そうではない。俺の聴き方が悪かった。敵は輸送艦のみを狙っていたのか?それともお前達と輸送艦を全体的に狙っていたのか?」

初風「輸送艦のみを狙っていたわ。私達には全くと言っても良いほど興味を持たなかった」

提督「もう一ついいか?お前達は偵察機を見たか?」

初風「いや、見てないわ。勿論見落とした可能性はあるけど」

提督「天気はどうだった?」

初風「海は荒れていたわね。空はそうでも無かったけど」

35:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/19(木) 21:33:26.23 ID:ufICXQ22O


提督「もしかしたらだが…」

初風「もしかしたら何?」

提督「いや、順を追って話そう。少し長くなりそうだからソファーに座りなさい」

初風「分かったわ」

提督「さて………初風。お前は、戦争で最も重要なのは何だと思う?」

初風「資源ね。これが底を着けば自然と国は破滅へ向かっていく。兵器を始め、弾薬や燃料などが供給されないから戦力は消耗する一方になる。で、日本は資源が少ない。だからこそ海上護衛輸送で資源を持ち帰らなければならないわ」

提督「そうだ。資源が無くなれば日本国民の不満が積もりに積もって暴動がおきて内部からも崩壊するなどといった回答もあるが、それは別にいい。初風が言った通り、この国は海上護衛輸送が出来なければ滅亡するだろう」

提督「そこでだ…お前がもしも日本を攻撃する立場だったら、何をする?」

初風「資源が底を着くように………あっ……!」

初風「でも、深海棲艦がそんな知恵を持っているなんてありえない!今までだってそんな事はして来なかったし!!」

提督「あり得るか有り得ないかじゃない。実際に現実に起こり始めているんだ。それに初風、お前は昨日まであったものは今日もあるなんて考えているのか?」

初風「ごめん…少しだけ取り乱した…」

提督「感情では否定したいのは痛いほどよく分かっている。しかし、それに振り回される論外だ」

初風「うん…続けて頂戴」

36:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/19(木) 21:34:54.99 ID:ufICXQ22O


提督「深海棲艦がもしも我々の輸送を邪魔したいのならば、理由は二つある」

初風「日本の資源を枯渇させるためってのと……」

提督「よっぽどガ島を護りたい何かがある…だ。沈められた輸送艦はガ島に送り込む兵士や艦娘を乗せているわけでは無かったが、敵からは確実に乗っていないと確認することは出来ないはずだ。そこで、敵航空機はそのブラックボックスたる輸送艦を集中的に攻撃した」

提督「そしてもう一つ。いづれの説をも裏付ける根拠になるのが、潜水艦の存在だ」

初風「潜水艦?私達、潜水艦には出くわしていないわよ?」

提督「お前達もソナーなどは使っていたとは思うが、海が荒れていたのならば見落とす可能性もあるだろう?」

初風「それはしょうがないじゃない」

提督「それはそうだ。しかし、言いたいのはそこではない。海が荒れていれば敵も同じくソナーで水上艦を発見するのは難しい。すると、潜望鏡などで見つけたのだろうな」

初風「それがどうしたのよ?」

提督「おかしいと思わないか?天気は仕方がないにしても、たまたまガ島近郊でたまたま潜望鏡を出していた潜水艦がたまたま海上護衛輸送中の艦隊を発見し、たまたま飛 航空機の大編隊が現れる」

提督「輸送航路は同じものではなく、毎回別のルートを使う。そのため、たまたまそこのルートが待ち伏せされているとは考えられ辛い」

初風「ねえ…もしかして……」

提督「日本からパプアニューギニアへの輸送ルートとして考えられる箇所には全て潜水艦が密に監視していた…」

37:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/19(木) 21:35:55.51 ID:ufICXQ22O


初風「………あり得る…」

提督「そう考えた方が全ての辻妻が合う」

初風「じゃあ…ガ島からの輸送は殆ど不可能になるってことなんじゃ…」

提督「そういうことだ。敵が日本の資源輸送の妨害の為にやっているのか、はたまたガ島を護る為にやっているのかまでは分からん。しかし、どちらにせよ我々の脅威になるのは間違いない」

初風「じゃあ、どうするの…?」

提督「ガ島を攻略する」

初風「…………分かってて言っているの?」

提督「ああ。分かった上で言ってる。こんな胸糞悪い冗談なんて言うつもりは無い…」

提督「悪夢の作戦の再現なんて…」

41:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/21(土) 22:32:14.32 ID:W7ZLChHMO


提督「………以上だ。お前達は金剛達第一夜襲艦隊に続いてトラックから出撃しなさい」

比叡「第一夜襲部隊の後ですね!了解です!」

霧島「かしこまりました!司令!」

夕立「夕立頑張るっぽい!」

雪風「はい!!」

天津風「分かったわ」

提督「質問がある者はいるか?………いないようだな」

提督「よし、全員戻っていいぞ。すぐにトラックへ向かってくれ。トラックの司令官には私から伝えておく」

提督「検討を祈る!」

比叡「はい!!」

42:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/21(土) 22:33:01.43 ID:W7ZLChHMO


天津風「さて…出港の準備しなきゃ」

雪風「天津風、頑張りましょうね!」

天津風「そうね」

雪風「あ、初風!」

初風「………雪風…天津風…」

雪風「どうしたのですか?」

初風「いや………何でもない…」

雪風「そうですか?」

初風「あんた達………この前の戦いの事は大丈夫なの…?」

天津風「ま、まあ……」

雪風「………はい!!雪風は大丈夫ですよ!」

初風「ならいいけど……」

天津風「初風…大丈夫?」

初風「私は大丈夫。それより……」

雪風「はい?」

初風「絶対に…帰ってきて」

天津風「どうしたの初風?本当にへんよ?」

初風「そうね……もしかしたら調子か悪いかもしれないわ…風邪かしら……」

天津風「無理しちゃだめよ?」

初風「ありがと。とりあえず頑張って来なさい」

天津風「ええ」

雪風「行ってきます!!また帰ってくるまでには風邪も直して下さいね!」

初風「頑張るわ………いってらっしゃい」

43:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/21(土) 22:33:47.92 ID:W7ZLChHMO


………………………………………

比叡「こちら比叡!先行していた第一夜襲艦隊が敵飛行場に大打撃を与えたようです!」

霧島「さっすが金剛お姉様と榛名ね!」

比叡「あ、金剛お姉様から更に伝聞が…」

霧島「金剛お姉様は何と?」

比叡「えっと……次は比叡と霧島の番ネ!頑張るデース!また後で会いまショウとのこと!!」

霧島「私、霧島は金剛お姉様の為に頑張ります!」

比叡「私も気合!入れて!行きます!!」

長良「でも、敵の飛行場が機能停止したお陰で昼になっても追撃は受けないで済みそう!」

比叡「そう!だからこそ次は私達で決める!」

霧島「霧島の分析では長良が言う通り、敵飛行場の追撃がない以上、その分長い襲撃が可能になる筈です」

比叡「流石は霧島!金剛型の頭脳だね〜!」

霧島「いえ、比叡お姉様に褒められて大変光栄です」

比叡「霧島はかわいいな〜!」

霧島「ひ、比叡お姉様!おやめ下さい!!眼鏡が取れちゃいます!!」

比叡「あ、ごめんごめん!」

霧島「いえ、問題ないです」

44:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/21(土) 22:34:27.96 ID:W7ZLChHMO


…………

金剛「Hey!比叡!!霧島!!ただいまデース!」

比叡「お姉様!!お帰りなさい!!お待ちしてました!」

榛名「霧島、榛名達第一夜襲艦隊は帰投しました」

霧島「お疲れ様、榛名。金剛お姉様」

金剛「ノンノン!私達はエネミーのフライトロードに向けてたっくさんのバーニングアタックをしたデス!楽しかったデスよー!」

榛名「そうですね、金剛お姉様」

比叡「見てて下さい金剛お姉様!次は私が決めてきますから!」

金剛「期待してマスからねー比叡!霧島!」

比叡「はい!!」

霧島「お任せ下さい」

金剛「その勢デス!!あ、そだ」

比叡「どうしました?」

金剛「私達の出番は終わったノデ比叡と霧島に残りの弾薬を渡しておきマスね?」

比叡「お、お姉様の弾薬!!」

金剛「そうデスよ〜はい!比叡?」

比叡「ありがとうございます!!」

金剛「霧島も…ハイ!」

霧島「ありがとうございます!!」

金剛「ノープロブレム!比叡達はそろそろこのトラックから出撃デスよね?」

比叡「はい!」

金剛「気をつけるのデスよ?油断は大敵デス」

比叡「はい!!」

金剛「いい返事デス。じゃあ、私と榛名は入渠して来マス。いい報告を待ってるネ!」

比叡「はい!行ってきます!!金剛お姉様!」

45:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/21(土) 22:35:01.25 ID:W7ZLChHMO


時雨「みんな。比叡さん達から伝言だよ」

雪風「伝言ですか?」

時雨「うん。二時間後出撃をするよって」

雪風「二時間後ですね!」

天津風「了解」

夕立「っぽい!!」

時雨「僕は他の人にも伝えて来るから、また後でね」

夕立「また後でね、時雨!」

時雨「うん。また後でねみんな」

夕立「いよいよ楽しいパーティーが始まるっぽいよ!!」

春雨「そうですね!夕立姉さん」

雪風「みなさん、頑張っていきましょう!!」

46:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/21(土) 22:41:34.03 ID:W7ZLChHMO


………

比叡「みんな!準備はいい?」

霧島「はい!」

長良「もっちろん!」

白露「白露が一番最初に準備出来たよ!」

時雨「僕は大丈夫」

村雨「大丈夫よ!」

夕立「大丈夫っぽい!」

春雨「大丈夫です…」

五月雨「はい!大丈夫です!!」

暁「暁に任せて!」

雷「私に任せて!」

暁「雷!私に譲りなさいよ!」

電「喧嘩しちゃダメなのですー!」

朝雲「もう、第六の子は…」

天津風「私は大丈夫よ」

雪風「雪風も大丈夫です!」

比叡「今回の作戦は大変かもしれない!だけど、みんななら乗り越えられる!!みんなで助け合って行くよ!それに、後方には愛宕達も控えてる!!」

比叡「よし…全艦抜錨!!私についてきて!!」

51:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:03:19.01 ID:0PkQB5LrO


比叡「そろそろガダルカナルの付近だから、全員警戒態勢を取ったほうがいいかな」

霧島「そうですね。敵の艦隊が待ち受けている可能性があります。ご注意を」

比叡「でも、今のところ水上電探に感は無しだよ?」

霧島「もしかしたら、島の沿岸に沿って待機している可能性があります」

比叡「そうね…誰か前衛になって警戒してくれない?」

夕立「夕立がいくっぽい!!」

比叡「夕立ね?他にはいる?」

春雨「では……夕立姉さんが行くなら春雨も行きます…」

夕立「春雨も来るっぽい!!嬉しいわね!!」

春雨「夕立姉さんの為ですから」

比叡「分かった。じゃあ、夕立と春雨を前衛に配置するよ」

比叡「全艦、鶴翼の陣形!!五月雨と村雨、朝雲は私達の左方で待機!春雨と夕立は前衛として索敵、警戒に当たって!」

52:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:03:47.50 ID:0PkQB5LrO


春雨「敵がいないですね…夕立姉さん」

夕立「………春雨、戦闘体制に移行よ」

春雨「えっ!?」

夕立「見つけた!春雨、一緒に突撃するっぽい!!」

春雨「比叡さん達に連絡はどうします?」

夕立「そんなことしてたら敵にバレるっぽい!!それよりも先に攻撃して混乱させるよ!!」

春雨「わ、分かりました!!」

夕立「目標、敵艦隊!!全艦突撃するっぽい!!」

春雨「はい!!」

53:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:04:34.75 ID:0PkQB5LrO


夕立「春雨!!右舷に敵艦隊っぽい!!砲撃開始っぽい!!」ズドン!

春雨「はい!!」ズドン!

イ級「!!?」

夕立「敵艦隊を混乱させるっぽい!!第二射砲撃開始よ!!」ズドン

イ級「!!?」

夕立「命中!!撃って撃って撃ちまくるっぽい!!」

春雨「はい〜!!」

夕立「春雨、恐いっぽいの?」

春雨「こ、恐いですけど、夕立姉さんと一緒に頑張ります!!」

夕立「その意気っぽい!!全速力で走り抜けるっぽい!!」ズドン!

春雨「はい〜!!」ズドン!

54:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:05:52.31 ID:0PkQB5LrO


比叡「あの子たち戦闘を始めた!!?」

霧島「どうします?比叡お姉様」

比叡「私達が何もやらない訳にはいかない!」

霧島「しかし、私達は三式弾を装填してしまっていますよ?」

比叡「徹甲弾に換装している暇はない!霧島と私はこのまま三式弾を使用!全艦攻撃準備!!」

霧島「完了しました!!」

比叡「まずは私が探照灯を照射するから、霧島!指揮は任せたよ!」

霧島「はい!」

比叡「探照灯照射始め!!全艦攻撃開始!!」

比叡「ひえっ!?」

霧島「敵艦隊がこちらを囲い込もうとしてる!!?」

比叡「霧島!」

霧島「はい!!全艦、敵陣形に突撃開始!!」

霧島「第一主砲砲撃開始!!」ズドーン!!

55:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:06:27.16 ID:0PkQB5LrO


暁「比叡さんだけじゃ敵艦隊が殆ど見えないわ!!私が探照灯を照射するわ!」

電「あ、暁ちゃん!それは危ないのです!」

雷「そうよ!危険だわ!!」

暁「大丈夫よ!暁に任せなさい!!」

電「でも…」

暁「大丈夫よ、電!私は一人前のレディー何だからこれくらい何てこと無いわ!!むしろ、一人前のレディーならやらなきゃいけないのよ!」

電「でも、暁ちゃん震えているのです…」

暁「そ、そんなこと無い!!だって私は…一人前のレディーなんだから!!探照灯照射!!」

電「暁ちゃん!!」

暁「今よ!!みんな撃ち始めて!!」

56:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:07:06.21 ID:0PkQB5LrO


リ級「!!」ズドーン!

ツ級「!!?」

霧島「て、敵重巡の砲撃が敵軽巡に命中!?」

比叡「長良!私と一緒に軽巡を砲撃するわよ!」ズドーン!

長良「まっかせて!!」ズドン!

ツ級「!!?」

長良「雷撃開始!」

ズドーン!!

ツ級「」

長良「敵軽巡沈黙!!」

比叡「よし!!」

57:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:07:54.12 ID:0PkQB5LrO


リ級「……」ズドーン!

イ級「……」ズドン!

ロ級「……」ズドン!

比叡「くっ……!!」

霧島「比叡お姉様!このままだと危険です!!早く探照灯を閉じて下さい!」

比叡「そうは言ってられない!!私が探照灯を閉じてたら他の子が危険に晒される!主砲砲撃!!」ズドーン!! ビリリッ

比叡「きゃぁぁぁ!!!」

霧島「お姉様!!?」

比叡「だ、大丈夫……今の砲撃で電路かイカれただけ……」

霧島「まさか!!?」

比叡「統一射撃が出来なくなった。それよりも私に構わずに敵を!」

霧島「………はい!」

58:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:08:50.22 ID:0PkQB5LrO


暁「うぁあっ!!あぁぁぁぁぁ!!」

電「暁ちゃん!!」

雷「暁!!早く探照灯を閉じて!!」

暁「だめ!今やめたら電達が…」

イ級「……」ズドン!

暁「ガハッ!!?」

電「暁ちゃん!!」

雷「暁!!」

暁「わ……私は…一人前……のレディーなんだ……から…………あ……かつき型…の長女なんだか…ら……みんな……を護……」

電「そんな……そんなの嫌なのです!暁ちゃん!!」

暁「やさしい…ね……電は……」

電「お願いなのです!!暁ちゃん!!目を開くのです!!」

暁「ごめん…ね…………あか…つきが……いなく…ても………みんな……でな…か…よ…く…………」

電「暁ちゃん!!嫌なのです!!死んじゃ嫌なのです!!」

暁「いなず…ま……てを…かして……」ギュッ

暁「がんば……って……ね……」

電「暁ちゃん!!」

暁「ごめ……んね……しれ……………い……………か…………」

暁「…………………」

電「暁ちゃんっ!!お願い!!死なないで!!お姉ちゃん!!雷ちゃんも一緒に!!」

雷「…………………電…手を離して戦うのよ…」

電「でも!そしたら沈んじゃう!!」

雷「離すのよ!!電!!泣くのは後!!」

電「雷ちゃんは悲しくないのですっ……あ……」グイッ

雷「…………………戦うのよ…電」ポロポロ

電「…………分かったのです…」

雷「敵が左弦より接近。迎え撃つわよ」

雷「暁の分まで!!」

59:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:09:52.33 ID:0PkQB5LrO


ズドーン!

春雨「きゃっ!!?」

夕立「春雨!!?」

春雨「や…やられました……缶室に被弾しました…」

夕立「まだ動けるっぽい?」

春雨「はい!」

夕立「充分敵陣を掻き乱したっぽいし、北上するわよ」

春雨「分かりました…ごめんなさい…」

夕立「気にしなくていいっぽい」

春雨「ありがとうございます…」

60:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:10:38.02 ID:0PkQB5LrO


…………

春雨「敵も見えなくなってきましたね…」

夕立「うん……そろそろ、いいっぽいね…」

春雨「夕立姉さん?」

夕立「春雨はこのまま北へ向かって」

春雨「夕立姉さん…?」

夕立「夕立はちょっと忘れ物をしたっぽい」

春雨「ど、どういうことですか?」

夕立「春雨は怪我してるからちょっと危ないっぽい。だから夕立は一人で戻るっぽい」

春雨「い、嫌です!!私も!春雨も一緒に行きます!!」

夕立「怪我人は大人しく帰る。これはお姉ちゃんの命令よ」

春雨「嫌です!!夕立姉さんと一緒じゃないと嫌です!!」

夕立「……夕立と一緒ならいいの?」

春雨「はい!!だから…」

夕立「はい、夕立の髪留め預けるわ。無くしたら酷いっぽいよ?」

春雨「夕立姉さん…?」

夕立「うん、似合ってる。春雨?」

春雨「な、何ですか?」

夕立「夕立が戻るまでは絶対に無くさないで」

春雨「夕立……姉さん…」

夕立「じゃ、気を付けて泊地まで戻ってね。春雨、また今度っぽい!!」

春雨「夕立姉さん!!」

夕立「両舷全速力!夕立、突撃するっぽい!」

春雨「夕立姉さん!!!!」

春雨「………夕立姉さん…………置いて行かないで…………」

春雨「夕立姉さん……………」

61:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:11:19.94 ID:0PkQB5LrO


夕立「さいっこうに素敵なパーティーしましょ!!」ズドン!!ズドン!!

イ級「!!?」

夕立「あははは!!面白い反応っぽい!!」

夕立「全魚雷発射!!」

ズドーン!!

夕立「より取り見取りっぽい!!こんな面白い所中々ないっぽい!!」ズドン!!ズドン!!

夕立「っぽい!!っぽい!!」ズドン!!ズドン!!

バッシャーン!!

夕立「あれ?………しまった!!みんなと敵の中間に…」

ズドーン!!

夕立「っ!!?被弾!!?」

夕立「とりあえず動く……動く……動かない…っぽい?」

夕立「機関停止………こうなったら…」

夕立「ハンモック張ってでも戦うよ!!」ズドン!!

夕立「これからがナイトメアパーティーの始まりっぽい!!」ズドン!!ズドン!!

62:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:12:14.20 ID:0PkQB5LrO


霧島「比叡お姉様!一旦北に退避しましょう!」

比叡「………うん。全艦北上。一旦退避して体勢を整えよう」

霧島「了解。みんな動ける者は近くにいる曳航が必要な子を曳航して北上して!比叡お姉様も急いで下さい!」

比叡「うん。後で行くから霧島は先行ってて」

霧島「はい!」

比叡「じゃあ、一旦回線切るね。一応霧島も気をつけてね」

霧島「比叡お姉様もお気をつけ下さい!」

比叡「うん…ありがと」

比叡「雪風、天津風、白露、時雨……ちょっと私の所へ来てくれない?お願いしたいことがあるから」

63:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:14:58.76 ID:0PkQB5LrO


……………

雪風「比叡さん、どうしたのですか?」

天津風「何かあったのかしら?」

比叡「何かあったと言えば何かあったのかな…?」

白露「なら、早く言っちゃおう!」

比叡「………私は操艦機能を失った…………これ以上は……動けない……」

時雨「比叡さん…?」

比叡「みんなにはお願いがあるの。この碇や旗を形見として霧島やお姉様、榛名に渡してあげて……」

天津風「諦めちゃ駄目!!私達が曳航しますから!」

比叡「この人数じゃ難しいよ。それに、出来たとしてもスピードは絶対に出せないから敵の航空機に攻撃されるリスクが高い」

時雨「それでも、僕らは見捨てることなんて出来ない!」

比叡「ありがとう、時雨……だけど無理なものは無理だよ。せめて、もう少しあまりダメージを受けていない子がいれば…」

雪風「なら、一度みんなのところに戻って沢山の駆逐艦の子を連れてきます!!それまで他の3人を残しておけば」

比叡「それはだめ。残っている3人とも私への攻撃に巻き込まれる可能性があるから」

雪風「なら、どうしたらいいのですか!?」

比叡「みんなで帰ってみんなで戻ってきて。それまで残っている事が出来たら曳航をお願いしようかな?」

雪風「………分かりました!!天津風!白露!時雨!急いで戻りましょう!」

白露「うん!分かった!!」

天津風「少し待ってて下さい!比叡さん!」

比叡「ありがとね」

時雨「必ず…戻って来ますから…」

64:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:18:39.45 ID:0PkQB5LrO


その後、10人くらいの駆逐艦のみんなと一緒に雪風達は比叡さんの所へ戻って来ました

しかし、そこに残っていたのは……紅く染まった水と少し焦げた白い布片だけ

比叡さんを助ける事は出来なかった

ただ、雪風達が比叡さんを見捨てた。それだけの事でした



この後すぐに雪風達は北方へ退却したので、比叡さんの形見を無事本土に送り届ける事が出来ました

65:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/23(月) 21:19:40.60 ID:0PkQB5LrO


後から聞いた話ですが、戦艦2、重巡1、駆逐艦3名の命が亡くなりました………

このサーモン沖の戦いは雪風達の敗北に終わりました

尊い犠牲だけを残して……

71:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/25(水) 22:07:41.65 ID:qsAtv2XjO


コンコン

初風「どなた?」

神通「神通です。入ってもよろしいでしょうか?」

初風「神通さん!?はい!どうぞお入り下さい!」

神通「失礼します」

初風「すみません!神通さんが来られると分かっておりましたら部屋も整理しておいたのですが…」

神通「いえ。充分整理整頓されてますよ。それよりも話すべきことがあります」

初風「はい、何でしょうか?」

神通「初風、時津風。雪風と天津風が帰投した様ですよ」

初風「本当ですか!?」

神通「ええ。しかし、二人共…特に雪風はかなり憔悴しています。早く二人の元へ向かってあげて下さい」

初風「分かりました!ありがとうございます神通さん!」

神通「今日の訓練は免除しますので、その代わりに二人ケアを頼みます」

初風「はい!時津風行くわよ!」

時津風「うん!」

初風「では、神通さん。失礼します!」

神通「はい」

72:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/25(水) 22:08:52.58 ID:qsAtv2XjO


初風「雪風!!天津風!!」

雪風「初風………時津風……」

天津風「二人とも……お迎えに来てくれたの…?」

時津風「そうだよ。雪風も天津風も大変だったね」

天津風「もう…全て知っているの?」

初風「話は聞いてる」

天津風「そう……なら、私達に何があったかは知っているわね…?」

初風「まあ……だけどあれはあんた達がわ…」

雪風「雪風は……また護ることが出来ませんでした……」

初風「雪風?」

雪風「雪風はまた護ることが出来なかったんです」

初風「雪風、それは…」

雪風「この前の輸送艦の殆どは護ることが出来なくて、今度は比叡さんを護ることが出来ませんでした」

雪風「比叡さんをあの時頑張って曳航していれば助けられたかもしれないのに、雪風がみんなを連れてくるなんて言ったから…」

初風「それは違う!」

雪風「何が違うんですか!?雪風があんな事を言わなければ助けられたのに!!」

雪風「雪風が悪いんです!!雪風がみんなで曳航すればみんな助かるなんて甘いことを考えたから!」

雪風「雪風が!!雪風が全部!!」

バシン!

73:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/25(水) 22:09:48.28 ID:qsAtv2XjO


雪風「………え?」

初風「それは違う!」

雪風「違うって何がですか!?雪風があんな事を言わなければ比叡さんは!」

初風「そんなのは結果論だ!!もし比叡さんの立場が雪風だったら、あんたはみんなが沈むような危険なことをやらせたの!?」

雪風「それは…」

初風「でしょう?やらせないよね?結果的には出来たかもしれない。だけどあの時は駄目だったかもしれないんだよ。比叡さんはあんた達を護りたくてあのような決断をしたんだ!」

雪風「そんなの想像に過ぎません!比叡さんだって死にたい訳が無いじゃないですか!」

初風「そうよ。想像に過ぎないわ。それに誰も死にたいなんて考える訳がない!だけど、自分の命を賭してみんなを護ろうとしたんだよ!雪風、あんたそれすらも分からなくなってるの?」

雪風「でも……」

初風「全てを背負いこむな!あんたは全てを背負い込もうとしているだけ!そんなのは間違ってる!」

雪風「……雪風は間違っているのですか…?」

初風「間違ってる。全てを背負い込む必要は無い。それに責任を追求するのなら責任はあんたにない」

初風「死ぬ選択をした比叡さんが悪い。比叡さんを死に追い込むような作戦のきっかけを作った私達が悪い。もっと言えばこの作戦を決定した提督が悪いし、攻撃をしてきた深海棲艦が悪い」

初風「ねえ?誰が悪いの?責任は誰にあるの?雪風?答えられるの?」

雪風「………分かりません…」

74:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/25(水) 22:11:09.19 ID:qsAtv2XjO


初風「それでいい。責任なんて誰にも分からないのよ。だから…」ギュッ

雪風「初風!?」

初風「あんたは姉に抱きついて泣いていればいいのよ。それだけでいい」

雪風「初風………」

初風「雪風、あんたは良くやった。十分頑張ったよ」

雪風「う……うぅ………」ギュー

初風「お疲れ様、雪風」

雪風「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

初風「思いっきり泣いてスッキリしなさい…」

雪風「うわぁぁぁぁ!!比叡さん!!うわぁぁぁぁぁん!!」

初風「よしよし…辛かったね……」

雪風「うう……うううううう…」

……………………

…………

……

86:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 20:53:01.73 ID:t6hhdNxNO


時津風「朝〜! あさ〜! あさだよ〜!! 起きて〜!! 起きてよ〜!!」バタバタ

初風「時津風……五月蝿い!!」

時津風「初風じゃないよ〜! 雪風だよ〜!」

初風「ならそんな大声を出さないでくれない? 私達まで目が覚めたじゃない」

天津風「ふあぁぁぁ……時津風五月蝿いわよ……もう……」

時津風「初風が起きたのは自分の勝手でしょ〜!」

初風「あんたね……いい加減にしないとぶつわよ……」

時津風「あっ!! 初風あれ見て!!」

初風「……引っかからないわよ」

時津風「えぇ!!? どうして!?」

初風「子供じゃあるまいし……」

時津風「おっかしいなぁ。雪風はいっつも引っかかるんだけどなぁ〜」

初風「それは……」

天津風「うん……」

時津風「なになに! 何なのさ〜!」

初風「お子様には分からないことよ」

時津風「初風のイジワル!!」

87:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 20:53:38.90 ID:t6hhdNxNO


雪風「…………あぁ……」

時津風「あっ! 雪風!!起きた!?」

雪風「……しず…………ぃゃ……」

時津風「ゆ〜き〜か〜ぜ〜!!お〜きて〜よ!!」ユッサユッサ

雪風「ひゃあ!!?」バッ

初風「うるさっ!!?」

天津風「きゃっ!!?」

雪風「時津風……どうしたのですか……?」

時津風「どうしたもこうもないよ〜! 暇だよ〜!!」

雪風「ごめんなさい……雪風が寝てたから……」

初風「いや、寝てるのはしょうがないって」

雪風「しかし……」

時津風「あ〜も〜!! 面倒臭い話は良いいから遊ぼうよ〜!」グイッ

雪風「わっ! …時津風!!?」

時津風「とりあえず外に行こう!!ほら!いっくよ〜!!」

雪風「時津風! 離して下さい!!」

時津風「やだよ〜 雪風が居ないと面白くないもん!」

時津風「じゃ、初風! 天津風! 雪風と遊んで来るね〜!」ガチャン

88:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 20:54:27.35 ID:t6hhdNxNO


時津風「こっちこっち〜!!」

雪風「時津風……痛いです……」

時津風「いいの! いいの! 部屋に籠ってたっていいこと無いしね!!」

雪風「でも……」

時津風「そんなに悲痛な顔したって誰も戻って来ないよ」

雪風「えっ!!?」

時津風「私だったら嫌だな〜 自分が沈んだせいで友達が笑えなくなるなんてさ。多分今回沈んだ誰もがそんなこと望んでないよ」

雪風「時津風……?」

時津風「笑えばいいんだよ? 誰かが沈んだって笑えばいいんだよ ーー例え私が沈んでも雪風には笑っていて欲しいし、逆に雪風が沈んだら私は笑うよ」

雪風「本当に……それでいいんでしょうか?」

時津風「いいんだよ。それで」

金剛「そうデスヨ!! ユッキ〜!!」

雪風「金剛さん!?」

時津風「あ、こんご〜さん!! おはよ〜」

金剛「グッドモーニング、トッキー!!ユッキ〜!!今日も良い天気ネ〜!!」

雪風「金剛さん……どうしてそんなに元気なのですか……?比叡さんと霧島さんが沈んだのに……」

金剛「アウチ!!痛い所を突いて来るデスネー」

雪風「金剛さん……どうして…………」

金剛「それはデスネー……」

金剛「ワタシがもしも二人の死を悲しんで全く動けなくナッタらテートクやみんなはどうなりマスカ?」

雪風「それは……」

時津風「金剛さんが居ない所為で他の人が沈んじゃうかもね〜」

金剛「That's right トッキー! トッキーが正解デース! ワタシはワタシの所為でみんなが傷付くのはNo thank you デス」

雪風「だから明るく振舞っているのですか?」

金剛「それだけでは無いデスがネ」

雪風「それは……どういうことですか?」

金剛「…………ソレは……」

金剛「私は弱いからです……私は弱いから……笑う事を忘れたら多分壊れてしまう……」

雪風「…………っ!!?」

金剛「Oh! 今のは失言デシタ!! この発言はシークレットにして下さいネ!」

雪風「金剛さん…………」

金剛「ユッキ〜も藪からスティックにこんな事を言われても困りマスよネ?」

雪風「いえ……雪風は大丈夫です」

89:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 20:55:09.80 ID:t6hhdNxNO


金剛「ユッキ〜は榛名みたいな事を言いマスネ〜!」

雪風「そ、そうなんですか?」

金剛「Yes! 榛名はよく『榛名は大丈夫デス』と言っているネ」

雪風「あ……ごめんなさい……」

金剛「謝る必要はNo デス!デスが、一つだけ言っておいた方が良さそうデスネ」

雪風「はい?」

金剛「溜め込むのは良くアリマセン。時には吐き出さないとダメデスヨ?」

雪風「はい……ありがとうございます、金剛さん」

金剛「どう致しましてデス! では、ワタシは行くネ!」

時津風「ばいば〜い〜」

金剛「Good by トッキー!ユッキー!」

雪風「失礼します」

90:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/27(金) 21:09:47.44 ID:t6hhdNxNO


時津風「ほらね、こんご〜さんも私と一緒の事を言ってるでしょ?」

雪風「はい……」

時津風「だから雪風は笑えばいいんだって!! 苦しくても笑えばいいの!!」

雪風「笑えば……?」

時津風「そう!! そう!! 苦しくても笑うんだよ!!」

雪風「善処します……」

時津風「そうそう! それにさ、折角今日は外出許可になってるんだからさ! お出かけしよ? ねっ!」

雪風「そうですね」

時津風「ほら! もっと元気出して!! そんな顔してたら面白くないよ〜」

雪風「はい」

時津風「駄目だって! こうやって〜」グニー

雪風「ひはい!! ひはいれす!! ほひふはへひはいれす!!」

時津風「ほい!」パッ

雪風「もう! 何をするんですか!!」

時津風「やっといい表情に戻ったね」

雪風「へ?」

時津風「それくらい表情変えてくれないとダメだよ〜」

雪風「あ……」

時津風「じゃ、改めてお外行こうよ〜雪風〜!!」トテトテ

雪風「はい!」

雪風(比叡さん、霧島さん、暁さん、綾波さん……雪風が笑えば救われるんですかね?)

雪風(雪風は笑えば哀しまないんですかね?)

雪風(それなら雪風は頑張って笑い続けますから……)

雪風(雪風は笑いますから……)

時津風「雪風〜!! 遅いよ〜!!」

雪風「分かりました!!」

雪風(雪風が……)

………………………………。

91:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 21:10:30.57 ID:t6hhdNxNO


時津風「雪風〜 今日の訓練も大変だったね〜」

雪風「そうですね……大変でした……」

初風「時津風は動きが大雑把過ぎるから神通さんに叱られるのよ」

天津風「もう少し普段から気を付けないと……」

時津風「初風だって考え過ぎだって怒られてるじゃないか〜!!」

初風「私は直そうとしているわよ」

時津風「ほんとかな〜?」

初風「ねえ、時津風……喧嘩売ってるの?」

時津風「あ、面白そうだから売ってみよ〜!!」

天津風「はいはい……時津風は大人しくしてなさい」

時津風「変態下着の癖に何言うのさ〜」

天津風「へっ、変態っ!!?」

時津風「流石に天津風みたいなのはムッリム〜リ」

天津風「い…言ったわね……私……変態じゃ無いのに……」

時津風「わっ!天津風が怒った!! 逃げる〜!!」パタパタ

天津風「こら〜!! 時津風!! 待ちなさい!!」パタパタ

時津風「あはははははは!!」

天津風「このっ!!時津風だって変態パンツじゃない!!」バシバシ

時津風「痛っ!! 痛いって天津風〜! そんなことないよ〜 普通だよ〜」

天津風「充分変態よ!!変態時津風!!」

92:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 21:11:34.35 ID:t6hhdNxNO


時津風「うわー!!」バタバタ

天津風「あ、こら!!」バタバタ

ドンッ!!

時津風「うぁっ!!?」

瑞鶴「きゃっ!!」

時津風「ん……? 甲板…………胸……?」

瑞鶴「誰が甲板胸ですって!?」

時津風「ああ、瑞鶴さんか〜納得納得」

瑞鶴「納得してるんじゃないわよ!!」

時津風「ごめんなさ〜い」

瑞鶴「許しはしないけど、今は流してあげる」

時津風「怒らないでよ〜」

瑞鶴「なら、あんたはまずその性格をどうにかしなさい」

時津風「え〜 それは無理〜」

瑞鶴「ふ〜ん……」

初風「すみません瑞鶴さん。この馬鹿が…」

時津風「馬鹿じゃないよ〜!!」

初風「とりあえず黙りなさい。この馬鹿が失礼しました」

瑞鶴「まあいいわ。それより雪風と時津風を借りてってもいい?」

初風「ええ。好きなだけ酷使して下さい」

天津風「時津風は特にボロボロになるまで使ってやって下さい」

93:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 21:12:04.05 ID:t6hhdNxNO


瑞鶴「それは前向きに考えておくわ」

時津風「酷い〜」

瑞鶴「でも、残念ながら時津風を酷使するような内容じゃないのよ」

初風「残念ですね」

瑞鶴「全くだわ」

雪風「雪風と時津風は何をすればいいのですか?」

瑞鶴「提督さんから召集がかかってるの。貴女と時津風に任務だってさ」

雪風「はい!」

時津風「何で瑞鶴さんがそんなこと連絡しに来てるのさ〜」

瑞鶴「今日は私が秘書艦なのよ」

時津風「ふ〜ん。しれぇもモノ好きだね〜」

瑞鶴「……どういうこと?」

時津風「だってかんぱ…」

瑞鶴「せいっ!!」ドンッ

時津風「うわっ!!」

瑞鶴「じゃ、この馬鹿と雪風借りて行くわね」ズルズル

時津風「いや〜! 引っ張らないで〜!! 服が伸びる〜!!」

雪風「行ってきますね」パタパタ

初風「え、えぇ……」

天津風「ねぇ、初風……」

初風「……何?」

天津風「瑞鶴さんって……」

初風「うん……ちょっと子供っぽい……」

天津風「よね……」

………………………………。

99:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/27(金) 22:27:38.50 ID:QyRUIg3jO


提督「さて、全員集まったな」

提督「みんなも既に聞いたと思うが、我等はガ島の制圧、占領に失敗した。あの後もガ島の戦力は増強され続けている為、今現在の戦力では制圧は不可能と言っても良いだろう」

提督「そこで、我等はガ島周辺の島々から全ての人材や資材などを撤収することに決めた。今、この広い戦線を維持するのは大変困難だ。無理してこの戦線を維持するよりは戦線を縮小して防衛にに努めた方が賢明だろう」

提督「ここまでで何か質問がある者はいるか?」

朝潮「はい! 司令官!一点御質問をしてもよろしいでしょうか!?」

提督「いいぞ」

朝潮「司令官は縮小した戦線を回復させる予定などはあるのですか?」

提督「流石に痛いところを突いてくるな……答えよう。今の所暫くは戦線を奪還する予定はない。理由は簡単だ。余りにも戦力を喪い過ぎた。最近で言えば虎の子の比叡と霧島を喪い、その穴を埋める建造計画も立っていない。そんな状態で戦線の拡大など死にに行くようなものだ……こんな返答でいいかな?」

朝潮「はい!! ありがとうございました!!」

提督「ああ。他にはいるか? ………………居ないようだな。では、作戦の概要と参加する者を伝える」

提督「先ずは参加者からだ。参加者はここにいる全員で白雪、敷波、朝潮、荒潮、満潮、朝雲、時津風、雪風の八名だ」

提督「そして作戦概要は先程も行ったがガ島近辺の島々から人材や資材を撤収する。輸送艦8隻をお前達8人で護衛するのが任務になる。前回の轍を踏まないように護衛艦の数を倍に増やした。装備は出来得る限りの対空装備を載せて行ってくれ」

提督「今回はかなり難易度の高い危険な任務になるだろう。私は提督として冷徹な命令を下さねばならない。だが、あえて私個人の本心を語らせて欲しい」

提督「私の願いはただ一つ……みんな無事に戻って来てくれ……それだけだ」

朝潮「司令官! 私達は必ず司令官の前に戻って来ます!!」

荒潮「こんなこと言われたらおいそれとは死ねないわよね〜」

白雪「絶対に私達は帰ります。ご安心下さい」

時津風「ほんと、しれぇはみんなが大好きだよね〜」

提督「ああ、大好きだ。だから必ず帰って来てくれ……」

雪風「大丈夫です! 雪風は必ず帰って来ます!」

提督「頼む……」

朝潮「では司令官! 私達は輸送艦護衛に行って参ります!!」

提督「ああ。頑張ってくれ」

全員「はい!!」

106:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/30(月) 23:00:01.66 ID:qH0QvovVO


………………………………。

朝潮「そろそろガ島敵航空隊の予想攻撃可能範囲に入ります!」

白雪「そうですね。では、補給艦の皆さんを囲う陣形に致しましょう」

荒潮「そうねぇ〜 じゃあ、輸送艦を4 4の二列に分けて私達が更にその外側を4 4で囲うのはどうかしら〜?」

白雪「それが一番確実に輸送艦の皆さんをお護り出来ますね。では、陣形の変更を指示しますね」

白雪「こちら対潜警戒中の朝潮です。現在的のガダルカナル常駐の航空機が攻撃可能な海域に突入致しました。なので現在の対潜陣形を解除し防空重視の陣形へと変更致します!」

白雪「輸送艦の皆さんは先頭2隻の複縦陣を組んで下さい。艦娘の私達は左右から輸送艦を挟み込む形で同じく複縦陣を組んで下さい!」

雪風「分かりました!!」

時津風「は〜い」

満潮「わざわざ指揮らなくてもいいわよ!」

朝雲「満潮、あんまり突っかかってると姉さんに嫌われるわよ?」

満潮「う、うるさい!!」

朝潮「あんまり喧嘩は……」

敷波「こんな時になにやってるのさ!」

満潮「何よみんなして! そうよ! どうせ私が悪いのよ!!」

荒潮「そんなことより〜 あれ……敵の飛行機じゃないのぉ?」

満潮「はあ!!?」

107:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/30(月) 23:00:43.06 ID:qH0QvovVO


朝潮「く、九時の方向より敵爆撃機接近です!!」

満潮「数は10よ! ほら全員対空射撃の準備をしなさいよ!!」

荒潮「私〜、あんまり爆撃機にいい思い出ないのよね〜」

満潮「そんなことどうでもいいじゃない!!」

荒潮「冷たいわね〜」

満潮「うっさい!!」

時津風「みんな〜 あと十分ちょいで来るよ〜」

朝潮「でしたら高射装置の使用は出来そうですね」

白雪「了解しました。 全艦94式高射装置による測定を開始して下さい」

時津風「了か〜い!!」

………………

敷波「方位角と仰角算出完了!!」

荒潮「10cm連装高角砲諸元入力完了よ〜」

満潮「94式、自動追尾開始!」

雪風「全火器の射撃準備完了です!」

時津風「白雪〜 いつでもいいよ〜」

白雪「全艦、対空射撃始め!!」ズダダダダ

朝雲「4機撃墜! 6機突入して来るわよ!」ズダダダダ

朝潮「敵機の高度は中空!」ズダダダダ

満潮「水平爆撃よ! 爆弾投下前に何としても落として!!」ズダダダダ

朝潮「このっ!! この海域から出て行け!!」ズダダダダ

白雪「更に一機撃墜しました」

荒潮「残り5ね〜」

108:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/30(月) 23:01:29.37 ID:qH0QvovVO


時津風「敵機爆弾投下!!」ズダダダダ

朝潮「輸送艦の皆さん!! 面舵いっぱい急いで下さい!!」ズダダダダ

朝雲「ダメ! 間に合わない!!」ズダダダダ

ヒューン ズドーン!!

朝潮「旭盛丸被弾!!」

雪風「野島も被弾!!」

敷波「旭盛丸からひ……火が……!!」

満潮「旭盛丸艦速低下……」

白雪「旭盛丸より入電!! 『我、缶室ニ被弾。誘爆繰リ返シ右舷ヨリ浸水開始……諸君……ラノ……無事ヲ祈ル……』…………嘘……」

満潮「旭盛丸、隊列から落伍!!」

朝雲「艦の傾斜が急速に始まってるわ……」

雪風「た、助けないと!!」

時津風「無理だよ雪風。今は不可能」

雪風「でも!!」

時津風「雪風は他の輸送艦も犠牲にするつもり?」

雪風「それは……」

時津風「今は諦めて。この前の任務でもそうだったけど、私達は人を助けられない。護るしか出来ないんだって」

雪風「うぅ……」

時津風「雪風?」

雪風「はい……」

109:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/30(月) 23:02:36.19 ID:qH0QvovVO


朝潮「白雪さん、意見具申いいですか?」

白雪「何でしょうか?」

朝潮「もう敵に私達の存在と場所はバレています。なので、航路をラエへの最短距離を取り少しでも到着時間を短縮しましょう」

白雪「…………分かりました。全艦に伝達します。これより艦隊はラエへ向けて最短距離で航行致します」

満潮「朝潮!なんでこんな事を言うのよ!?旭盛丸の乗員はどうするつもりなの!?」

朝潮「見捨てます。今はまだお昼真っ只中なので救援を呼べば2次災害を引き起こす可能性があります」

満潮「なら今私達が他の輸送艦に運べばいいじゃない!」

朝潮「救助活動中に第二波が来る可能性があります。そんなことになれば被害は更に増大してしまいます」

満潮「アンタ……それでも本当に日本人なの!?仲間を見棄てるなんて日本人としてありえないわ!!」

朝潮「……いくら罵倒してもいいわ、満潮。私も人道的には許せない行為だと思っているから……だけど、私は今生きてるこの艦隊のみんなの命を最優先した。それに任務も輸送艦を護衛するのが最優先。だから一人でも被害が少なくなり、任務も完遂出来る可能性があるこの選択を選んだの」

満潮「くっ……」

朝潮「分かって欲しい何て言わない。だけど、今は私や白雪さんに従って」

満潮「…………」

朝潮「みなさん申し訳ありません。私事に回線を使ってしまいました」

白雪「いえ、大丈夫です。先程も伝えた通り、この艦隊は急ぎラエへ寄港します」

朝雲「一応朗報。手離す海域の人材や資材などは全てラエに集められているみたい。だからラエに寄港後は引き返すのみよ」

白雪「了解です。それは助かりますね」

白雪「ラエに急ぎますよ。全艦続いて下さい」

110:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/30(月) 23:03:48.06 ID:qH0QvovVO


ラエ

朝潮「皆さん! 積み込みは出来る限り急いで下さい!!」

朝雲「いつガ島から敵機が来るか分からないからね」

荒潮「急いだ方が良いわね〜」

時津風「雪風〜 あそこ綺麗だよ〜」

雪風「時津風……今は遊んでちゃ駄目です……」

時津風「だって暇じゃん」

雪風「でしたら皆さんのお手伝いをしましょう」

時津風「え〜 やだやだ〜 面倒臭いじゃん」

雪風「ですが……」

満潮「ぼさっとしてるならあんた達も手伝いなさい」ゴンッ

時津風「痛い!!」

満潮「ほら、行くわよ」ズルズル

時津風「うわ〜!! やだ〜!! 鬼〜!!」

満潮「誰が鬼よ!!」

雪風「今回は時津風の自業自得です」

時津風「雪風の裏切り者〜!!」

………………………………。

111:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/30(月) 23:04:31.56 ID:qH0QvovVO


朝潮「輸送艦の皆さん、出来る限り急いで下さい。ここはまだまだ敵航空機の攻撃範囲です。夜の内にラエから脱出出来ましたが、そろそろ陽が上って来ます」

荒潮「確かにそろそろちょっとマズイかもしれないわね〜」

白雪「そうですね。敵機の来襲に備えて対潜陣形から昨日と同じような対空防御の陣形にします。正確には、旭盛丸が抜けた穴はそのままに輸送艦隊を作って下さい」

白雪「そして、艦娘は右最前列から順に満潮、朝潮、朝雲。左最前列から順に荒潮、時津風、雪風。左の輸送艦隊先頭には敷波、右の輸送艦隊先頭に私白雪。取り急ぎ陣形の展開をして下さい」

朝潮「はい!」

時津風「ほら、輸送艦のみんな急げ急げ〜」

白雪「朝雲と荒潮の二人は十四号を起動して下さい。少しの反応も見逃さないように。次に満潮と時津風は三十三号で敵水上艦の警戒。そして敷波と雪風は前方と後方から敵潜水艦の警戒を」

朝潮「私はどうすれば?」

白雪「私に何かあった際には朝潮に艦隊指揮を執って貰います」

朝潮「了解!」

白雪「では皆さん、任せました」

全員「了解!!」

………………。

112:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/30(月) 23:05:32.58 ID:qH0QvovVO


白雪「ダンピール海峡に入ります。少々艦隊運動がし辛くなると思いますが、抜ければまた広いビスマルク海に出られます」

朝雲「ん?」

白雪「どうしました?」

朝雲「何かを電探が探知……っ!?」

荒潮「あらあら〜 これは艦載機ね〜 ……敵よ」

白雪「敵機の数は?」

朝雲「沢山。少なくとも50以上は居そう。一応高空、中空、低空の高度で接近してくるわね」

白雪「了解。では、雪風と時津風以外は高空の敵に対して94式に諸元入力を行って下さい。雪風と時津風は中空の敵をマークして下さい」

雪風「低空の敵機はどうしますか?」

白雪「低空の敵機は恐らく途中で上昇して中空の航空機と合流か第二波として来るでしょう。それでしたら初めから中空に標準を合わせておいた方が良いです」

雪風「分かりました!」

白雪「全艦に告げます。これより本艦隊は回避行動に入ります。私の指示に従い各々回避行動を行って下さい」

…………。

113:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/30(月) 23:06:38.45 ID:qH0QvovVO


朝潮「敵機第一波接近!!」

白雪「全艦対空射撃!!」ズダダダダ

満潮「このっ!! 落ちろ!!」ズダダダダ

時津風「うら〜!!」ズダダダダ

朝潮「高空に位置していた敵爆撃機全機無力化!!」ズダダダダ

時津風「中空の水平爆撃隊は全然落とせていないよ!!」ズダダダダ

白雪「全艦中空の敵爆撃機を狙って」

雪風「みなさん!! 低空から突撃して来る爆撃機がそのまま突っ込んで来ます!!」

白雪「嘘っ!?」

雪風「速度落ちません!! どうして!?」

朝潮「中空の敵爆撃機、爆弾投下しました!!」

敷波「白雪!! 危ない!! 逃げて!!」

白雪「…………ぁ……」

ズドーン!!

121:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:08:04.08 ID:CIaiNiIUO


敷波「白雪!! 白雪!! 嘘だろ……血が流れて……」

朝潮「白雪さんに構っている暇はありません!! 低空から突入して来た艦爆が爆弾を投下!! 何なのこの速度は!!?」

ヒュン ズドーン!! ズドーン!!

満潮「建武丸と愛洋丸の右舷の喫水線に被弾!! ま……真っ二つに!?」

時津風「速い!! なんなのこいつら!! こんな爆撃見たことないよ!!」

朝雲「第二波来るわよ!! 今度は全機低空から!!」

ヒュン ズドーン!! ズドーン!!

荒潮「きゃぁぁぁ!!」

時津風「うぐっ!!?」

満潮「荒潮!!?」

雪風「時津風!!」

荒潮「機関……停止。缶が全滅したわね……」

満潮「荒潮!、 手を貸しなさい!! 曳航を」

荒潮「駄目よ……先に行きなさい」

満潮「早く!! 時間が!!」

荒潮「朝潮……聞こえるわね?」

朝潮「ええ」

荒潮「私を置いて先に行って……」

朝潮「分かりました」

満潮「やだっ!! 嫌だ!! お願いだから一緒に来てよ!!」

荒潮「それはムリよ〜 だって満潮には……」

荒潮「生きていて貰いたいから」

122:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:09:00.82 ID:CIaiNiIUO


満潮「私なんかよりも荒潮が!!」

朝雲「敵機接近!! 満潮避けて!!」

満潮「え?」

ヒュン

荒潮「っ!!」バッ

ズドーン!!

満潮「う、そ……」

満潮「荒潮……? ねえ、荒潮!! ねえってば!!」ユッサユッサ

満潮「ねえ答えてよ!! 荒潮!! お願いだから!! 目を開いてよ!!」

満潮「お願……い、だから……荒潮……」ギュッ

朝潮「満潮!! 感傷に浸るのは後にして!! 第四波来ます!!」

朝雲「雪風!! 敵機接近!!」

ヒュン

雪風「さ、避けれません!!」

時津風「雪風!!」

ガンッ

雪風「えっ!?」

時津風「……不発?」

朝潮「対空戦闘終了!! 敵の第一次攻撃隊が撤退していきます!!」

敷波「助かったのか……?」

123:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします2015/03/31(火) 22:09:45.50 ID:CIaiNiIUO


朝潮「いえ、まだまだ敵の航空隊が襲って来る可能性があります。全艦それぞれに不具合が出ているか確認をして下さい」

雪風「時津風は大丈夫ですか?」

時津風「右舷の隔壁が破られて少し浸水したのと、缶が何個か壊された」

雪風「航行は?」

時津風「まだ大丈夫。行ける行ける」

時津風「それよりも、雪風こそ爆弾は?」

雪風「不発弾でした。当たりどころは悪かったので、もしも爆発していたら沈んでいたかもしれません」

時津風「みたいだね。ラッキーだったね」

雪風「まあ……そうですね」

時津風「とりあえず私達は大丈夫そうだね」

雪風「はい」

朝潮「全艦確認は終わりましたか?ーー終わった様ですね。では、直ぐにこの海峡を抜けてビスマルク海に出ます!」

………………。

124:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:11:01.06 ID:CIaiNiIUO


朝潮「艦隊ダンピール海峡抜けます」

朝雲「やっと抜けれる! これで思う存分回避運動は出来るようにな」

敷波「喜んでいられないよ! 敵機群南東より接近!! 数はかなり多い!! さっきと同じく急降下、水平、水切りの3パターンで来てるよ!!」

朝雲「朝潮!! どうする?」

朝潮「私が急降下を抑えます! 荒し……ごめんなさい。朝雲は水平への対処、他は水切り爆撃の迎撃をお願いします!」

全員「了解!!」

満潮「敵爆撃機こちらの射程に入った」

朝潮「そっちの指揮は満潮に頼みます!」

満潮「雪風、時津風。対空射撃始め」

時津風「当たれ〜!!」ズダダダダ

朝潮「こちらも対空射撃始めます!!」ズダダダダ

朝雲「くっ!!」ズダダダダ

雪風「朝潮さん!! 高空の敵爆撃機が更に来てます!!」

朝潮「砲が足りない!! あっ!?」

雪風「朝潮さん! 敵艦爆が!!」

朝潮「輸送艦の皆さん!! お願い、避けて!!」

ヒューン ズドーン!!

125:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:12:11.23 ID:CIaiNiIUO


敷波「神愛丸、太明丸被弾!! 大破炎上!!」

朝潮「あ……あぁ……」

朝雲「抜かれた!! マズイ!!」

ヒューン ズドーン!!

敷波「帝洋丸右舷に被弾!! 浸水が始まった!! 朝潮!! ボケっとするな!! 上空!!」

ヒューン ズドーン!!

敷波「大井川丸被弾!! 艦速低下! 急速に浸水してる!!」

朝潮「あ……あぁ……」

敷波「朝潮!!」

雪風「低空の艦爆に抜けられました!! 野島が!!」

朝潮「うぁあぁぁぁぁ!!」バッ

満潮「朝潮!! あんた何を!!」

朝潮「野島だけはやらせない!! 私が護る!! 司令官に頼まれた任務を完遂するんだから!!」

ヒュン ズドーン!!

朝潮「アァァ!!」

満潮「朝潮!!」

雪風「もう一機抜け…」

ヒュン ズドーン!!

朝潮「…………ぅそ……の……じま……」

時津風「野島が!! 」

雪風「時津風!! 後ろ!!」

時津風「うし」

ズドーン!!

雪風「時津風っ!!」

126:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:13:24.82 ID:CIaiNiIUO


敷波「敵航空機……全機帰還して行きます……」

朝雲「もう、敵は全ての爆弾を使ったのね……」

満潮「朝潮!! ねえ! 朝潮!! どうして返事をしないのよ!!」

雪風「時津風!! 時津風!! 目を覚まして下さい!! 時津風!!」

時津風「……ぅるさ、いよ……雪風……」

雪風「時津風!! 雪風が分かりますか!?」

時津風「わか、る……」

雪風「今すぐ曳航します!! このロープに掴まって下さい!!」

時津風「もう、無理だよ……」

雪風「そんなことありません!! 入渠さえすれば助かりますから!!」グイッ

時津風「……無駄、だよ」

雪風「無駄じゃありません!! 第一戦速で航行します!!」

127:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:16:10.39 ID:CIaiNiIUO


時津風「ねぇ、雪風……」

雪風「何ですか!?」

時津風「今まで……楽しかったね……」

雪風「楽しかったですよ! 当たり前じゃないですか!?」

時津風「初風も……天津風も優しかったね……」

雪風「二人とも優しいに決まってます!!」

時津風「私たち、一緒になれて良かったね……」

雪風「はい!!」

時津風「ねぇ、私との約束……覚えてる?」

雪風「当たり前です! 雪風は笑顔でいますから!!」

時津風「良かった……頑張れ……」

雪風「何を言ってるんですか!! こんなの最期の別れみたいじゃないですか!!」

時津風「雪……風……?」

雪風「何ですか!! 時津風!!」

時津風「おやす……み……」
………………………………。

128:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:16:59.25 ID:CIaiNiIUO


雪風「時津風。あと少しで横須賀ですよ」

雪風「初風も天津風もみんな……みんな待ってます」

雪風「やっと入渠出来るんですよ。良かったですね」

雪風「そうだ、入渠が終わったら一緒に遊びましょう」

雪風「初風も天津風も巻き込んで一緒に遊ぶんです」

雪風「絶対に楽しいですよ」

雪風「絶対に楽しいんです……」

雪風「だから時津風……目を開けて下さい……時津風!!」

129:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/03/31(火) 22:20:15.04 ID:CIaiNiIUO


輸送艦8 駆逐艦4轟沈

この一方的な虐殺は後にダンピールの悲劇と呼ばれるようになりました

この闘いで私は大切な人を一人喪いました

決して喪ってはいけない人を

137:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 11:00:01.41 ID:h77tItiVO


ガチャン

雪風「戻りました……」

初風「雪風! 戻ったのね。お帰り」

天津風「お帰り雪風。あれ、一人なの?」

雪風「…………はい」

天津風「時津風は入渠? どれくらい時間がかかるか聞いてる?」

雪風「…………ぃぇ……」

天津風「雪風?」

初風「雪風、あんたどうしたの?変だわ」

雪風「と……かぜは……」

初風「全然聞こえないんだけど」

雪風「時津風は……」

初風「時津風がどうしたの?」

雪風「時津……風…………は……」ポロポロ

初風「嘘……でしょ!?」

天津風「時津風がなんなの!? ねえ、雪風!!」

雪風「死に……」

雪風「……う、うぅ……うぁぁぁ……うぐっ」ポロポロ

天津風「雪風、悪い嘘は良くないわよ。流石に言っていい事と悪い事があるわよ!!」

雪風「時津風ぇ……うわぁぁぁあ!」ポロポロ

天津風「嘘!! 嘘よ!! 時津風が死ぬなんて!! だってこの前はあんなに元気にイタズラしてたじゃない!! なのに死ぬ筈が無い!!」

雪風「雪風が! 雪風が護れなかった!! 雪風なら助けられたのに!! 何も! 何も出来ませんでした!!」

天津風「雪風っ!! 貴女が殺したの!? ねえ! 時津風は雪風が!!」

雪風「そうです!! 全部雪風が悪いんです!!」

天津風「ふざけるな!! ねえ、 私の時津風を返してよ!! 私の大切な妹を返してよ雪風!!」

雪風「ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい!! ごめんなさい!!」

天津風「謝ったって時津風は返って来ない!! 雪風!! どうして……どうして時津風が……」ポロポロ

天津風「時津風……時津風ぇ……」ポロポロ

138:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 11:02:47.53 ID:h77tItiVO


初風「天津風、泣くなとは言わない。だけど雪風を責めるのはやめなさい」

天津風「初風……貴女は哀しくないの? どうして泣いてないの?」

初風「一番辛いのは雪風だから……」

雪風「初風……」

初風「雪風、辛かったよね。本当に辛かったよね。今は沢山泣いていいから。気がすむまで泣きなさい。もしも耐えれなかったら私に縋ってくれてもいい。だから、絶対に貴女一人で抱えこんでは駄目。いい?」

雪風「えぐっ……ぅう、は、い」

初風「天津風も哀しいのは分かるよ。だけど、雪風も労ってあげて。いい?」

天津風「う……ぇえ……」

初風「うん……私、提督に報告することがあるからちょっと行ってくるわね。すぐ戻るから」

ガチャン

139:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 11:03:35.93 ID:h77tItiVO


パタン

初風「………………」

初風「う……時津風…………」

初風「どうしてあんたは……」

初風「うわぁぁぁああぁああああ!!」

……………………

…………

……

142:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:18:56.60 ID:sfZoXaScO


初風「雪風、天津風、朝よ」

天津風「うぅ……おはよう初風」

雪風「おはようございます……」

初風「ほら、顔洗って着替えて来なさい。あと少しで神通さんの訓練が始まるわ」

天津風「私が先に着替えるから雪風は顔を洗って来なさいな」

雪風「はい」

天津風「あれ?私の上着は……」ゴソゴソ

初風「これ?」

天津風「ありがと」

初風「どういたしまして」

天津風「ねえ、初風」

初風「何?」

天津風「静かね」

初風「そうね」

……………………。

143:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:19:34.95 ID:sfZoXaScO


神通「では、午前の訓練を始めます。本日は砲雷撃戦の訓練から始めます。雪風前へ」

雪風「はい!」

神通「第一戦速で航行しながら的を撃ち抜いて下さい」

雪風「はい!」

神通「では、始めて下さい」

雪風「雪風行きます!」ザッ

雪風「ふっ!!」ズドン! ズドン!

ズバン ズバン

神通「その場で急制動して反転。左舷側に出ている的を真ん中、左、右の順番で撃ち抜いて下さい」

雪風「はい!」ズドン! ズドン! ズドン!

ズバン ズバン

雪風「あ……」

神通「まだまだですね。動きに迷いがありますよ」

雪風「はい! ありがとうございます!」

神通「では雪風は後ろに下がって下さい。次は初風前へ」

初風「はい!」

神通「雪風と同じく第一戦速で航行しつつ砲撃して下さい」

初風「はい!」

神通「始めて下さい」

144:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:20:10.38 ID:sfZoXaScO


初風「行きます!!」

初風(考えないで撃つ!) ズドン! ズドン!

ズバン ズバン

神通「その場で反転。左舷側に出ている的を右、左、真ん中の順番で撃ち抜いて下さい」

初風「はい!」ズドン! ズドン! ズドン!

ズバン ズバン ズバン

神通「よく出来ました。ちゃんと考えないでも撃てるようになっていますね」

初風「はい!」

神通「初風は後ろへ。天津風は前へ」

天津風「はい!」

神通「天津風は遠距離の目標に対して砲撃して貰います。あの目標を動きながら四射以内に撃ち抜いて下さい」

天津風「はい!」

神通「始めて下さい」

天津風「はい!」

145:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:22:32.46 ID:sfZoXaScO


天津風「行くわよ!」ズドン!

ザバーン

天津風「遠! 第二射始め!」ズドン!

ザバーン

天津風「近! 兇叉!! 第三射砲撃始め!」ズドン!

ザバーン

天津風「近! 第四射始め!」ズドン!

ズバン

天津風「やった!!」

神通「これで喜んでいてはいけません。敵を捉える為にはより少ない砲撃の方が良いのは当たり前です。次は3射以下で当てるように気を付けて下さい」

天津風「はい!」

神通「次は砲雷撃戦の訓練です。これが終わったらまた砲撃の訓練に戻ります」

全員「はい!!」

神通「模擬弾頭を使用します。貴女達は私にその模擬弾頭を当てて下さい」

全員「はい!!」

神通「私が無線で合図したら訓練開始です。所定の位置に向かって下さい」

…………。

146:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:23:46.49 ID:sfZoXaScO


神通「訓練を開始します」

初風「はい! 雪風、天津風は私の後ろに単縦陣で続いて!」

雪風「分かりました!」

天津風「任せて」

初風「全艦砲雷撃戦用意! 魚雷装填! 速度、最大戦速!! 突撃開始!」

天津風「神通さん、砲撃開始しました!」

初風「取り舵! 全艦第一、第二主砲砲撃開始!」

初風「てぇ!!」ズドン! ズドン!

天津風「弾着今! 近! 近!」

初風「面舵! 弾幕を張って! 第二射開始!」ズドン! ズドン!

雪風「命中1!」

初風「了解!」

天津風「神通さんが突っ込んで来るわ! このままだと衝突しちゃう! 針路変更をしましょう!」

初風「ううん。まだまだ……ギリギリまで近付く」

天津風「危ないわ!」

初風「神通さんも命懸けでやってくれてるのよ。ここで私達が命懸けなくてどうするの?」

天津風「そうだけど……でも……」

初風「これは先に針路を変えた方が負ける。まさにチキンファイトね」

天津風「分かった。初風に従うから」

初風「雪風は?」

雪風「雪風もです!」

初風「良い子達ね。 針路そのまま、合図と同時に面舵いっぱい」

……。

147:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:24:18.95 ID:Vvy23G/Y0


天津風「距離200!」

初風「まだまだ!」

天津風「距離150!」

初風「まだ行ける!」

天津風「距離100!」

初風「まだ!」

天津風「距離50!」

初風「あと少し!」

天津風「30、20、10」

神通「よく頑張りました」ザッ

初風「今!! 面舵いっぱい! 魚雷全門発射!!」ザッ バシュン

天津風「くっ!」バシュン

雪風「えい!」バシュン

ズドーン!!

148:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/01(水) 22:25:49.64 ID:sfZoXaScO


神通「…………よく頑張りました。魚雷2発命中です」

初風「あ、ありがとうございます!!」

神通「その勇気と忍耐をこれからも持ち続けて下さい」

初風「はい!!」

神通「では、砲撃の訓練に戻りますよ。先程の海域に戻りましょう」

全員「はい!!」

………………………………。

152:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/03(金) 21:57:02.20 ID:w/dqjOp/O


提督「どうだ瑞鶴。そっちの山は片付きそうか?」サラサラ ペラッ

提督「うん。もうそろそろ終わるかな」ペラッ

瑞鶴「あれ? なにこれ……う、嘘!?」

提督「どうした? 瑞鶴」ペラッ サラサラ

瑞鶴「提督さん、この司令書を見てくれない?」

提督「ああ」ペラッ

瑞鶴「これって……」

提督「ありえん……大本営の上層部は何を考えているんだ!」

瑞鶴「あんなに大きな犠牲を払った作戦だって失敗したのにどうしてこんな……」

提督「大方、私が独断で行った南方海域からの撤退が御不満なのだろう」

瑞鶴「でも、これ以上戦線を拡大するどころか維持するのだって現場は難しいのは瑞鶴でも分かるよ!」

提督「ああ。しかしそれは、最前線のお前達や直接お前達を指揮する私だからこそよく分かっている事なんだ。だが、結果や数字、己の出世の事しか見ていない大本営の奴らには本質が全く分かっていないのだろう。資源が手に入り辛くなったのは南方を手離したからで、元に戻す為には南方を取り戻せばいい。恐らくはそんなところだろう」

瑞鶴「あり得ない……」

提督「そうだな。現場の人間から見ればあり得ない事だ。しかし、こんなことは軍隊に限らず社会では幾らでも例はある」

瑞鶴「それにしたって、こんな作戦やったらまた犠牲者が沢山出るに決まってるよ!!」

提督「同感だ。私から一度、この作戦を取りやめるように大本営に連絡しよう。だが……」

瑞鶴「だが?」

提督「難しいだろうな」

………………………………。

153:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/03(金) 21:57:51.39 ID:w/dqjOp/O


コンコン コン

初風「どなた?」

神通「私です」

初風「神通さん!?お、お入り下さい!」 ガチャ

神通「お邪魔します」

初風「御用があるのでしたら私達からそちらに赴きましたのに、わざわざ申し訳ございませんでした!」

神通「いえ、いいのです」

初風「すぐにお茶をお出しします!」

神通「大丈夫です。それよりもお話しても宜しいですか?」

初風「はい!」

神通「初風と雪風と天津風の3人と他の子達、そして私に提督より収集がかかっています」

初風「急ぎですか?」

神通「いえ、一時間後の1300に執務室に集まるようにとの事です」

初風「了解しました。神通さん、わざわざそれだけの為に来て頂いてしまい申し訳ございません!」

神通「他の子達にも声をかける必要があったので気にしなくていいですよ。では、私はこれで失礼します」

初風「はい!また後ほどお願いします」

神通「はい。失礼します」ガチャ パタン

………………。

154:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/03(金) 21:58:26.03 ID:w/dqjOp/O


提督「すまないな、突然呼び出してしまって」

神通「いえ」

浜風「どのようなご用件なのでしょうか?」

卯月「しれ〜か〜ん! 早く教えてくれないとくすぐっちゃうぴょ〜ん!」

文月「うづきちゃん、だめだよぉ〜」

三日月「司令官、すみません。姉達がご迷惑をおかけして」

卯月「三日月はうーちゃんに対しての敬意がたりないぴょん」

三日月「今は司令官のお話を聞きましょうね、卯月姉さん」

初風「で、何なの?」

提督「ごほん……単刀直入に言おう。これから私達は南方海域へ再侵攻する。その第一歩の足係りとして、ラエとコロンバンガラ島とブーゲンビル島に前進基地を作る。これは決定事項だ。反論は認めない」

カランカラン

雪風「ど…………」プルプル

提督「何だ、雪風」

雪風「どうしてですか!! 今まで南方の戦いで散っていったんです!! それに白雪さんや朝潮さん、荒潮さん、時津風は……時津風はラエからの撤退の所為で亡くなったんですよ!! そんな南方で散って逝った沢山の人々の死を不意にするんですかっ!!?」

提督「雪風、それは感情論だ。それに、例え今よりも沢山の戦死者がいても、誰も犠牲になっていなくてもこの作戦は行われた。ただそれだけのことだ」

雪風「なら、どうしてーー ムグッ」

神通「お辞めなさい、雪風」

神通「提督、失礼しました。他に何かお話はございますか?」

提督「今回は輸送艦隊の護衛部隊と敵艦、敵機の警戒部隊に分かれる。護衛部隊は卯月、望月、皐月、文月の四人。警戒部隊は神通、初風、雪風、天津風、浜風、三日月の6人とする。全員明日の0800に横須賀を出港。補給艦隊と共にラバウルへ向かい、補給を済ませて夜間にコロンバンガラ島へ侵攻せよ」

神通「了解致しました。最後に一つだけ質問をしても宜しいですか?」

提督「ああ、何だ?」

神通「この作戦は提督自らがお考えになったのですか?」ジッ

提督「勿論だ。私が考えた」

神通「………………そうですか……ありがとうございます」

提督「ああ。では、今日は解散してくれ。明日から頼むぞ」

神通「はい。失礼しました」

ガチャ バタン

155:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/03(金) 22:00:52.46 ID:w/dqjOp/O


雪風「プハッ!」

雪風「神通さん、どうしてあのようなことを!」

神通「あれは上司に向かって言うべき言葉ではありません。そして、あれ以上言われても提督が困り、傷付き、心が弱るだけだからです」

天津風「それはどういうことですか?」

神通「あれは提督の考えた作戦ではありません」

天津風「えっ!?」

浜風「しかし、司令は自分で考えたとおっしゃっていたのですが」

神通「あれは嘘です。これは想像の話になりますが、更に上ーーつまり大本営からの命令でしょう」

浜風「ならば、そう言って下されば私達だって多少は納得し、提督に不信感を持たずに済みますのにどうして……」

神通「明確な責任の在り処を作って下さったのですよ。例え全ての艦娘から憎まれ、怨まれてでも、全ての責任を提督自らが受け止めるつもりなのでしょう。そうすれば、艦娘の感情の行き所を失うことはありませんから」

浜風「…………そうだったのですか……しかし、神通さんは何故それを私達に」

神通「もしも私が居なくなってもこの事を知っている人が居て欲しいからです。例え貴女達以外全ての艦娘が提督を憎んでも貴方達には真実を知っていて欲しい。ーー私はそう思ったのですよ」

浜風「分かりました」

神通「雪風、この件で提督に怒りをぶつけるのは間違っているのは分かりましたか?」

雪風「はい……」

神通「よろしいですーーでは、私はこれで失礼します。また、明日」スタスタ

………………。

156:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/03(金) 22:01:55.78 ID:w/dqjOp/O


瑞鶴「提督さん、本当にあれでよかったの? みんなから嫌われちゃうよ?」

提督「いいんだ。それに、大本営の命令を変えられなかった私が悪いのは事実だ」

瑞鶴「損な性格をしてるね、提督さんは」

提督「これは生まれつきだ。変えることは出来ないし、変えるつもりも無い」

瑞鶴「ホント……馬鹿なんだから」ボソッ

提督「何か言ったか?」

瑞鶴「何も言ってないわよ」

提督「そうか」

瑞鶴「提督さん、お茶淹れて来てあげるよ」

提督「ありがとう。頼む」

瑞鶴「うん。ちょっと待っててね」

提督「ああ」

………………………………。

160:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:11:42.48 ID:hp67E+DZO


ラバウル

神通「みなさん、これよりコロンバンガラ島への上陸作戦を開始します。先ずは私達警戒部隊が先行し航路を確保。その後に輸送部隊が続いて下さい」

卯月「了解だぴょ……」

望月「卯月は黙ってろ! 了解しました」

卯月「んむ〜!! んむ〜!!」ジタバタ

浜風「では、神通さん。そろそろ出港しますか?」

神通「そうですね。出港しましょう」

全員「はい!!」

神通「警戒部隊抜錨! 全艦私について来て下さい !」

………………………………。

161:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:12:16.46 ID:hp67E+DZO


神通「そろそろコロンバンガラ島です」

初風「今のところ会敵は無し……」

神通「しかし、この重要海域に敵艦が全くいないとは考え難いです」

雪風「あれ?」

神通「どうしましたか?」

雪風「逆探に何かが……」

神通「…………全艦単縦陣。雪風、方角は分かりますか?」

雪風「いえ……方角までは……」

神通「……………………」

雪風「神通さん?」

神通「見えました。東5キロ先に敵艦隊を確認」

雪風「えっ!?」

初風「神通さん!?」

神通「夜戦は先手必勝です。これより私が探照灯で敵艦隊を照らし出します。貴女達は陰から敵艦隊に肉薄、雷撃をして下さい」

浜風「しかし、神通さんが」

神通「心配の必要はありません。曲りなりとも私は二水戦の旗艦です。おいそれとはやられませんよ」

浜風「…………御武運を」

神通「最後に一言だけ言っておきましょう。貴女達は並みの駆逐艦よりも練度が高く、生き残る力があります。みなさん、自信を持って下さい」

初風「神通さん……」

神通「初風もとても成長しました。貴女が貴女の妹達を引っ張って行って下さい……全艦初風を先頭に突撃開始。二水戦の誇りを見せて下さい」

初風「はい! 全艦突撃!!」

神通「…………やはり、こうなる運命なのですね……」ボソッ

神通「探照灯照射!!」ピカッ

162:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:12:49.31 ID:hp67E+DZO


神通「全主砲主砲照準合わせ。一番砲塔砲発射」ズドン!

バシャーン

神通「近。第二主砲発射」ズドン!

ズドーン!

イ級「!!?」

神通「敵駆逐艦に着弾確認」

イ級「……」ズドン!

ホ級「……」ズドン!

ホ級「……」ズドン!

ホ級「……」ズドン! バシュッ

ズドーン!

神通「うっ……第二缶室に被弾。しかし、まだ動けます」ズドン! ズドン!

ズドーン!

ホ級「!!?」

神通「敵軽巡に命中。魚雷全門発射」バシュッ

神通「自発装填、魚雷発射準備……白線……雷跡……!?」

ズドーン!!

163:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:14:00.76 ID:hp67E+DZO


神通「ぬ……ぬかりました……浸水発生、浮力低下……機関停止」

神通「やはり、同じ運命を……辿るのですか……」

ホ級「……」ズドン! ズドン! バシュッ

ズドーン!

神通「くっ……あと少し……あと少し粘ればあの子達が……」ズドン! ズドン!

ズドーン!

ホ級「!!?」

神通「次!」

初風「神通さん! これより雷撃します!!もう探照灯を閉じて下さい!!」

神通「此処までですね……みなさん……あとは、頼みましたよ……」

神通(佐藤大佐……また、私もそちらに参ります…………逢えると良……)

ズドーン!!

164:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:14:38.26 ID:hp67E+DZO


初風「全艦取り舵いっぱい! 深度調整! 93式酸素魚雷発射!!」バシュッ

雪風「発射!!」バシュッ

天津風「行くわよ!」バシュッ

浜風「雷撃開始!」バシュッ

三日月「当たって!」バシュッ

ズドーン!!

浜風「敵駆逐艦に命中!」

初風「自発装填の為に一度北方に逃れる! 自発装填装置がない三日月は退却して!」

三日月「分かりました。では、私は神通さんの護衛に向かいます」

初風「よろしく。さっきから神通さんと連絡が取れないから、何か分かったら教えて」

三日月「お任せ下さい」

初風「みんな、あの神通さんが沈む事は無いから安心して。それよりも、あいつらを全艦叩きのめすわよ」

雪風「はい!」

天津風「そうね」

浜風「では、行きましょうか」

初風「全艦反転! もう一発、この酸素魚雷をお見舞いしてやるわよ! 突撃開始!!」

165:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:15:23.70 ID:hp67E+DZO


浜風「敵艦隊発見。こちらにはまだ気付いていない模様」

初風「なら好都合。ギリギリまで肉薄してやる」

浜風「それは危険では……」

初風「神通さん仕込みの逆落とし戦法をやる。ただ、気付かれるまでは探照灯は使わない」

天津風「いいわね、それ」

初風「流石私の妹。分かってるわね」

天津風「ええ、当たり前よ」

初風「両舷全速! 私の指示があるまでは絶対に舵を切るな!」

ズドン! ズドン!

天津風「神通さんの援護射撃よ! 敵の注意が向こうに逸れたわ!」

初風「やっぱり神通さんは最高ね!」

ホ級「!!?」ズドン! ズドン!

雪風「敵軽巡、こちらに気付きました!」

バッシャーン!

雪風「痛っ!」

初風「雪風!?」

雪風「大丈夫です。ただの至近弾ですから!」

初風「なら、速度落とさずに続いて! 行くわよ、探照灯照射!!」ピカッ

初風「目は潰した! 弾幕張って! 主砲射撃開始!!」ズドン! ズドン!

浜風「このままだとぶつかりますよ!」

初風「こんなもんじゃない! もっと接近する!!」

浜風「ぶつかる!」

ホ級「!!?」サッ

初風「今! 面舵いっぱい! 全艦酸素魚雷1番発射!!」バシュッ

ズドーン!

166:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:16:13.02 ID:hp67E+DZO


天津風「敵軽巡大破! 艦首が無くなってるわ!」

初風「追い打ちは不要。別の敵を食う! 魚雷一斉射!!」バシュッ

天津風「当てるわ!!」バシュッ

ズドーン! ズドーン! ズドーン!

天津風「水柱を3つ確認!」

雪風「3体撃沈しました!」

初風「分かった。みんな離脱するわよ! 針路そのまま、神通さんの元へ戻る」

浜風「了解です」

初風「どう、浜風? 16駆逐はどうだった?」

浜風「みんな命知らずです」

初風「それ、二水戦では褒め言葉なんだけど?」

浜風「ええ。誉めてます。私達17駆逐もそれくらい出来るようになりたいですね」

初風「なんなら雪風を貸し出そうか?」

浜風「では、お借りしま……」

雪風「嫌です! もう離れ離れは嫌です!」

初風「雪風!?」

雪風「あっ! い、いえ、何でも無いです……」

浜風「雪風が嫌がっているので、遠慮しておきます」

初風「そうね。そうしてくれると助かるわ」

雪風「ごめんなさい……」

浜風「いえ、その反応は当たり前のものです。何せ、時津風を喪った直後なのですから……」

雪風「はい……」

浜風「もう、誰も沈まなければいいですね?」

雪風「はい……」

三日月「みなさん! 大変です!!」

167:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:17:08.79 ID:hp67E+DZO


初風「どうしたの!? 何かあったの!?」

三日月「神通さんが!」

初風「神通さんが? 今も援護射撃をしてくれているじゃない」

三日月「そうなんですけれど、そうじゃないんです!!」

初風「三日月、貴女一度落ち着きなさい」

三日月「神通さんが……神通さんが……」

三日月「亡くなっています!!」

初風「なっ!!?」

天津風「でも、今砲撃をしているじゃない!」

三日月「そうなんですが、もう脈が無いんです! 何を話しても反応が無いんです! 私には訳がわかりません!」

初風「みんな急いで! 神通さんのところまで急行するわよ!」

浜風「了解!」

……………………。

168:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:19:37.26 ID:hp67E+DZO


ズドン! ズドン!

初風「神通さん!!」

三日月「初風!!」

初風「ちょっとそこをどいて!!」

初風「神通さん! 聞こえますか? 神通さん!!」

神通「 」ズドン! ズドン!

初風「神通さん! もう作戦は終わりました! 神通さんのお陰で雷撃に成功しました!! もう、戦闘は終わったんですよ!!」

神通「 」ズドン! ズドン!

初風「もう戦闘は終わったんですよ、神通さん!! 戦いは終わりました!!」

神通「 」

天津風「砲撃が止まった……?」

神通「 」

初風「神通さん! 浸水してますよ!?」

浜風「轟沈……」

初風「神通さん! お願いです! 目を覚まして下さい!! 沈んじゃいますよ!! このままじゃ沈んじゃいます!! お願いですから目を覚まして下さい!!」

神通「 」

初風「まだ……まだ神通さんに教えて貰っていないことが沢山あります! 神通さんに教えて貰いたいことが沢山あります!! 感謝の言葉だって伝え切れていないです!! 嫌です!! こんなところで沈むなんて嫌です!! 神通さん!!」

天津風「神通さん……」ポロポロ

雪風「また…………ですか……」

初風「嫌だ……死なないで…………神通さんが沈むなんて嫌……!!」

────ポチャン────

初風「うわぁぁぁあああああああああ!!」

………………………………。

169:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/07(火) 22:20:40.98 ID:hp67E+DZO


皐月「こちら護衛部隊の皐月。輸送艦全てコロンバンガラ島に接舷、積荷の積み下ろし成功したよ」

初風「そう……」

皐月「今からラバウルに戻るね」

初風「了解……」

皐月「じゃ、また後でね」ブツッ

初風「……一体…………この作戦に……」

初風「………………何の意味があったのだろう………」

………………………………。

176:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/08(水) 20:57:58.43 ID:88f/C3+PO


天津風「ブーゲンビル島通過。あと少しでラバウルね」

浜風「そうですね」

天津風「ねえ、初風……」

初風「…………」

浜風「さっきから反応しません」

天津風「そうね……」

浜風「やはり……かなりショックだったのですね」

天津風「私達も凄く辛いわ……だけど、初風は特に辛いと思うの」

浜風「私はあまり姉さん達とはあまり一緒に居なかったので詳しいことは分かりませんが、それでも初風姉さんが神通さんを慕っていたのはすぐに分かりました……大切な人を喪うのは辛いですよね……」

天津風「17駆逐はみんな揃っているじゃない。……大切にしてあげてね。喪った後では取り返しがつかないから」

浜風「はい。ですが、私は17駆逐から犠牲を出すつもりはありません」

天津風「そうね。浜風はその気持ちを忘れないでね」

浜風「はい」

ドーン

177:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/08(水) 20:59:08.76 ID:88f/C3+PO


天津風「爆発音!? どうして後方から!?」

浜風「距離は少し遠いですね」

天津風「初風!!」

初風「……何?」

天津風「何って……今の聞こえなかったの!?」

初風「ごめん……聞いてなかった……」

天津風「初風! 神通さんが亡くなって辛いのは私もよく分かるわ! だけど戦闘中にまで引きずるのは駄目!」

初風「…………」

天津風「…………初風。私に旗艦の権限を移して」

初風「……どうぞ…………」

天津風「雪風、逆探で敵を探って! 三日月と浜風は……」

卯月「こちら護衛部隊だぴょん!! 聞こえるぴょん!? 繰り返すぴょん!! こちら護衛部隊だぴょん!! 警戒部隊は聞こえてるぴょん!?」

天津風「聞こえるわよ! 何かあったの!?」

卯月「繋がった……繋がったぴょん……うえぇぇぇん!!」

天津風「落ち着いて卯月! 一体何があったの!?」

皐月「僕が変わる!」

天津風「皐月、何があったの!? 今の爆発音は何!?」

皐月「今爆撃を受けたんだ!! その爆撃で望月が……」

天津風「望月が何!?」

皐月「……沈んだ」

178:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/08(水) 20:59:46.16 ID:88f/C3+PO


天津風「嘘!?」

皐月「文月と卯月が取り乱してる! それに航空機に爆撃されたってことは……」

雪風「天津風! 島の方から何か出てきてます!」

天津風「島影に隠れていたの!? 皐月! 敵艦隊がそっちに向かってるわ!」

皐月「僕たちには対処しきれないよ!」

天津風「私達が敵を引き寄せるわ! その間に退避をして!」

皐月「でも、それじゃあ天津風達が!」

天津風「輸送艦の護衛が最優先だもの。私達はそれに従うだけよ」

皐月「分かった。頼んだよ天津風」

天津風「ええ」

皐月「絶対に……絶対にみんなラバウルで会おうね」

天津風「頑張るわ」

天津風「みんな! これから反転して護衛部隊の救助に向かうわよ!」

浜風「姉さん、その前にラバウルに援軍依頼をしてはどうでしょうか?」

天津風「そうね。浜風、電文頼んでいい?」

浜風「はい。お待ち下さい──終わりました」

天津風「じゃあ、助けに行くわよ! 全艦両舷全速!!」

………………………………。

179:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/08(水) 21:00:13.62 ID:88f/C3+PO


羽黒「コロンバンガラ島攻略に出ていた艦隊から援軍の要請の電文が入りました!」

妙高「どうしたのですか?」

羽黒「今ブーゲンビル島沖で護衛部隊が敵航空機による爆撃を受け、望月ちゃんが轟沈。さらに敵艦隊が追撃にかかっているみたいです!」

妙高「警戒部隊の方は何をしているんです!?」

羽黒「今護衛部隊の救助に向かっているみたいです!」

妙高「神通は沈んで、今は駆逐艦の子達のみでしたね?」

羽黒「はい!」

妙高「分かりました。今すぐ援軍に向かいましょう。今出撃可能な艦を集めて下さい」

羽黒「すぐに集めて来ます!」タタッ

妙高(あの時とは状況が異なります……大丈夫な筈です)

……………………。

180:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/08(水) 21:00:59.08 ID:88f/C3+PO


長良「お待たせ!」

川内「妙高、話は聞いたよ! 駆逐の子達がヤバいって!?」

妙高「そうです! 今すぐ援軍に向かわないと間に合わない可能性がどんどん上がっていきます!」

川内「だろうね…… ほら、さっさと行くよ!」

妙高「ええ! 全艦今すぐ出撃して下さい!」

羽黒「妙高姉さん! 装備は大丈夫ですか?」

妙高「大丈夫です。皆さんも大丈夫ですか?不備があれば直ぐに整えて下さい!」

長良「私は大丈夫!」

川内「大丈夫だから! そんなことよりもこの時間が勿体無い!! 私は先に行くよ!!」

妙高「全艦出撃して下さい!」

羽黒「はい!!」

長良「うん!!」

………………………………。

185:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:18:18.63 ID:yB6mZpDaO


皐月「航空隊の追撃は振り切った!」

文月「うえぇぇぇん!! もちづきちゃん……」

卯月「う〜ちゃんが悪いんだぴょん……う〜ちゃんがちゃんとちゃんとしてれば望月は…………うぅ……うぐっ」

皐月「泣くのは後だよ! それよりも後ろから来る艦隊をどうにかしないと!」

文月「でも、どうすればいいの……?」

皐月「とりあえずSOSを出そう! 確か近辺の海域に他の艦隊が居たはずだから!」

卯月「そんなことしたら敵にもう〜ちゃん達の場所がバレるかもしれないぴょん」

皐月「このままでもやられちゃうよ! それなら、少しでも生き残ることの出来る可能性がある方を選びたいよ」

卯月「…………分かったぴょん」

皐月「SOSを出すよ! 僕たちはブーゲンビル島を島沿いに迂回して、島々の沿岸に沿ってラバウルを目指す!」

文月「わかったよ!」

卯月「了解ぴょん」

………………………………。

186:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:19:01.32 ID:yB6mZpDaO


天津風「敵艦隊捕捉したわ!! 全艦砲撃準備!」

三日月「陽炎型の皆さんは魚雷の残弾はどうなってますか?」

天津風「全員撃ち尽くしてるわ。三日月は?」

三日月「私はあと6発、一斉射分残しています」

天津風「分かったわ。大事に使ってね」

三日月「はい」

天津風「今回は敵艦隊の注意を引くのが目的よ。深追いはする必要は無いわ」

浜風「分かりました」

天津風「浜風、少し貴女に指揮を任したいのだけれど、大丈夫?」

浜風「はい」

天津風「じゃあ、頼むわね」

浜風「ええ」

天津風「隊を二つに分けるわ。合図と共に浜風と雪風、初風は私達より先行、敵の目を引いて。私と三日月で敵を挟んで逆側から魚雷を撃つわ。三日月は2本魚雷を撃って貰うわね」

三日月「分かりました」

天津風「左先頭から順に浜風、雪風、初風。そして右側が私、三日月の並びで複縦陣を形成。合図と共に2隊に分離。いいわね?」

浜風「了解」

雪風「はい!」

三日月「分かりました」

初風「……ええ」

天津風「行くわよ! 突撃開始、並びに全艦砲撃開始!!」ズドン! ズドン!

187:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:19:43.65 ID:yB6mZpDaO


三日月「敵艦隊反転! こちらに向かってきます!」

天津風「いいわ! じゃあ、そっちは任せたわよ、浜風!」

浜風「御武運を」

天津風「浜風達もね──艦隊分離して!!」

浜風「取り舵!」

天津風「面舵!」

…………。

ホ級「.……」ズドン! ズドン!

バッシャーン!

浜風「っ!? だんだん狙いが正確になってますね」

雪風「でも、雪風達に攻撃を集中させればその分三日月は確実に雷撃が出来ます」

浜風「ええ。なのでもう少し頑張って耐えましょう」

雪風「はい」

188:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:20:19.36 ID:yB6mZpDaO


天津風「三日月、雷撃準備は大丈夫?」

三日月「もちろん。 いつでも行けます」

天津風「ここらは島の近くで浅いから魚雷の深度調整気を付けて」

三日月「ちゃんと調整済みです!」

天津風「ならもう少し接近し……えっ?」ガガガ

三日月「天津か……っ!?」ガガガ

天津風「暗礁に乗り上げた!? こんな時にどうして!?」

三日月「早く離礁しないと!!」

天津風「浜風!」

浜風「どうしましたか? 今はあまり喋っている余裕が……」

天津風「今すぐ離脱して! 私と三日月は暗礁に乗り上げちゃったの!」

浜風「離礁出来ないのですか?」

天津風「今試みてるわ! ただ、絶対に雷撃は出来ないから、この戦法はもう取れない! だから距離をとって!」

浜風「今すぐ助けに……」

天津風「ダメよ! 今すぐ逃げて体勢を整えて!」

浜風「分かりました……」

天津風「もし離礁出来たら合流するわ」

浜風「絶対に戻って来て下さい」

天津風「ええ。努力するわ」

浜風「では、私達は一旦この海域から離脱します」

天津風「折角敵を引き寄せて貰ったのにごめんね」

浜風「謝ってくれるのでしたら、直接顔を見てお願いします」

天津風「うん……じゃあ、通信切るわね」

浜風「はい」

………………。

189:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:21:00.97 ID:yB6mZpDaO


天津風「はあ……はあ……三日月、どう? そっちは抜けれそう?」

三日月「駄目……全く動きません」

天津風「このままだと2人揃って……くぅぅうう!!」ガッ! ガガガ

天津風「抜けれた!!? 三日月、離礁に成功したわ! 」

三日月「良かった……何処か破損は?」

天津風「左舷の推進軸を破損しただけ。まだ動ける」

三日月「動けるなら何とかなる……わね」

天津風「今、三日月も助けるわね!」

三日月「それは駄目です」

天津風「駄目? 何を言っているの!?」

三日月「天津風は近寄ってはいけません」

天津風「どうして!? 訳が分からないわ!」

三日月「私に近寄ればまた座礁する可能性があります。推進軸を破損した天津風が次も離礁出来る可能性は低いです」

天津風「私に三日月を見捨てろって言うの!?」

三日月「はい」

天津風「そんなの出来ないわよ!」

三日月「出来ます。それに、私はもう離礁は不可能ですから、私に費やす時間があるのならば、少しでも遠くまで逃げて下さい」

190:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:21:32.45 ID:yB6mZpDaO


天津風「ふ、不可能なんて言わないで!」

三日月「左舷の推進軸が曲がり使用不可。そして離礁作業中に右舷の推進軸も脱落しました。更に浸水も始まっています。天津風も推進力が大きく落ちているので曳航も出来ません。もう、助かる見込みはありません」

天津風「そんな……嫌よ! 一緒に帰る!」

三日月「天津風……貴女は優しすぎる…………だけど、今はその優しさが仇になっています。今だけは非情になって下さい。それに、もしも私の所為で天津風までもが沈む事になったら私は悔やんでも悔やみきれません。だから……だから天津風はラバウルへ逃げて下さい」

天津風「…………嫌……」

三日月「そうですか……行かないのなら……」ジャキッ

三日月「魚雷で貴女を処分します。敵に殺させるよりは私が手を下しましょう。嫌なら、他の貴女の姉妹が大切ならば今すぐこの場から去って下さい」

天津風「三日月……」

三日月「二番、三番魚雷発射」バシュッ

シュー

天津風「!?」

三日月「次は当てます。さあ、行って下さい」

天津風「戦闘が終わったら救援を呼ぶから……それまで頑張って……」

三日月「ありがとうございます、天津風」

天津風「ありがとうなんて……私……何もしていないのに……」

三日月「十分してくれました。さあ、早く」

天津風「…………右舷前進半速」

三日月「さよなら、天津風……負けないでね」

天津風「うっ…………うぅ……」ポロポロ

………………………………。

191:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:22:02.74 ID:yB6mZpDaO


天津風「ごめんなさい……! 三日月ごめんなさい……」ポロポロ

時雨「川内さん、誰かいるよ!!」

川内「味方?」

時雨「いや、僕にはまだこの距離じゃ……」

天津風「せ……んだいさん?」

川内「時雨。あんたはすぐに砲撃出来るように準備して」

時雨「うん……」

川内「そこの誰か、一旦止まりな。変な動きをしちゃダメだからね。もし少しでも怪しい動きをしたら穴だらけになるから覚悟してよ」

天津風「川内さん! 天津風です! 一体どうしてここに!?」

川内「天津風か! 時雨、兵装は下ろしていいよ!」

時雨「ふう……」

川内「浜風からの電文を聞いてこの海域に急いだら丁度、時雨や阿賀野達とバッタリ出くわして合流したんだよね〜 ちなみに妙高と羽黒はもう少し後方にいるね」

時雨「僕達は別任務で近くまで来ていたんだけれども、もう少し東の方から出ていたSOSをキャッチたんだ」

川内「ま、そういうこと。それで天津風、あんたどうしたの? 一人で行動して。それに速度も殆ど出ていないみたいじゃん」

天津風「私と三日月はさっきまで座礁してたんです! 私は何とか抜け出せたんですが、三日月が両舷の推進軸が使用不可になってしまって、そして私も左舷の推進軸が曲がって曳航出来なかったんです! でも、川内さん達なら助けられます!!」

川内「じゃあ、三日月が座礁している座標を教えて。長良は天津風を曳航してラバウルに戻る。そして五月雨と白露は三日月の救援に向い、私と阿賀野、長波、時雨で敵艦隊を叩く。異論はある?」

白露「ないよ〜! 私がいっちば〜ん最初に三日月を見つけるよ〜!!」

川内「阿賀野はと長良は?」

阿賀野「ないよ〜」

長良「私も無い!」

川内「それじゃ、作戦開始するよ! ん?」

ヒューン ズドーン!!

192:ずいず ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:22:30.28 ID:yB6mZpDaO


川内「んあー!!?」

阿賀野「川内!? 爆撃!!?」

長良「まだ夜間なのに!!?」

時雨「川内さん!!」

ズドーン

長波「今度は何の音だ!?」

白露「ねえ、あれ!!」

長波「おいおい、火の手が上がってるぞ!?」

天津風「う……そ…………」

五月雨「天津風さん、あれが何か分かるんですか!?」

天津風「あそこ……三日月がいるところ……」

長良「天津風! それ本当!?」

天津風「私……戻らなきゃ……」フラフラ

193:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:22:59.49 ID:yB6mZpDaO


川内「駄目よ!」

阿賀野「川内! 大丈夫なの!?」

川内「こんなのかすり傷よ! それより天津風、あんたは今すぐ長良と一緒にラバウルに戻りなさい。長良、縛り付けてもいいから曳航急いで!」

長良「分かった! ほら、天津風行くよ!!」

天津風「嫌です!! 嫌です!! 三日月!! 三日月が待ってるの!!」ジタバタ

川内「行って!」

長良「うん!」

天津風「長良さん離して!! 三日月!! 三日月〜!!!!」

川内「よし……次は」

時雨「川内さん! 何かが接近してるよ!」

川内「敵!?」

浜風「そこに居るのは誰ですか!?」

川内「この声……」

浜風「反応がない。どうやら味方が爆撃された訳では無かったみたいですね。雪風、初風、砲撃準備を! 」

川内「浜風、川内よ!」

浜風「川内さんですか? 救援に来て頂けたのですね!?」

川内「そうだね。三人とも無事?」

浜風「雪風がコロンバンガラで小破して、全弾魚雷を撃ち尽くしてますが、何とか健在です」

川内「そりゃ良かった。因みに天津風がさっきまでいたんだけど」

浜風「天津風は無事なんですか!?」

川内「たった今長良が無理やりラバウルに連れて行った」

浜風「三日月は?」

川内「多分……あの火の手が上がっている奴だよ」

浜風「………………そうですか……」

川内「とりあえず今から救援に行こうと思っているんだけれど」

浜風「なら、私達も!」

ズドーン! バッシャーン

194:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:23:30.61 ID:yB6mZpDaO


雪風「敵襲です!」

浜風「後を付けられた!?」

川内「いや、敵の観測機だ! クソッ!! 三日月を救出する場合じゃなくなった!! 阿賀野! 浜風と初風、雪風、長波を率いて指揮を執って!」

阿賀野「えっ!? 阿賀野が!?」

川内「グダグダしてる時間は無いよ! ほら、早く!」

阿賀野「う、うん! 四人は阿賀野について来て! 」

浜風「はい!」

川内「白露、時雨、五月雨は私の指揮下に! 」

時雨「分かったよ!」

川内「妙高聞こえる!?」

妙高「聞こえますよ」

川内「敵艦隊が接近中! 照明弾を撃ちながら戦闘に合流して!」

妙高「分かりました。羽黒、照明弾を装填して下さい。あと偵察機を射出しましょう」

羽黒「はい! 妙高姉さん!」

川内「阿賀野! 私達が前に出る! そっちは回避専念で合間合間に援護射撃をよろしく!」

阿賀野「わかったわ!!」

195:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:24:50.04 ID:yB6mZpDaO


川内「110度の方向9000mに敵艦隊発見!! 妙高、照明弾頼んだよ!」

妙高「照明弾発射!」ズドーン!

羽黒「は、発射!!」ズドーン!

川内「これで見えやすくなった!! 全艦、目標敵軽巡! てぇー!!」ズドン! ズドン!

ホ級「……」ズドン! ズドン!

ロ級「……」ズドン! ズドン!

ズドーン!

川内「うぁっ!! このぉ! まだまだ!!」ズドン! ズドン!

ホ級「……」ズドン! ズドン!

ズドーン!

川内「あぁ!! ふ、ざけるな!!」バシュッ

時雨「川内さん!! 危険です! 下がって下さい!!」

川内「時雨、近い!!」

時雨「えっ? あっ!? 」ザッ

ホ級「……」ズドン!

ズドーン!

川内「くっ!! あ……」

ロ級「……」ズドン!

バッシャーン!

白露「危なっ!! えぇ!!?」ザッ

五月雨「白露!!? あぁ!!?」

ズドーン!!

時雨「白露!? 五月雨!?」

五月雨「うわあぁん、痛ぁい……!」

白露「きゃあっ! 痛いって!!」

ズドーン!!

ロ級「!!?」

川内「ど……どんなもんよ……」

時雨「川内さん! どんどんスピードが落ちてますよ!」

196:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:25:27.80 ID:yB6mZpDaO


川内「ごめん、時雨」

時雨「川内さん、まさか……」

川内「主機械が停止、舵故障、航行不能。艦隊行動は取れないね」

時雨「嘘……だよね?」

川内「これより旗艦は時雨に譲る。後は頼むよ。私はここから射撃を続けるからさ」

時雨「川内さん……またここで沈む積もりなのかい!? 」

川内「今度こそ繰り返さないと思ってたんだけどね……駄目だったわ」

時雨「でも……そんなの酷いじゃないか……」

川内「いや、そんなことはないね。今回は天津風を救う事が出来たしさ」

時雨「…………それでも……」

川内「時雨。記憶持ち同士だから教えてあげる」

時雨「…………何をだい?」

川内「確かに最期は大差ないかもしれない。だけど、私は今回艦娘として生きる事が出来て本当に良かった」

時雨「どうして……?」

川内「そりゃ、楽しかったからね。妹達と馬鹿やってみんなで騒いで。前には体験する事が出来なかった事を体験して、自分がやりたい様にやる事が出来た。それって凄く幸せな事なんだ」

時雨「うん……」

川内「時雨、悔いを残さない様に生きなよ。それが多分この『生』の意味だと思うから」

時雨「……うん…………」

川内「分かったなら行きな。それぞれにそれぞれの因果があるとしても、その因果がズレる事があるんだからさ。時雨も自分の所為で誰かを沈めたくはないでしょ?」

時雨「川内さん……最後に一つだけ」

川内「何?」

時雨「今までお勤めご苦労様でした! 貴女の意思は僕が受け継ぐから安心して逝って下さい!」ピシッ

川内「うん。ありがと」ピシッ

時雨「じゃあ、行くね」ザッ

川内「時雨ったら……最後に泣かせてくれちゃって……さて、あの子達を護る為にも最後の一仕事行くわよ!!」ズドン! ズドン!

川内「私はここよ!! 私と刺し違える覚悟がある奴は来なさい!」ズドン! ズドン!

………………………………。

197:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:26:03.93 ID:yB6mZpDaO


時雨「白露! 五月雨!! 撤退するよ!!」

白露「ぶつかった衝撃で速度が落ちた……」

五月雨「痛いです……」

時雨「スピードは出来る限りでいいから! 川内さんが護ってくれている内に撤退をするよ!」

五月雨「川内さん、どうしたんですか!?」

時雨「川内さんは……後で逢えるよ」

五月雨「良かった〜」

時雨「ほら、僕たちは撤退を命令されたんだ。行くよ、三人とも」

五月雨「はい!」

白露「私が一番艦なのに〜」

時雨「白露、今だけは我慢してくれないかい?」

白露「う〜ん……しょうがないな〜」

時雨「ありがとう。じゃあ、撤退を始めよう」

198:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:27:17.57 ID:yB6mZpDaO


羽黒「時雨ちゃん達が撤退を始めたみたいです」

妙高「やっぱり……彼女は…………」

羽黒「はい……」

妙高「私達も撤退しましょう。先に阿賀野達を逃がして最後に私達が撤退で良いですか?」

羽黒「は、はい!!」

妙高「阿賀野、聞こえますか?」

阿賀野「はい〜! 聞こえま〜す!」

妙高「阿賀野達もこれより撤退して下さい。輸送艦隊が逃げ切る時間は稼げた筈です」

阿賀野「分かりました〜 みんな、撤退するよ〜!! 取り舵一杯〜!」

妙高「今回は衝突しないで済みましたね」

羽黒「妙高姉さん! 魚雷が接近してます!!」

妙高「面舵は間に合わない! 取り舵!!」

羽黒「取り舵!!」

阿賀野「うわぁぁあ〜!! 危な〜い!!」ザッ

浜風「面舵一杯!!」ザッ

雪風「面舵です!」ザッ

初風「…………」フラフラ

雪風「初風!!」

妙高「初風!!?」

初風「……あっ!?」

ズドーン!!

199:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:27:57.20 ID:yB6mZpDaO


雪風「初風!?」

初風「あ……あぁ……」

妙高「また…………またやって……!!」

羽黒「敵駆逐艦が追撃に来てます!!」

雪風「初風!! 動けますか!?」

初風「雪風……駄目…………動けない……」

雪風「手を出して下さい!!」

初風「手を……?」

雪風「雪風が曳航します!! しっかり握ってて下さい!!」ギュッ

雪風「曳航を始めます!! 」

初風「どうして……私なんかの為に……」

雪風「もう、姉妹を喪うのは嫌なんです!! あんな思いはもう沢山なんです!」ポロポロ

初風「神通さんの時は涙すら流さなかったのに……どうして私の時は泣いてるのよ……」

雪風「初風は雪風のことをいつも助けてくれました! いつも雪風の心を支えてくれました!! 初風は雪風の特別なんです!」

初風「あぁ……そっか……」

ハ級「……」ズドン! ズドン!

バッシャーン! バッシャーン!

初風「雪風……私を曳航してたら後ろの奴らに追いつかれる……」

雪風「大丈夫です!! 絶対に大丈夫ですから!」

初風「雪風……聞いて欲しい事があるの」

雪風「何ですか!?」

200:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:28:37.84 ID:yB6mZpDaO


初風「もう私が直接雪風を護る事は出来ない……もう一緒に日々を過ごす事は出来ない……」

雪風「な、何を言っているんですか!?」

初風「だけど、これからは別の所から雪風を見守っているから、安心して……ね」

雪風「初風……意味が分かりません……どうしてそんな事を……」

初風「雪風……ありがとね……」スッ

雪風「初風!!?」

初風「頑張れ……雪風」

初風(ごめんなさい神通さん、貴女の元にはまだ行けないみたいです……)

ハ級「……」ズドン!

ズドーン!!

雪風「初風ぇぇぇぇ!!!!」

……。

201:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:30:19.12 ID:yB6mZpDaO


雪風「…………はは」

雪風「ははははははは」

雪風「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは」

雪風「雪風は……雪風はまた大切な人を殺した!!!! あははは!! 雪風が!! 雪風が殺した!!」

雪風「雪風は死神なんです!! 雪風は死神だったんです!! 輸送艦の人達も比叡さんも霧島さんも夕立も暁も綾波も朝潮も荒潮も白雪も神通さんも川内さんも時津風も初風も
『雪風』が殺したんです!!」

雪風「許せない!! 私は『雪風』が許せない!!」

雪風「絶対にこの死神を私は許さない!!」

雪風「でも……」ギロッ

ハ級「……」

雪風「お前だけは殺してやる!!」

雪風「うあぁぁぁぁぁぁ!!」ズドン! ズドン! ズドン!

ズドーン! ズドーン! ズドーン!

ハ級「!!?」

雪風「絶対に殺す!! お前だけは絶対に殺す!!」ズドン!

ズドーン!!

ハ級「」

雪風「殺す!! 肉片一つ残してたまるか!! うわぁぁあ!!」ズドン! ズドン!

ズドーン! ズドーン!

ハ級「」

雪風「うわぁぁぁぁぁ!! うわぁぁあ!!」ズドン! ズドン! ズドン!

……………………

…………

……

202:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:31:19.44 ID:yB6mZpDaO


雪風「はあ……はあ……はあ……はあ……」

チャプッ

雪風「…………これ、は……?」スッ

雪風「……初風の手袋…………」

雪風「う……うぅ…………」

雪風「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 初風!! 初風!! うわぁぁあ!!」

雪風「初風ぇぇ!!!!」

………………………………。

203:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/10(金) 22:31:54.01 ID:yB6mZpDaO


ラバウルに撤退後、天津風は修理の為にシンガポールに回航されました

これで第十六駆逐隊は雪風独りになり解隊

雪風は第十七駆逐隊に移ることになりました

そして……ラバウルを最後に、天津風と出逢うことは二度とありませんでした

時津風、天津風、初風……

私は仲間を、大切な家族を全て喪った

211:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/11(土) 22:10:53.24 ID:gGQlE95PO


横須賀鎮守府

コンコン

谷風「おや? そこにいるのは誰だい?」

雪風「雪風です」

谷風「おお、雪風か! 入りな!」

雪風「失礼します」

ガチャッ パタン

浜風「もう既に話してるけど、雪風がこの第17駆逐艦に入る事になりました」

雪風「……よろしくお願いします」

浦風「なぁ、雪風」

雪風「はい、なんでしょうか?」

浦風「ウチらは話に聞いただけじゃが、ぶち辛かったよん? お疲れ様なぁ」

雪風「いえ、そんなことはありませんよ」

浦風「無理せんでええんよ?」

雪風「私は本当に大丈夫です」

浜風(え?)

雪風「浜風、どうしましたか?」

浜風「あ、いえ……なんでも無いです」

雪風「そうですか」

212:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/11(土) 22:13:08.06 ID:gGQlE95PO


谷風「ここは一つ、雪風の歓迎会ってことで間宮で卓を囲もうじゃねぇか!」

浦風「ウチは良いと思うよ」

浜風「私も良いと思います。磯風は?」

磯風「勿論賛成だ」

雪風「すみません、私はこの後用事があるんです。お誘いは嬉しいのですが……」

谷風「ちぇ! 分かった分かった! ほら、早く行くところに行っちまえばいいさ! かぁーっ! 付き合いが悪いねぇ!!」

浜風「谷風!」

雪風「はい……そうします」

ガチャッ パタン

谷風「なんだいなんだい! あいつ谷風達の誘いを蹴りやがった! 前に会った時はあんな奴じゃ無かったのにさ!!」

浜風「谷風そんなこと……」

谷風「それに、あいつ谷風達と仲良くするつもりねぇや! 谷風さんはあんなの背中合わせて戦うなんて無理無理!」

磯風「谷風、それは違うぞ」

谷風「あん? 何が違うんだい?」

浦風「ウチも磯風と同意見じゃな」

谷風「へぇ、浦風もか。なら、理由を教えてくれねぇか?」

213:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/11(土) 22:13:54.64 ID:gGQlE95PO


磯風「私が説明しよう」

谷風「おう、頼むよ」

磯風「恐らくだが、雪風はあれが素だ」

谷風「…………は?」

磯風「そして雪風は仲良く出来ない。どうだ、分かったか?」

谷風「いや……谷風さんにはさっぱりだよ……」

浦風「磯風……やっぱしアンタは抜けとるのぉ…………」

浜風「…………はぁ……」

磯風「そんなことある訳が無いだろう」

谷風「浦風、説明してよ」

浦風「ウチにまかしとき」

磯風「そうか……無視か……」

214:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/11(土) 22:15:12.27 ID:gGQlE95PO


浦風「雪風はなぁ、時津風と初風を亡くして、天津風とも離れ離れになった雪風は、誰かと仲ようなるんがいびせぇんじゃゆぅて思うよ。じゃけぇ相手を突っぱねるんじゃないんかのぉ?」

谷風「い、いびせぇんじゃゆぅて……? 谷風さんに分かる様に話してくれねぇかい?」

浦風「うーん……怖い、じゃね」

谷風「あぁ……まあ、何となく分かったよ」

浦風「それでな、磯風が言ぅとった、あれが雪風の性格だってことじゃが、昔のあの明るい雪風は自分を護る為に仮面を被っとった雪風で、ほんまの雪風は今の雪風なんじゃないかっちゅうことじゃの」

谷風「えっと……つまりは、今の雪風が本来の雪風で、昔は無理をしていたと?」

浦風「そうじゃね」

谷風「かぁーっ! 失敗した! 谷風は雪風があんな態度を取るのは17駆逐が嫌いだからだと思っちまった!! 逆にあんなこと言った谷風さんは悪人じゃねぇか!!」

浦風「ふふふ、そうじゃねぇ」

谷風「ちょっくら雪風に謝ってくるよ。そして雪風に谷風さんの胸を貸してやろうじゃねえか」

磯風「貸す胸が見当たらないが?」

谷風「磯風、ちょっと表出な」

磯風「何故だ?」

谷風「いいねぇ、谷風さん久しぶりにキレちまったよ。その邪魔なバルジをもぎ取ってやろうじゃねえかい」

磯風「すまないが、これは後付けでは無くて自前なのだ。分けたくても分けてやれないな」

浦風「磯風、ちぃと黙ろうか?」

浜風「谷風、落ち着いて! それにこんなの戦闘の時は邪魔だから無い方が……」

浦風「浜風!!」

谷風「なんでぇ! なんでぇ! どうせ谷風さんは名前負けした貧相な胸だよ! だから磯風に谷無風とか言われるんだ!」

磯風「いや、それは言ったことがないぞ……」

谷風「みんなして馬鹿にしやがって!! ちっくしょーめー!!」ダッダッダ

ガチャン バタン!

浦風「磯風、浜風……」

磯風「何だ?」

浜風「…………」

浦風「あんたら二人とも説教じゃ」ニコッ

………………………………。

215:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/11(土) 22:16:10.39 ID:gGQlE95PO


瑞鶴「提督さん、これ……」ペラッ

提督「…………書いてある通りだ」

瑞鶴「提督さん、ここに書いてある次の作戦ってまた?」

提督「ああ……大本営からだ」

瑞鶴「どうしてあいつら、こんな無茶な作戦を立てるの!?」

提督「さあ、な……私も聞きたいぐらいだ……」

瑞鶴「でも、他の子には提督が考案した作戦って伝えるんでしょ?」

提督「当たり前だ」

瑞鶴「ほんと…………まあいいわ。どうなろうと私は最後まで貴方の味方だから」

提督「ああ、ありがとう瑞鶴」

瑞鶴「うん……」

瑞鶴「でも、なんか聞いた事がある気がするんだよな〜」

提督「………………そうか?」

瑞鶴「マリアナ諸島……気のせいかな?」

提督「そうだ……気のせいだよ」

………………………………。

222:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/14(火) 07:44:58.97 ID:V8dhugf5O


墓地

雪風「皆さん、お待たせしました」

雪風「これ、皆さんが好きな飲み物です。好きな時に飲んで下さいね」コトッ

雪風「私はもう大丈夫です。もう気持ちの整理はつきました」

雪風「初風はどうですか? 時津風や神通さんとは逢えましたか?」

雪風「いえ、逢っていますよね。そうしなければ報われませんから」

雪風「今日雪風は初風達と一つの約束をすることにしました」

雪風「聞いてくれていますよね?」

雪風「私は不沈艦みたいです。初風達の後を追いたくても追えません」

雪風「それに私は皆さんを殺した元凶です。この責任を逃れることは出来ません。この罪は何時までも私に罰を与えて続けてくれないといけません」

雪風「そこで私は一つの名案を思いつきました」

雪風「延々と私を蝕み続け罰を与えてくれる約束です」

雪風「それは……」

雪風「また廻り逢う時まで沈まない」

………………………………。

223:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/22(水) 21:40:45.23 ID:VyS4uiRTO


瑞鶴「提督さん、みんな集まったみたい」

提督「これで全てだな」

瑞鶴「うん……」

提督「随分と少なくなってしまったな……」

瑞鶴「うん……でもしょうがないよ……」

提督「全ては私の指揮能力が劣っていたからだ」

瑞鶴「そんなこと無いよ。私、提督さんのこと隣でずっと見てきたんだから」

提督「そうだな……今まで助かったよ」

瑞鶴「ううん、これからも頑張るから」

提督「ああ、頼むよ」

瑞鶴「提督さん、そろそろ始めよ?」

提督「そうしよう」

224:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/22(水) 21:41:32.44 ID:VyS4uiRTO


提督「全員聞いてくれ。ここに集まって貰った理由は大規模な作戦の発令をする為だ」

榛名「お姉様もしかして…………」

金剛「やはり……こうなってしまうのデスね……」

提督「先日マーシャル諸島が敵の手に落ちたのはみんなの知っての通りだ。そして、奴らはさらに進行の気配を見せている。そこで我々は空母機動部隊をもってしてマリアナに防衛線を張ることにした」

隼鷹「なあ、提督……まさか本気で言っているわけじゃないよね?」

提督「いいや、本気だ」

隼鷹「そしたら、飛」

摩耶「おいっ提督! ふっざけるなっ!!」

鳥海「摩耶姉さん、止めて下さい! それ以上は絶対に駄目です!」

摩耶「離せ鳥海! これ以上許せねぇ!」

鳥海「姉さん!!」

提督「摩耶、お前が言いたいことは私もよく分かっている。だが、それでも尚この命令を下している。従ってくれ」

摩耶「従えるわけねえだろ!! あたしはもう限界だ!!」

提督「摩耶っ!! 従え!!」

摩耶「提督、あんた達普通の人間があたし達に愛想を尽かされたらどうなるか分かっているだろ? 滅ぶんだぜ?」

提督「ほう、愛想を尽かすのか?」

摩耶「そうだ! お前みたいに艦娘を兵器としてしか考えていないような奴になんてついて行く事なんて出来ねえよ! お前なんてくたばっちまえ!」

225:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/22(水) 21:42:14.99 ID:VyS4uiRTO


バシン!

摩耶「瑞鶴……」

瑞鶴「摩耶……今すぐ提督さんに謝って」

摩耶「やなこった! こんなクソみてえな命令を下す奴になんか絶対に頭下げてたまるかよ!」

瑞鶴「今すぐ謝れ!!」

摩耶「嫌だって言ってんだろ!!」

瑞鶴「あんたが突然この作戦はクソだとか言っている意味は私には分からない。だけど、それを提督さんにぶつけるのは間違ってる!」

摩耶「何でだよ? この作戦を立案したのはあいつだろ!」

瑞鶴「そこが間違ってるのよ!!」

提督「瑞鶴、止めろ!」

瑞鶴「あの作戦は、提督さんが立案したんじゃない! 大本営からの指示なんだから!」

提督「瑞鶴!!」

摩耶「おい、どういう事だよ」

瑞鶴「提督さんは、たとえ大本営の命令でも、絶対に自分が考えた作戦だと言い続けてきたの!」

摩耶「そんなことをする訳が分からねえ。全部自分の手柄にする為か? いや、絶対にそうだ!」

瑞鶴「違う!! そんな小さなプライドの為に提督さんは行動しない!!」

摩耶「じゃあ何でか言ってみろよ!」

瑞鶴「あんたみたいな奴を受け止める為よ!」

摩耶「は?」

瑞鶴「あんたみたいな、『命令を下した張本人』を憎む艦娘の捌け口になる為に提督さんは絶対にこの事を匂わせなかった!! 例え嫌われても責任の在り処を示し続けてきた!!」

摩耶「嘘……だろ……」

瑞鶴「なのに……なのに、そんな優しい提督さんが こんなに言われるなんておかしいよ!! 提督さんが可哀想だよ……!」ポロポロ

摩耶「提督……この話、マジなのか?」

226:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/22(水) 21:44:03.23 ID:VyS4uiRTO


提督「…………」

摩耶「提督、答えろよ!」

提督「…………本当だ」

摩耶「じゃあ、あたしは……くそっ! 最低じゃねえか!!」

提督「いや、お前の主張は正しい。そしてその怒りをぶつける相手も私で合っている」

摩耶「提督、あたしは提督に暴言を吐いた。これは処罰の対象になる筈だ。今すぐ処分してくれ」

提督「…………分かった。処分を下そう」

摩耶「ああ」

提督「処分を言い渡す。重巡洋艦摩耶、お前は今回の作戦で、戦況をひっくり返す働きをせよ。これがお前への処分だ」

摩耶「おい、こんなの処分じゃねえよ!」

提督「処分を決めるのは私だ。それに、これ以上戦力を削るなどという愚を犯すわけにはいかない」

摩耶「提督は甘えよ」

提督「そうかもしれんな」

摩耶「……すまなかった。あたしはこの失態の分取り戻してみせるよ」

提督「期待してるぞ」

227:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/22(水) 21:47:32.66 ID:VyS4uiRTO


提督「話が中断してまったな……すまない。これより艦隊編成を発表する」

提督「第三艦隊旗艦大鳳。本隊・甲部隊所属艦、翔鶴 瑞鶴 妙高 羽黒 矢矧 朝雲 雪風 浦風 磯風 谷風 秋月」

提督「第三艦隊、本隊・乙部隊所属艦、飛鷹 隼鷹 龍鳳 長門 最上 満潮 浜風 野分 山雲 白露 時雨 五月雨 早霜」

提督「第二艦隊旗艦愛宕。前衛部隊所属艦、大和 武蔵 金剛 榛名 瑞鳳 千歳 千代田 高雄 摩耶 鳥海 鈴谷 熊野 利根 筑摩 長波 朝霜 島風」

提督「補給部隊旗艦名取、所属艦は、響 初霜 卯月だ」

提督「全艦隊、明日にここ横須賀より出港。そのままタウイタウイに向かってくれ。上陸後はそこで敵艦隊接近まで待機し、私からの命令を待て」

瑞鶴「はい!」

提督「では、幸運を祈る。 全艦出撃準備をせよ!!」

全員「はい!!」ビシッ

………………………………。

236:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/23(木) 19:42:24.30 ID:3CBhbjJyO


タウイタウイ

谷風「かーっ!! タウイタウイは暑すぎて谷風さん溶けちまいそうだよ!」パタパタ

浦風「そうじゃね。ちぃとこりゃぁ暑すぎるかものぉ」

谷風「暑い〜 溶けてアメーバになっちまいそうだ。な、雪風もそう思うだろ?」パタパタ

雪風「そうですね」

谷風「浜風さんや、谷風さんはアイスを食べたいよ」パタパタ

浜風「馬鹿言ってないでシャキッとしなさい。それに女が胸元を扇ぐのは良くないです」

谷風「ん? 何か問題があるのかい?」

浦風「確かに、あまりやらん方がええかもしれんのぉ。扇ぐと谷風の」

磯風「谷風の胸は小さいから中身が全部見えるな」

谷風「そうか、谷風さんの中身が……んあっ!?」

磯風「まあ、下着を着けたくない理由も私には分かる。実際私も全て下着は脱いでいる」

浦風「またっ! 磯風!!」

谷風「待った! 待った!! 谷風さん、ついこないだ同じネタでイジられたんだよ!! もうこれ以上は谷風さんのガラスのハートも崩壊しちまうよ!!」

磯風「まあ、谷風が胸元を扇ぐにはまだ早いのでは無いのだろうか?」

浜風「磯風! みんなそれを思っていても言わないでいたのに、どうして言ったのですか!?」

浦風「浜風も余計な事をええんさんな!」

谷風「なんでい! なんでい!! また谷風さんはこの貧相な胸のネタで虐められるんだ!! 浜風も磯風も浦風も大っ嫌いだ!! でっけえ胸なんて滅んじまえ!! ちくしょーめー!!」タッタッタッ

磯風「谷風、まだ話は終わっていないのだが」

浦風「馬鹿もん!! 今日っちゅう今日は許さんよ!! 浜風と磯風はそこに正座しんさい!!」

磯風「訳が分からないのだが、浦風」

浦風「つべこべゆわんとぉに正座をしんさい!! このアホが!」」

磯風「……納得できん」

………………………………。

241:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:02:32.26 ID:vonc0QE3O


瑞鶴「ねぇ、翔鶴姉」

翔鶴「どうしたの、瑞鶴?」

瑞鶴「そろそろさ、艦載機の発着艦訓練をしたいなって」

翔鶴「そうね。確かにこっちに来てからはそこまで出来ていないわね」

瑞鶴「でしょ? 今からやろうよ。大鳳や瑞鳳も誘ってさ」

翔鶴「ええ。じゃあ、瑞鶴は大鳳や瑞鳳を呼んできて……私は……あら?」

瑞鶴「サイレン? 敵襲!?」

谷風「てぇへんだ〜! てぇへんだ〜! 大量の潜水艦が接近中!!」

瑞鶴「潜水艦!? そうか……私達を封鎖するために……」

翔鶴「対潜部隊を出した方がいいかもしれないわね」

瑞鶴「うん! まずは指揮所に!」

翔鶴「急ぐわよ、瑞鶴」

…………。

242:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:03:02.49 ID:vonc0QE3O


ガチャ

瑞鶴「ごめん、お待たせ!」

長門「ああ」

瑞鶴「一体何事なの?」

長門「哨戒の為に外洋に出ていた17駆逐の第一小隊が敵潜水艦群を捕捉した。その時点で対潜装備はほぼ無い状態だった為一旦帰投させた」

瑞鶴「ありがと、よく分かったわ。このまま敵潜水艦を放っておくことは出来ない。すぐに迎撃部隊を出そう」

長門「私も同意見だ」

瑞鶴「提督さんから、緊急時の指揮権は私に委ねられてるから私が指揮を執るけどいいよね?」

長門「ああ。文句など無い」

翔鶴「もちろんよ、瑞鶴」

瑞鶴「うん。……今から対潜部隊を臨時で結成させる。悪いんだけど、磯風と谷風、島風、早霜を呼んできて」

長門「良いだろう。少し待っててくれ」

ガチャ バタン

…………。

243:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:03:36.80 ID:vonc0QE3O


長門「これで全員だ。説明を頼むぞ」

瑞鶴「4人に今集まって貰ったのは、もう分かってると思うけど、敵潜水艦を迎撃して貰う為なんだ」

磯風「だろうな。では、この4人で艦隊を組んで行くということでいいのか?」

瑞鶴「うん。その認識で合ってるわ」

磯風「なら、司令艦を決めないといけないな」

瑞鶴「それは、17駆逐の司令艦である磯風に任せてもいい?」

磯風「問題ない」

瑞鶴「じゃあ、磯風よろしくね」

磯風「ああ」

瑞鶴「これから30分以内に対潜装備を充実させて出撃して。何か質問はある?」

谷風「ちょいと良いかい?」

瑞鶴「何?」

谷風「今回は敵の潜水艦を全滅させるのかい? それとも出来る限り減らすのかい?」

瑞鶴「出来れば全滅と言いたいところだけど、4人だけでそれは多分無理ね。だから出来る限り撃滅でよろしくね」

谷風「がってん!!」

瑞鶴「他には? ……無さそうね」

翔鶴「皆さん、頑張ってきて下さいね」

瑞鶴「みんなが無事に帰って来ることを祈って待ってるわ」

磯風「大丈夫だ。ここに居るのは皆歴戦の者だ。そう簡単には沈まぬ」

瑞鶴「うん、そうだね。じゃ……30分後に作戦決行! 健闘を祈るわ!」

全員「はい!!」

…………。

244:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:04:14.80 ID:vonc0QE3O


浜風「磯風、谷風。気を付けて下さいね」

浦風「磯風も谷風もおっちょこちょいじゃけぇのぉ。絶対に油断しちゃ駄目じゃね」

磯風「私はそんな事無いぞ」

谷風「何を言ってるんだい! 磯風は一番頭のネジがぶっ飛んでやがる」

磯風「傷付くな」

谷風「心にも無い事を言いやがって。谷風さんの方がもっと傷つけられてるんだよ」

磯風「それはあれか? 谷無風とか言われるからなのか?」

谷風「また! そろそろ谷風さん、我慢の限界だよ! 谷風さん豊胸手術も考えてるんだよ!」

浜風「この前も言いましたが、これは邪魔で……」

浦風「あんた達、なんべんウチに叱られても学習せんね」

谷風「で、雪風。雪風からは何か言ってくれねえのか?」

雪風「私からですか?」

谷風「うん」

雪風「私からは何も……」

谷風「あのさ、雪風」

雪風「何でしょうか?」

245:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:04:54.88 ID:vonc0QE3O


谷風「初風と時津風を喪って天津風とも離れ離れになって辛いのかもしれないけどさ、出来れば谷風さん達を受け入れてくれると結構嬉しいんだよ?」

雪風「…………」

谷風「今すぐってのは無理かもしれねぇけど、少しずつ17駆逐の雪風になって欲しいねぇ」

雪風「…………はい」

谷風「まあ、頭の片隅にでも入れておいてくんな」

雪風「あの……谷風、磯風」

谷風「なんだい?」

磯風「なんだ?」

雪風「…………ご無事で」

谷風「がってん!!」

磯風「この磯風に任せるがいい」

浦風「ほら、そろそろ時間じゃ。いってらっしゃい」

谷風「ちょっくら行って来るよ」

浜風「二人とも気を付けて下さい」

磯風「ああ」

………………………………。

246:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:06:37.27 ID:vonc0QE3O


………………………………

………………

……

磯風「谷風!! 早くこっちへ!! 魚雷が!!」

谷風「ぬかった……ごめん磯風、谷風さん、これまでみてぇだ」

磯風「何を言ってる!! まだ諦めるな!!」

谷風「磯風、みんなに伝えといて欲しいんだ。ごめんって」

磯風「嫌だ! そんな役受けたく無い!」

谷風「雪風とちゃんと話しときゃよかったな……」

磯風「おい! 谷風!!」

谷風「…………谷風さんが最初で最後の17駆逐の犠牲艦であるように……神様頼むよ……」

谷風「…………神様……」

磯風「谷風ぇーっ!!」

ズドーン!!

………………………………。

247:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:08:10.74 ID:vonc0QE3O


タウイタウイ

浦風「おっ、艦隊が帰投したようじゃの」

浜風「磯風と谷風を迎えに行きましょう。雪風も一緒に来ますよね?」

雪風「私は……」

浜風「雪風が一緒に来てくれた方が谷風も喜びますから来てくれませんか?」

雪風「分かりました」

浦風「ほら、行くよ」

浜風「はい」

ガチャッ パタン

…………。

248:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:09:12.50 ID:vonc0QE3O


浜風「磯風、お疲れ様です」

磯風「…………」

浦風「どうしたん? それに、谷風が見当たらんのぉ。入渠に行ったんかのぉ?」

磯風「…………ぃ」

浦風「ん? 何かゆぅた?」

磯風「す……ぃ」

浜風「磯風?」

磯風「すまない」

浦風「なぁ、どうしたん? 谷風は何処に行ったん?」

磯風「し…………」

浦風「し?」

磯風「しず……」

浦風「しず……………………まさか!?」

磯風「しず……んだ……」

浜風「沈んだ……轟沈……? え?」

磯風「谷風が沈んだ! すまない! 私が指揮を執っていたばかりに!! 私の所為だ! 私が至らなかったから!!」

浜風「冗談ですよね? 磯風らしくないつまらない冗談ですね」

磯風「すまない……本当にすまない…………私の所為で谷風が……」

浦風「とりあえず磯風はお風呂に入ってご飯を食べて来んさい。ご飯が喉を通らんかもしれんが、それでも無理矢理食べて来んさい」

磯風「…………」フルフル

浦風「行きんさい、磯風!!」

磯風「…………」フラフラ

浦風「ゆっくり休んで来んさい。後でウチが何でも聞いちゃりるから」

磯風「…………」フラフラ

雪風「磯風さん」

磯風「…………」ピタッ

雪風「悪いのは磯風さんではありません。悪いのは……」

雪風「……死を運ぶ私ですから」

………………………………。

249:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/25(土) 23:10:00.72 ID:vonc0QE3O


私はまた人を殺した

性懲りも無く仲間になろうとしたから

次は……誰が死ぬのかな

………………………………

………………

……

252:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/26(日) 23:12:23.20 ID:5HkQwCt5O


大鳳「瑞鶴、提督から電文が入ったわ」

瑞鶴「出撃って?」

大鳳「そう。敵艦隊が接近中との事です」

瑞鶴「分かった。谷風達のお陰で敵潜水艦は掃討出来たから出撃は出来るわね」

翔鶴「発着艦訓練は出来なかったけど……」

瑞鶴「うん……でも、ずっと一緒に戦ってきたこの子達なら負けないよ」

翔鶴「えぇ……ただ、大鳳は習熟訓練が……」

大鳳「大丈夫。それを補う為にこのボウガンでの発艦を選びました。そして翔鶴達から分けて貰った優秀な子達もいます」

瑞鶴「その子達、大切にしてあげてね。そうしないと私と翔鶴姉が怒っちゃうよ」

大鳳「勿論です!」

瑞鶴「慣れない戦闘かもしれないけど頑張ってね」

大鳳「はい!」

瑞鶴「じゃ、みんなにも知らせに行くよ」

………………。

253:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/26(日) 23:13:01.23 ID:5HkQwCt5O


瑞鶴「みんな、正式に作戦が発表されたよ」

翔鶴「作戦は前にも提督がおっしゃっていたマリアナ諸島での迎撃です」

瑞鶴「敵の戦力は私達の倍が想定されてるの。この場合真正面からぶつかっても量ですり潰されるのが目に見えている」

鈴谷「なら、どうするのさ? まさか自分から進んで死ぬ為に出撃するって訳じゃないよね?」

瑞鶴「うん。そうならないようにするよ」

熊野「具体的にはどうするのですか?」

瑞鶴「アウトレンジ戦法をとる」

鈴谷「アウトレンジ?」

瑞鶴「そう。アウトレンジっていうのは、敵艦載機の攻撃範囲外からこちらの艦載機を出して敵空母を破壊、そして帰還させる。ざっくりいう時に、こんな戦法よ」

鈴谷「ふえ〜」

翔鶴「この戦法は圧倒的な航続力を持つ日本の艦載機だから出来ます」

瑞鶴「うん。だから今回は最大限の射程を稼ぐ為に艦載機も固定する」

翔鶴「天山12型甲、彗星33型、そして零戦21型」

鈴谷「21型!? 正気なの!?」

瑞鶴「うん、これはしょうがないんだ。32型や52型は航続力が足りないから……」

熊野「満足なアウトレンジ戦法が取れなくなるという訳ですわね?」

瑞鶴「うん……」

熊野「よく分かりました。しかし、本当に大丈夫なのですか?」

瑞鶴「大丈夫! みんな私達と一緒に死線を潜り抜けた腕利きだから!」

熊野「そうですか」

254:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/26(日) 23:13:30.21 ID:5HkQwCt5O


瑞鶴「とりあえずみんな、今日はゆっくり休んでね。明日の朝に出航するからさ」

翔鶴「出航前に何人かの駆逐艦の子に敵潜水艦がいるかを確認して貰います」

瑞鶴「出航を狙われる訳にはいかないからね」

翔鶴「何か質問がある人はいらっしゃいますか?」

瑞鶴「いないみたいね。じゃあ、最後に一つだけ……」

瑞鶴「みんな……谷風達に顔向け出来るように何としてもこの作戦成功させるわよ! だから、みんなの命を私達に預けて!!」

全員「オー!!」

瑞鶴「また明日ね。全員解散!!」

………………。

翌日

瑞鶴「みんな揃ったね? 翔鶴姉、敵の潜水艦の存在はどうだった?」

翔鶴「大丈夫、いないみたい」

瑞鶴「うん! じゃ、大鳳」

大鳳「はい!?」

瑞鶴「大鳳がこの艦隊の旗艦なんだから、あとは任せたよ」

大鳳「はい! では、全艦隊抜錨! 目標マリアナ諸島!! 出撃!!」

………………………………

………………

……

258:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/28(火) 23:12:08.25 ID:MndHs3nYO


マリアナ沖

大鳳「索敵機より入電! 敵艦隊発見! サイパン西方海域です!」

瑞鶴「詳しい座標は後で教えて。翔鶴姉、攻撃隊発艦の準備は出来てる?」

翔鶴「私は大丈夫よ」

瑞鶴「大鳳も大丈夫よね? このまま攻撃アウトレンジで叩く。それでいい?」

大鳳「はい、もちろんです! 第一次攻撃隊発艦準備! 第三航空戦隊、別称乙部隊も第一次攻撃隊の発艦準備をお願いします!」

瑞鳳「了解! 千歳、千代田。第一次攻撃隊発艦準備するわよ!」

千歳「分かりました」

千代田「千歳お姉、頑張ろ!」

千歳「ええ、そうね」

大鳳「全艦、艦首風上最大戦速! 随伴艦の駆逐艦の皆さんもお願いします!」

瑞鶴「風力良し、船速良し! 零戦発艦! 続いて彗星、天山の順に発艦!!」バシュッ

大鳳「数が少ない第三航空戦隊から空中集合完了後目標に先行して下さい。こちらも完了次第後を向かわせます!」

瑞鳳「了解です!」

瑞鶴「瑞鳳、千歳、千代田。分かってるとは思うけど、敵本隊50kmの地点までは超低空を飛行させて接近させてね」

千代田「今回は腕利きが揃ってるから出来るはず!!」

千歳「千代田!」

瑞鳳「今回は?」

千代田「ほら、最近なかなかこんなに沢山の艦載機を飛ばさないからね……アハハ」

瑞鳳「へ?」

千歳「気にしないで瑞鳳。千代田ったら時々変な事を言い出すから」

瑞鳳「う、うん……?」

259:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/28(火) 23:12:35.19 ID:MndHs3nYO


大鳳「これで最後っ!」バシュッ

瑞鶴「壮観ね……過去最高だね、こんなに艦載機を発艦したの」

翔鶴「そうね。もうこんな機会は無いかも知れないわね」

瑞鶴「これで暫くは待つだけね……あれ?」

翔鶴「瑞鶴、どうしたの?」

瑞鶴「あの彗星……大鳳所属よね? こっちに戻って来てる」

大鳳「故障かしら……?」

瑞鶴「この軌道、着艦じゃ……ああっ!!?」

翔鶴「危ない!」

ズドーン!!

大鳳「なっ! どうして海面に!!?」

瑞鶴「故障……いやっ!! 大鳳、魚雷!!」

大鳳「っ!!?」

ズドーン!

瑞鶴「大鳳!!」

浦風「大鳳さん!!」

260:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/28(火) 23:13:13.14 ID:MndHs3nYO


大鳳「うっ……皆さん、私は大丈夫です。右舷に被雷しましたが、航行に影響無し。被害は軽微です」

瑞鶴「よ……良かったぁ……」

翔鶴「ふぅ……」

秋月「本当に大丈夫ですか!?」

大鳳「ええ、大丈夫よ。何せ、私は装甲空母。飛行甲板だけでは無くて、その他の防御も万全を期して建造されたから」

瑞鶴「さっすがね」

大鳳「ありがとうございます。それより駆逐艦、軽巡の皆さん、この辺りに潜水艦が潜んでます! 直ぐに掃討へ移って下さい! 逃げられたら危険です」

矢矧「了解、雪風、浦風、磯風。私に続いて」

雪風「はい」

浦風「了解じゃ!」

磯風「了解だ」

大鳳「出来る限り迅速にお願いします」

矢矧「分かりました」

……………………。

261:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/28(火) 23:13:44.06 ID:MndHs3nYO


零戦妖精「くそっ、曇ってて見通しが悪い!」

天山妖精「しゃあないだろう。こればかりは文句を言ってもどうしようもない」

爆戦妖精「上空には気を付けろよ。雲の中からこんにちはとか洒落にならねえからよ」

零戦妖精「ああ。残り50浬だ、もう少し低空を飛ぶか? それとも上空に上がるか?」

爆戦妖精「もう少しこのままで行こう。タダでさえ機体が敵の性能と段違いなんだ。迎撃は少ない方が良いだろう」

零戦妖精「分かった。もう少しこのまま……」

零戦妖精「三番機から隊長機へ!! 敵襲!! 雲の上から敵機がっ!! 敵の新型機、数は約400!!」

零戦妖精「クソッタレがっ!! 俺達緑小隊は上空からの急襲を防ぐ!! 全機機首を上げろ! 戦闘開始だ!! 爆戦と天山は何としても敵艦を叩いてくれ!! 健闘を祈るっ!!」

零戦妖精「他の小隊の奴らも援護に来てくれ!!」

ズダダダダ バシュッ

零戦妖精「おい! 四番機!! 大丈夫か!?」

零戦妖精「小隊長、すみません……燃料に引火……靖國で待ってます……」

バッシャーン!

零戦妖精「くっそぉ!!」

……。

262:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/28(火) 23:14:27.37 ID:MndHs3nYO


天山妖精「こちら2番機! 敵艦隊発見!!」

天山妖精「こちらでも確認した。爆戦隊と連携を取って敵空母を叩くぞ」

天山妖精「了解!」

爆戦妖精「爆戦隊全機に告ぐ。全機急降下爆撃を行う。離脱の際には隊を解除して2機を交差させることを忘れるな」

零戦妖精「敵対空砲火圏内に入るぞ! 気を付けろ!」

爆戦妖精「敵艦隊対空戦闘始めました!」

爆戦妖精「何としても潜り抜けろ!」

バンッ

爆戦妖精「五号機被弾! 高度が落ちていきます!」

爆戦妖精「何だあれは!? 追尾して来るぞ!?」

艦戦妖精「こんなの見た事ねぇぞ!!」

バンッ

艦戦妖精「 」

艦戦妖精「おい、二号機どうした!? 応答せよ!! そのままだと墜落するぞ!」

バッシャーン!

艦戦妖精「何なんだ!! この砲撃は!!?」

263:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/04/28(火) 23:17:26.73 ID:MndHs3nYO


爆戦妖精「駄目だ! このままこいつらを野放しにしていたら後続の奴等もやられちまう!!」

爆戦妖精「……全機目標変更! 攻撃目標はあの戦艦だ。全機続け!!」

爆戦妖精「小隊長!! 殆どの爆戦が撃墜されました! うわっ!」

爆戦妖精「どうした!?」

爆戦妖精「燃料タンクがやられました……もう幾らかも飛べないでしょう……小隊長、御武運を!」

爆戦妖精「目標、敵重巡! 死なば諸共だ!! ばんざーいっ!!」

ズドーン!!

爆戦妖精「くそっ!! くそっ!!」

爆戦妖精「許せねぇ……お前ら絶対に許せねぇ!!」

爆戦妖精「お前だけは絶対に沈めてやるっ!! 沈めぇっ!! うぉぉぉぉぉぉ!!」

ヒューン ズドーン!!

………………………………。

266:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 00:52:17.83 ID:7v625JvXO


瑞鶴「翔鶴姉、みんな……みんな帰ってこない……」

翔鶴「大丈夫よ瑞鶴……今に帰って来るわ」

瑞鶴「でも……でもこんな時間が経ったらもう燃料も……」

翔鶴「大丈夫、大丈夫よ」

瑞鶴「翔鶴姉……」

翔鶴「雪風さん、磯風さん。いつでも艦載機の皆さんが帰ってきてもいいように私の前方と後方に移動して下さい」

磯風「承知した。雪風、私が前を担当する。後方は任せたぞ」

雪風「分かりました」

瑞鶴「じゃあ、私も。浦風と秋月よろしく」

秋月「分かりました。では、浦風は後方に。秋月は前方の対空警戒も担当します」

浦風「うん、分かったよ」

瑞鶴「あれ!? ねぇ、翔鶴姉!お」

翔鶴「どうしたの?」

瑞鶴「向こうの方に飛行機が数機見えない?」

翔鶴「どこ?」

瑞鶴「ほら、あれ! かなり遠いけど」

翔鶴「私には見えないわ。磯風さん、雪風さん。2人には見える?」

磯風「いや、さっぱりだ。雪風は?」

雪風「私も見えません」

瑞鶴「翔鶴姉、見てる方向が違うんじゃ……」クルッ

瑞鶴「っ!!!? 翔鶴姉!! 逃げて!!」

翔鶴「え!? どうしたの!?」

瑞鶴「翔鶴姉の右舷から魚雷が!!」

翔鶴「あ……」

瑞鶴「翔鶴姉ぇーーーーーーっ!!」

ズドーン!!

267:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 00:52:57.06 ID:7v625JvXO


磯風「なっ!!?」

雪風「また、ですか」

瑞鶴「翔鶴姉!! 翔鶴姉!!」

翔鶴「う……あ……ずぃか……く……ど、こ……」

瑞鶴「翔鶴姉!! 私はここよ!!」

翔鶴「ずいかく、は……ぶじ?」

瑞鶴「私は何も被害は無いわ! そんな事よりも翔鶴姉が!!」

翔鶴「ご、めん、なさ……い……私はもう……」

秋月「瑞鶴さん……離れましょう…………まだ潜水艦が狙っているかもしれません……」

瑞鶴「やだ!! 嫌!!私は翔鶴姉と一緒に帰るの!!」

秋月「無理です……瑞鶴さん、無理なんです……」

瑞鶴「どうして!? 翔鶴姉はまだ生きてる!! 生きているのなら助ける事だって!」

翔鶴「あ……きづ……きさ、ん……いも、う……と、をたの……み……」

秋月「はい……この秋月の命に代えても瑞鶴さんをお護りします!」

翔鶴「ぁ…………ぅ」

瑞鶴「翔鶴!! 諦めないでよ!! ねえ!! 雪風も曳航手伝ってよ!!」

雪風「瑞鶴さん、無理ですよ」

瑞鶴「どうして!!? 何で!!? まだ翔鶴姉は生きてるのにっ!!」

雪風「だって、翔鶴さんには腰から下がもう無いのですから」

268:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 00:55:27.81 ID:7v625JvXO


瑞鶴「でもこのまま見捨てるなんて出来ないっ!! 可能性があるなら」

雪風「瑞鶴さん、貴女は本当に近しい人を喪ったのはこれが初めてでしたね。だからあえてはっきり言っておきます。これが戦争です。誰だって簡単に死ぬんです。こんな事に一々動揺していたら貴女、兵器失格ですよ」

磯風「雪風、よせ」

浦風「雪風!!」

雪風「一々誰かの死に反応していたら貴女の心は直ぐに壊れます。分かっていないみたいなのでもう一つ言っておきましょう。この世に奇跡なんてあり得ません。ただ作戦の内容と運が良いか悪いかで死ぬんですよ。翔鶴さんは運が悪かった。ただそれだけです」

瑞鶴「あんたっ!!」

雪風「あと少しで確実に死ぬ翔鶴さんなんかに付き添う無駄な時間はありません。それよりも早く移動した方がいいでしょう。秋月は瑞鶴さんを連れてっ行って下さい。浦風も対空対潜の為に着いてって下さい」

秋月「……分かりました。行きましょう、瑞鶴さん」グイッ

浦風「…………」

瑞鶴「翔鶴姉!! 翔鶴姉!! まだ生きてるのにヤダよ!! 秋月離してよ!! お願い! お願いだから!! 翔鶴姉!!!!」

翔鶴「うぅ……………………ぁぁ……!」

雪風「翔鶴さん、瑞鶴さんは移動して貰いました。もう痛みに耐える必要はありません。今までお疲れ様でした」

──チャプン──

雪風「磯風、行きましょう」

磯風「なあ雪風……お前……まさか…………」

雪風「何ですか?」

磯風「仲間を棄てたのか……」

雪風「いえ、仲間は棄てていません。貴女達を敵に回す必要はありませんから」クルッ

磯風「では……」

雪風「ただ、私は『兵器』に近付いただけですよ、磯風」

磯風「そんな事あって良い訳が無」

ズドーン!!

269:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 00:56:06.98 ID:7v625JvXO


磯風「!!? 今度は何なんだ!!?」

雪風「あれは……」チャッ

雪風「ああ……大鳳さんが大爆発したみたいです。肉片が飛び散っていますが、大鳳さんの跡形は残ってないですね」

磯風「嘘……だ……」

雪風「いえ、本当です。この双眼鏡使いますか?」スッ

磯風「ああ……頼む」

雪風「どうぞ」

磯風「…………っ!!?」

雪風「この通りです。磯風、瑞鶴さんに達に合流しましょう。恐らくもう戦闘の継続は不可能でしょう」

磯風「…………あぁ……」

雪風「……………………」ボソッ

磯風「何か言ったか?」

雪風「いえ、何も」

………………………………。

274:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 23:56:09.84 ID:6O+YJWv1O


瑞鶴「ぁあ…………翔鶴姉…………翔鶴姉…………翔鶴姉を私は……」

妙高「瑞鶴、しっかりして下さい! 大鳳と翔鶴が居なくなった今艦隊旗艦になるのは貴女なんですよ!」

瑞鶴「あは、あはははははは……翔鶴姉を助ける事が出来なかった……何が幸運艦よ…………何が一航戦よ……結局何も出来なかったじゃない……」

羽黒「妙高姉さん……」

妙高「駄目ね……瑞鳳、聞こえますか?」

瑞鳳「はい」

妙高「瑞鶴が目の前で翔鶴を喪い精神が壊れかけています。今の彼女には全体の旗艦を務めるのは不可能です。なので瑞鳳にその任をお任せしてもよろしいですか?」

瑞鳳「……分かりました」

妙高「ありがとうございます。では、瑞鳳。ご指示を」

瑞鳳「全艦に告げます。これより撤退行動に移ります。航空戦力が壊滅した今、私達には敵の機動部隊を撃退する事は不可能です。幸い、まだ敵の機動部隊は私達に対して航空機で攻撃は出来ないです。皮肉な事ですが、私達がアウトレンジに拘ったので撤退の猶予はあるでしょう。だけど、あまり時間はありません。出来る限り急いで下さい」

全員「了解」

瑞鳳「潜水艦にだけは気をつけて下さいね。唯一の脅威となり得る存在ですから」

矢矧「本隊甲部隊は私達と所属の駆逐艦で対潜警戒をするわ」

瑞鳳「お願い」

矢矧「ええ。秋月は瑞鶴さんの護衛を続けて。他の子は対潜警戒を」

……………………。

275:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 23:57:03.99 ID:6O+YJWv1O


雪風「あれは……」

浦風「あれは……敵の艦載機……!?」

磯風「あり得ない! 航続距離が圧倒的に劣っている敵の艦載機がこんなところまで来るなんて!」

矢矧「瑞鳳! 敵だ! 敵の艦載機が接近中!!」

瑞鳳「う、嘘!? どうして!?」

隼鷹「おい、飛鷹! 早く逃げろ!! 今すぐ逃げるんだ!!」

飛鷹「何で私だけなの!?」

隼鷹「良いから! 急いで逃げるんだ!!」

飛鷹「私だけ逃げるのは嫌!」

隼鷹「頼むよ飛鷹!! 本当に頼むから!」

飛鷹「どうして!? どうして隼鷹はそんな事を言うの!?」

隼鷹「それは言えないんだって! そんな事より早く!!」

飛鷹「訳が分からないわ!!」

野分「敵しゅーう!!」

長門「爆撃機だ!! 急降下をしてくる爆撃機を何としても狙え!!」

瑞鳳「どうして……!! どうしてこんな事になったのよ!!」

276:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 23:58:10.68 ID:6O+YJWv1O


秋月「三時の方向より敵爆撃機群接近!! 高射装置自動追尾良し! 撃てぇ〜!!」ズドン!

秋月「次射の準備を! 機銃は弾幕を途切れせないで!!」ズダダダダ

矢矧「秋月、凄いわね。でも、私も負ける訳にはいかないわ!」ズダダダダ

秋月「次弾装填良し、砲撃開始!」ズドン

秋月「くっ!! 長10センチ砲ちゃんの砲身が……皆さん、交換が完了するまで持ち堪えて下さい!!」

磯風「無理だ! 爆撃機に抜けられた!!」

秋月「まだ間に合わせない!!」

瑞鶴「私が……私が…………」

浦風「瑞鶴さん!! 敵機直上! 急降下!!」

瑞鶴「私が……」

秋月「逃げて!!」

ズドーン!!

277:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 23:58:55.49 ID:6O+YJWv1O


瑞鶴「キャア!!?」

秋月「瑞鶴さん!!?」

雪風「瑞鶴さん、無事ですか?」

瑞鶴「痛い……直撃ってこんなに痛かったんだ…………翔鶴姉がずっと庇ってくれてたから私……」

雪風「瑞鶴さん、ちょっと歯を食いしばってて下さい」

バキッ!!

瑞鶴「いっ!!?」

雪風「そんなことやってると貴女死にますよ? もしも死にたいならそのままどうぞ御勝手に。しかし、他の人を貴女の我儘に巻き込まないで下さい。死ぬなら勝手に一人でお願いします」ズダダダダ

瑞鶴「どうして……そんなに冷たくなれるの?」

雪風「私は兵器ですから心は邪魔です。そんな事よりも早く死ぬか生きるか決めて下さい」

瑞鶴「ごめん、今はまだ死にたく無い」

雪風「分かりました。私達で護衛もしますが、常に空には気を付けて下さい」

瑞鶴「分かった」

矢矧「瑞鳳から連絡よ! ……輸送艦2隻が轟沈。そして飛鷹が機関停止、隊列から落伍……ですって」

雪風「そうですか。曳航や救助の話は出てますか?」

矢矧「いいえ、出てないみたい」

雪風「なら良かったです。もしもそんな事をしたら被害が広がるだけですから」

矢矧「………………そうね……」

雪風「矢矧さん、意見具申よろしいですか?」

矢矧「いいわよ」

雪風「はい。瑞鶴さんが正気を取り戻したので、この部隊の指揮を瑞鶴さんに戻しましょう」

矢矧「分かった。妙高さんも宜しいですか?」

妙高「はい」

瑞鶴「じゃあ、私が旗艦を引き継ぎます。みんな、私に続いて。全速力で逃げるから」

全員「了解」

瑞鶴「全艦33ノットで航行! いいわね?」

全員「はい!」

………………………………

………………

……

278:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/11(月) 23:59:51.42 ID:6O+YJWv1O


ブルネイ

隼鷹「クソッ!! 飛鷹……またあんたは……!! どうしてだよ飛鷹!! 今度こそ……今度こそ護れると思ったのによ!!」

瑞鶴「う、うぅぅ……翔鶴姉……」

妙高「羽黒、今回の最終的な被害のデータは分かりましたか?」

羽黒「はい。基地航空隊、母艦航空隊は共に壊滅。そして玄洋丸、清洋丸、大鳳、翔鶴、飛鷹が轟沈。瑞鶴と瑞鳳、龍鳳、千代田、榛名、摩耶、速吸が小破、隼鷹が中破です」

妙高「最悪ですね……」

羽黒「はい。あの時と全く変わりません」

妙高「やはりこの世界は」

────繰り返すのでしょうか────

282:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/12(火) 23:11:28.77 ID:8CFJVJRQO


横須賀鎮守府

提督「はい……そうですか…………分かりました」

提督「では、その前に一点確認したいのですが、…………はい、その事です」

提督「………………その中将が……間違いありませんね?」

提督「分かりました。では、私は出立します。前々から約束していた通り私は朝霧型駆逐艦一番艦の朝霧に乗艦致します。……いえ、乗組員は私の方で決めさせて頂きます。では、失礼します……」

ガチャン

提督「仕方ないか…………さて、もう一仕事だ」チャッ カチッ

提督「鎮守府別棟に待機する朝霧全乗組員に告ぐ。今すぐ講堂に集まってくれ。繰り返す、鎮守府別棟に待機する朝霧全乗組員に告ぐ。今すぐ講堂に集まってくれ」カチッ

提督「これで最後か……」

ガチャッ パタン

……………………。

283:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/12(火) 23:12:29.69 ID:8CFJVJRQO


提督「すまないなみんな。突然呼び出してしまって」

乗組員「何をおっしゃるんですか! 中将、らしくないですよ!! なあ?」

乗組員「ああ、そうだな」

提督「そんな事は無い。私はいつも感謝の心でいっぱいだ」

乗組員「中将、冗談がキツイっすよ」

提督「ほう、お前潜水艦のスクリューに括り付けられたいのか? あまりにも反抗的だと実行も止むなしだな」

乗組員「勘弁して下さいよ〜」

提督「まあいい。そんな事よりも、大切な用事があって全員をここに呼び出した。先に行っておくが反論は許さない。必ず命令に従って貰う。それだけは肝に命じておいてくれ」

乗組員「……どうしたんです?」

提督「では、最初に……この中で家庭を持っている者と25歳以下の者は挙手してくれ」

バッ

提督「今挙手した者は全員ここを出て行け」

乗組員「は?」

乗組員「あの、中将。それはどういう事ですか? 私には訳が分かりません」

提督「挙手した者は全員ここを出て部屋や朝霧艦内以外の持ち場に戻れと言うことだ。反論は許さないと言ったぞ」

乗組員「どうしてですか!!? 俺たちに落ち度でもあったのですか!?」

提督「いいや、お前達は良くやってくれたよ。私の数少ない誇りの一つだ」

乗組員「でしたら、どうして!!」

提督「…………もはや絶望的なこの戦争だが、だからと言って死に急ぐ必要は無い。特に若いのは国の未来だ。お前達が生きていればもしかしたら何かが変わるかもしれない」

乗組員「嫌です!! 私は中将と生死を共にすると決めたのです!! ですから、どうか私を連れて行って下さい!! それに中将も私達と歳は変わらないではないですか!!」

提督「上官命令だ!! 命令に従わない者はこの場で射[ピーーー]る!!」チャッ

乗組員「中将!!」

乗組員「おい、お前達落ち着け! 俺達の中将の最期かもしれねぇんだ。これ以上中将を困らせてどうする! そんな顔でお前達は中将を見送るのか!!?」

乗組員「中将、あんたとはそれなりに長い付き合いになったが、あっという間だったな」

提督「そうだな、副長。世話になったな」

乗組員「もしもあんたが帰ってきたらまた一杯やろう」

提督「ああ」

乗組員「俺達は本国に残るが何時でも心は中将の元にある!! 検討を祈る! 全員系列!!」ビシッ

提督「……」ビシッ

乗組員「退出を命ぜられた者は全員俺に続け」

────パタン────

284:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/12(火) 23:13:14.99 ID:8CFJVJRQO


提督「…………行ったか……では、全員目を潰れ」

乗組員「…………」

提督「恐らくこの航海で朝霧は沈むだろう。乗組員が生き残れる可能性も少ない。場合によっては全員死ぬ可能性もある」

乗組員「…………」

提督「死にたい者以外はこの場から去ってくれ。お前達には家族が生きてる者もいるだろう。その者は自分が死んだ時の家族の顔を思い浮かべろ。家族がいない者は最も大切な友人や彼女の事を考えろ。」

提督「この場に限っては、辛いと感じたは逃げていい。怖くなったら逃げてしまえばいい。生きたいと思うのなら退出するんだ。ここに残るのは愚か者と馬鹿だけでいい」

提督「これで最期だ。退出する意思のある者はこのまま去ってくれ。それを非難することはしないし、した者がいれば私が責任を持って罰せよう」

乗組員「…………」

提督「………………お前達は馬鹿ばっかりだ。わざわざ死を選ぶなんて愚か者だぞ」

乗組員「俺達は、愚か者ですよ。なんせ中将の部下なのですから」

提督「愚か者め……しかし、お前達を私と共に死なせる気は毛頭無い。それだけは覚えておけ。ここに残った全乗組員は朝霧に搭載している魚雷を全て撤去し、そこにデカイ木の板やボート、浮き輪等をありったけ載せるんだ。いいな?」

乗組員「はい!!」

提督「準備が出来次第出航。ブルネイに向うぞ」

乗組員「はい!!」

提督「解散してくれ」

…………………………。

285:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/12(火) 23:13:42.08 ID:8CFJVJRQO


ブルネイ

瑞鶴「……翔鶴姉ごめんね…………私が空を見てなんて言わなければ…………」

コンコン

瑞鶴「だ、誰!?」

金剛「私ネ! 金剛デース! 入りマスよ?」

瑞鶴「うん、どうぞ」

金剛「Hey 瑞鶴! 提督からLove letterが届いてるヨー!」ガチャッ

瑞鶴「………………提督さんから?」

金剛「イエース!」

瑞鶴「どうせ、今回の責任を取って旗艦の任を略奪とかでしょ……」

金剛「それはNo〜デスよ! これを読めば分かりマース!」スッ

瑞鶴「…………え!?」

金剛「分かりマシたか、瑞鶴?」

瑞鶴「どうして提督さんがここに来るの!?」

金剛「私には分かりマセん。But、瑞鶴が都合が良いように解釈しちゃえば良いのデス。提督が瑞鶴の事を心配シテ来てくれるとかデスね」

瑞鶴「でも…………」

金剛「マリアナは瑞鶴には辛すぎる出来事デシた。瑞鶴も沢山busyでショウ? 傷を癒す為にも提督とLove nightを過ごせば良いと思いマスよ?」

瑞鶴「金剛、いいの? 貴女も提督さんの事……」

金剛「何の事デスかネー?」

瑞鶴「そういえば、貴女は改二になってから提督さんにベタベタしなくなったもんね……もしかして、私の所為なの?」

金剛「それは違いマス。瑞鶴は勘繰りすぎデスね」

瑞鶴「ごめん……」

金剛「問題Nothing! では、私はこれで失礼するネ!」

瑞鶴「あ、うん……」

ガチャッ パタン

………………………………

………………

……

286:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/12(火) 23:14:08.73 ID:8CFJVJRQO


提督「やっと着いたか。長い船旅だった」

乗組員「足元にはお気を付け下さい」

提督「大丈夫だ。流石にお前達にこの様な事で心配されるのはどうかと思うぞ」

乗組員「へぇ」

提督「まあいい。私はブルネイの司令官に挨拶をして来る。その後は恐らく宿舎で艦娘達と会議をする。もしも何かあれば遠慮なく呼び出してくれ」

乗組員「了解。中将、お迎えが来てますよ」

長門「久しいな、提督よ」

提督「ああ。久しぶりだな、長門」

長門「すまないな……あのような結果に終らせてしまい……」

提督「お前達は良くやってくれた。悪かったのは、あの作戦の命を下した私だよ」

長門「それは違うのだろうに」

提督「それより、瑞鶴はどうした?」

長門「ああ、あいつはまだ部屋に籠っている。翔鶴の件でよっぽど響いているのだろう」

提督「分かった。また後で瑞鶴のところに行ってみるとしよう」

長門「提督よ、頼む」

提督「ああ。だが、先にブルネイの司令官に挨拶をして来るとしよう」

長門「了解だ」

…………………………。

287:ずいずい ◆9eWjFae4dI2015/05/12(火) 23:39:26.74 ID:8CFJVJRQO


コンコン

提督「瑞鶴、いるか?」

瑞鶴「提督さん!?」

ガチャッ

提督「ほう、わざわざ開けてくれるとは……と、泣いていたのか?」

瑞鶴「うん…………」

提督「とりあえず入ってもいいか?」

瑞鶴「うん。どうぞ」

パタン

提督「ずっと泣いていたのか?」

瑞鶴「だって…………翔鶴姉を殺したのは私だもん……」

提督「他の者から話は聞いたが、それは違うだろう。お前は当たり前の事をした。その結果としては翔鶴の轟沈に繋がったのかもしれないが、お前の所為とは言えない」

瑞鶴「でも、生きていた翔鶴姉を見捨てたのは事実だもん!!」

提督「それはお前の思い込みだ。それに翔鶴はお前が離れた後すぐに息を引き取ったらしい。それでも見捨てたと言うのか?」

瑞鶴「そうよ! 私が見捨てなければ……」

提督「どうしてそうやって一人で背負い込もうとする? それを言い始めたらあの作戦を命じたのは私だ。恨むなら私を恨め」

瑞鶴「そんなの、出来るわけないじゃない!」

提督「何故?」

瑞鶴「だって……提督さんが…………」

提督「ならば、私をお前の感情の捌け口にすればいい。傷を癒すのは無理だが、それ位ならば私でも出来る」ギュッ

瑞鶴「ありがと……提督さん…………」ギュー

瑞鶴「う、うぅ……うわぁぁぁぁぁぁん!!」

提督「……辛かったな、瑞鶴……」ナデナデ

瑞鶴「翔鶴姉!! うわぁぁぁぁ〜!!」

………………………………

………………

……


後編へつづく

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